アルバム全曲レビュー * アーティスト名 : おざわけんじ。

Reviewer:7th. 522-524 名無しのエリー2004.03.06.

1.昨日と今日 ★★★★
エレギが全面に出た曲。
サビ途中そして間奏のキーボードが印象的。男臭い曲。
2.天気読み ★★★★
小沢健二ソロファーストシングル。イントロ、何かが降ってくる感じ。
歌詞は良いが、サビが少し多い気がしないでもない。
3.暗闇から手をのばせ ★★★
ファーストシングルのカップリング曲。そしてセカンドシングルでもある、アルバム中、もっともロックな一曲。
この曲に限ったことではないが、ドラムが最高。ベースもまた然り。ギターをもう少し凝れば良かったかも。
4.地上の夜 ★★★★
前の曲からの流れのせいもあるだろうけど、声がひどく柔らかい。
それは、悪い意味ではなく。聴くと、雰囲気がこの曲の歌詞通りになる。
5.向日葵はゆれるまま ★★
声とピアノと手拍子のみの、三拍子曲。
地味なようにも見えるが、これがないと流れが途切れそうな気がする。2分半の短い曲。
6.カウボーイ疾走 ★★★★★
ピアノが力強いイントロから始まり、印象的なドラムスが鳴り響く。
朝に聴くと良さげな、爽やかな曲。
7.天使たちのシーン ★★★★★
ファンの間でも人気のある曲。歌詞が飛び抜けて良いと思う。
13分半もある、とても長い曲だが、あっという間に終わってしまう気がする。
サックスの音が研ぎ澄まされている。
8.ローラースケート・パーク ★★★★
ソウルっぽく仕上がっている。ラストの手拍子が良い感じ。
この曲で初めて女性コーラスが入っている。そのせいか、華やかなイメージが。
総評.★★★★
とにかくドラムに痺れる。そんなこのアルバムのドラマーは、青木達之氏(元東京スカパラダイスオーケストラ、故人)。
アルバム通して無駄な音が無く、スカスカだが、ドラムとうねるベース、そして中西康晴氏のキーボードのお陰で、気にならず。
小沢健二の声に、彼の全盛期の頃しか知らない人は、多分、驚くと思う。それは、聴いて確かめてみてください。
(★5個が満点。)

Reviewer:4th. 621-623 名無しのエリー2003.03.13.

1.愛し愛されて生きるのさ ★★★★
後にシングルカットが多発したこのアルバムだけど、実はパイロットシングルはこれでした。
アルバム全体にアナログ感があるけど、この曲はフォーキーな感じ。
んで、意味のない論争だと思うがパクリ論争が目だったのもこの曲から?ヒックスビルの真城のコーラスと途中の語り部分。
ギミックの聞いた詩がいいです。
2.ラブリー ★★★★☆
ブームとしてのオザケンのイメージの集約。イントロの元ネタはDAもサンプリングしてますた。
ブレイクビーツがすごい気持ちイイ!とにかく躁!
3.東京恋愛選科・または恋はいってみりゃボディ・ブロー ★★★
タイトルがらしいこの曲。これも全曲にいえるんだけど、スカパラホーンズがすごく気持ちいいのです。甘め。
音程は微妙なんだけどさ。
4.いちょう並木のセレナーデ ★★★
なぜかライブ調のアレンジ。
アルバムではギターソロの部分がライブでは沖氏の口笛になってて個人的にはそっちのがすきです。メロウってのがピッタリ
5.ドアをノックするのは誰だ? ★★★★
そしてまたアッパーな曲調へ。舌足らずに畳み掛けるメロが特徴。
ストリングスと合間って絶好調真冬の恋スピードに乗って。曲違い。女子受けするかも。
6.今夜はブギ―・バック(nice vocal) ★★★★★
本当に大名曲!!掛け値なしに。
それだけ有名だしアルバムの中では浮いてる感もあるんだけど、、色んな意味で完成度はスゲーよマジ。SDPとのコラボです。
ライブ盤では三番の歌詞がでてきます。そっちも是非。んで最新アルバムでもセルフカバーされてるんだよね。
AORサウンドになってます。
7.ぼくらが旅に出る理由 ★★★★
レビューになってないんだけど、とても美しい曲。有名なストリングスの意味は?だけど、、
詩に半年掛けたって話だけどいいよねえ。切なかったり。。
8.おやすみなさい、仔猫ちゃん! ★★★
計算ずくで狙ったかのようなタイトル。アルバム中唯一シングル未収録。
箸休め的な曲だけどディズニ―映画のエンディングなんてくだりでてこないよね。なかなか。
シンプルながらも音は色々鳴ってたり。落ちつく。。。
9.いちょう並木のセレナーデ(reprise)
アルバム〆はオルゴールの音で。。
総評.★★★★☆
音楽って消費するもの多いけど、いつ聴いても良いものってそんな多くもなくて。
おしむらくべきはあるいみで小沢健二っつーかオザケンの一辺でしかない音楽性が
このアルバムでよってのみ語られてしまいがちなことだったり。
セールス的には成功したけど、弊害みたいなのもあって。ホントにイイ曲っていっぱい作ってる人だと思うんだけどね。
悪いとこもあるんだろうけど、確かに歌はうまくはないし。表面だけみれば詩だってあまっちょろいし。
嫌いな気持ちもわかるけど特に硬派系男子。
ただ胸はって薦められるアルバムではあります。
(★:2点,☆:1点の計10点満点。tr.9は星評価なし。)

