アルバム全曲レビュー * アーティスト名 : ぺにしりん。

Reviewer:10th. 698-700 名無しのエリー2005.10.02.

1.地球 ★★
アルバムの導入曲とは思えないくらい肩の力が抜けたミディアムテンポのポップス。
ギターは8ビートの単調な玉弾きばっかで、このアルバムの良くも悪くも荒削りな作りを端的に表わしている。
曲調は軽快ではないが決して暗い曲でもない。
2.CRASH ★★★☆
シングル。先に発売された"ロマンス"のノリをそのまま受け継ぐハードロック調の歌謡ロック。
色んな要因が重なって恐ろしいインパクトを孕んでいた同曲に比べると全然普通な曲。
このアルバムバージョンではアウトロにやたら五月蝿いギターのスライド音が追加されている。
3.Mr.Freez ★★☆
バットマンの例の敵から題材を得たと思われるコミカルなヘヴィメタル。
ヴォーカルパートはシャウトのみだが、単調かつリズムの歯切れが悪すぎて超退屈。
しかし後半には