Reviewer:15th. 221-222 名無しのエリー2007.07.06.

1.愛し愛されて生きるのさ ★★★★★
4thシングル。乾いたギターが印象的な、フォークナンバー。全体を通して独特の浮遊感が漂っている。
キャッチーながらも哀愁が漂うメロディと、捻りの利いた歌詞の相性が抜群。
こういう曲を書けるアーティストはいそうで、中々いない
2.ラブリー ★★★★
後にシングルカットされ、一般知名度もかなり高いであろう代表曲の一つ。ブレイクビーツが最高に気持ちいい。
渋谷系の王子様と言われていた彼のイメージそのままの曲。曲に華をそえているホーンアレンジが絶品。
オザケンの甘くどこかお坊ちゃまのような歌声も曲と合っていて、7分以上あるが聴いてて全く長さを感じさせない
3.東京恋愛専科・または恋は言ってみりゃボディー・ブロー ★★★★
如何にもオザケンらしいタイトルの曲。イントロはテクノっぽいが、全体を通せば至ってアナログな曲。
これもホーンが絶品なんだよなぁ、後ろでピコピコ鳴ってる電子音と甘くアナログなホーンの掛け合いが気持ちよすぎる。
全曲に言えるがオザケンの作る曲のリズムは実に心地いい、まさに曲に乗れる感じ
4.いちょう並木のセレナーデ ★★★★★
これこそオザケンの真骨頂とも言うべきメロディアスバラード。泣きのメロディと独特の浮遊感漂うリズムが見事に合わさっている。
ギターが優しい音を奏でて、曲の雰囲気をグッと高めてる。今の時代だったらミスチルなんかが作ってるような音楽。
アレンジが何故かライブ風なのだが、客の歓声や手拍子も一つの楽器として上手く機能している。とにかく名曲だ
5.ドアをノックするのは誰だ ★★★★☆
畳み掛けるような早口が特徴的なアップテンポナンバー。ストリングスが実に上手く曲に噛み合っている。
中々こういうアップテンポな曲にこれほど上手くストリングスを合わせられる歌手はいない。
しかしこういう曲を出しているせいで、世間から甘いラブソングを歌うだけの男と勘違いされてしまってるのだろう
6.今夜はブギ―・バック(nice vocal) ★★★★
大ヒットしオザケンを一気に有名にした、スチャダラパーとの共作シングル。
HIP HOPで電子音を多用しているこの曲は、甘くアコースティクな曲が多いこのアルバムの中では異質。
如何にもあの時代の曲といった感じのアレンジ・メロディ・歌詞。それでも古臭さを感じさせないのは流石。
フィッシュマンズのナイトクルージングみたいなアレンジの歌メロ部分は浮遊感が凄い
7.ぼくらが旅に出る理由 ★★★★☆
アップテンポな曲だけど、ちょっと今までの曲とは毛色が違う。
アレンジも生音アナログなそれではないしメロディもオザケンらしくない、コバタケとかそっち系の人の書いた曲みたい。
だけど相変わらすホーンは良いし、何より詞が良い、ありきたりな言葉だが切なく甘い
8.おやすみなさい、仔猫ちゃん! ★★★★
タイトルからして、当時のオザケンのイメージそのまま。
ボサノヴァテイストなイントロから入ったかと思えばサビは至って普通の甘いメロディスバラード、
しかしそこにベースの淡々としたリズム音、ホーンの甘い響きが入ると一気に名曲へと変わる。
ストリングスも邪魔になっておらず、理想的なアレンジの曲ではないだろうか
9.いちょう並木のセレナーデ(reprise) ★★
ラストはしっとりと4のオルゴールで終わる
総評.★★★★★
大ヒットした小沢健二の2ndで、文句なしの名盤である。
世間の評価も非常に高く、名盤の話となると、
はっぴいえんど「風街ろまん」荒井由美「ひこうき雲」スピッツ「ハチミツ」等と並んで必ず名前が挙がってくるアルバムだ。
小沢健二の持つ独特の甘い声と甘いメロディーの相性が非常に良く、またホーン等のアレンジも絶品で、一曲が長いのだが聴いてて全然飽きない。
とにかく全体を通して心地よく、アルバムとして完璧であると言わざるをえない。
ただ、このアルバムが売れてしまったせいで、世間のオザケンのイメージが「ナヨナヨした王子様」になってしまったことも否めない。
もっと多彩な音楽もやっている凄い人なんですけどね、1stを聴くとギャップに驚かされます。
でも彼の入門には最適では無いでしょうか。J-POPを語る上で外せない名盤です
(★:2点,☆:1点の計10点満点。)

Reviewer:15th. 263-266 名無しのエリー2007.07.17.

1.ギターを弾く女 ★★★
そっと吹かれるフルートと軽快なコンガに、静かで重いビートが絡み、ひっそりと始まる。
そして1分5秒頃、「これ本人!??」と衝撃を受けるであろう、「ラブリー」とか絶対歌わなそうな小沢の、囁きのような声が…。
消えそうな程か細い小沢の声に、幻聴のように絡むコーラスが悩ましい。
無敵なまでにポップなメロディーを歌うかつての小沢はここにいない。
ちなみに本人曰く、「ギター」は女体の比喩らしい。ってことは「ギターを弾く女」ってのは…。
2.愛について ★★★
ピアノが不穏なメロディを奏でる、ねっとりした楽曲。かなりセクシーな歌詞だが、このアルバムではこれくらい当たり前。
「愛 火遊び ゆっくり 燃やしてみたい」と囁かれれフレーズが耳に焼き付く。
3.麝香 ★★★★★
アルバム中最もキャッチー。シンセの鳴り方が耳に気持ち良い。
小沢の声の変化への違和感も、この曲辺りから無くなってくるのでは。
「愛の火の煌めき 踊る月夜の前に~」の部分は小沢史に残る名フレーズ。情景が浮かび上がりまくる…。歌詞と曲とのハマり具合は半端じゃない。
まさに小沢マジック。
ちなみに2chでは当時サビの「動く動く」が「うんこっこうんこっこ」に聴こえる、と話題に。
4.あらし ★★
遠くの方で他人事のように鳴ってるようなピアノが印象的。「あらし」というタイトルだが荒々しい感じは無く、スローテンポ。
遠く離れた場所から嵐の様子をこっそり眺めてるみたいな感じ。
5.1つの魔法(終わりのない愛しさを与え) ★★
雨上がりの爽やかさを感じる可愛らしい曲。曲調的にはかつての小沢に一番近いか。
なんとなく『球体の奏でる音楽』や「夢が夢なら」辺りの頃の小沢を彷彿とさせる。
歌詞も爽やか。大人っぽすぎる歌詞が続いたのでここで小休止という感じか。
6.∞(infinity) ★★★★
タイトルは歌詞の「向かい合わせの鏡 向かい合わせの広がり」からだろう。
小沢の声に、合わせ鏡のように女性コーラスがそっと絡む。外国人女性による日本語コーラスなので発音が変だがこれがまた良い。
歌詞のシチュエーション的にこの曲が一番エロだろうか。何しろ「美しい革の匂い」「悩ましく重い痛み」…SMである。
重いビートとスリリングな旋律に乗って、小沢何処へ行く。
7.欲望 ★★★
これまたセクシーな音と歌詞。赤裸々に欲望が歌われる。
ギターとシンセが何ともムーディー。まぁ、結構ありがちな音色だと思うけど。
小沢の声、なんだか喘ぎ声のように聞こえる。
8.今夜はブギーバック/あの大きな心 ★★★★
スチャダラ抜きであの名曲をリメイク。ラップ部分は当然無く、部分的に歌詞が差し替えられ、新たなフレーズが加えられている。
「ダンスフロアーに華やかな光」→「今夜フロアーに華やかな光」。
とにかく歌声が当時と全く違うので、全くの新曲だと思っても構わないだろう。
この曲、意外と現在の邦楽チャートにも収まりそうな気がする。ていうかこういうの流行って欲しい。
9.bassline ★★
「愛について」のリプライズ。タイトル通りベースラインを強調させ、約7分の原曲を3分弱に短縮再生。
原曲の魅力を効率的に、さらに濃厚に抽出したような曲である。まぁ、構成が違うだけだが…。
10.風と光があなたに恵むように ★
「1つの魔法(終わりのない愛しさを与え)」のリプライズ。
原曲で印象的だった「パパラッパ パパラッパ…」という微かなコーラスをフィーチャーしたインスト。
「愛について」はアルバム内で重要な曲なのでリプライズされるのはまだ解るが、なぜこの曲まで…曲数稼ぎか?
まあ、これが無いと物凄く閉塞感に満ちたアルバムになってしまうだろうけど。
11.甘い旋律 ★★
鋭いシンセとスパニッシュなギター、か細い小沢の声と絡み付いてくるような女性コーラスで構成。
このアルバムの歌詞のテーマは「浮気」だろうか。
物凄く親密で濃密な、秘密の関係を歌った曲が多いがこの曲はそれの極地。
12.踊る月夜の前に ★★★
「麝香」のリプライズ。「また曲数稼ぎ…」とつっこみたい所だが「麝香」自体名曲なのであまり気にならない。
夢からフっと目覚めるような、濃密な小沢ワールドからフワっと帰還してくるようなエンディング。
総評.★★★★
前作から5年半のインターバルを置き小沢が放った、2002年に発売された4th。
ここにはかつての王子キャラの面影は無い。何よりも歌唱方が激変。平井堅や小田和正の声を、か弱くした感じだろうか。
とにかく声量が無いが、それを緻密に作られた音でカバーしている感じ。
元相方の小山田とは正反対で、曲よりも圧倒的に詞の良さを評価されてきた「言葉の人」小沢。
今作でもその魅力は健在。谷崎潤一郎みたく、淫靡で文学的な世界を堂々披露。
しかし今作には、他人のメロディーをパクりまくってきた過去の作品とは違い、自分のメロディーをしっかり確立させた感がある。
「小山田に対抗したのか!?」と思わせる緻密なサウンドは緊迫感と中毒性がバリバリあるが、
「麝香」などは意外とDAMなどのカラオケ機器でもかなり忠実に再現されていたりする。
アルバムを出す度に作風をガラっと変えて来た人ではあるが、今回ほど激変したことはかつて無かった。
しかし小沢のアイドル性に惹かれたのではなく、彼の音楽を本気で愛聴してきた人なら受け入れられるだろう。
根本は多分何も変わってない。ある意味「裏『LIFE』」。「恋って楽しい!」というあのアルバムに満ちてた気持ちをリアルに書いたらこうなる、みたいな。
ジャンル的にはR&Bに属するのだろうが、声量が全く無いので、R&B好きの耳を満足させることは難しそう。
この4年後彼はインストアルバムに走ってしまい、最大の武器だったはずの言葉を捨て去ってしまったため、
小沢の歌詞を楽しめる現時点では最後のアルバム。
(★5個が満点。)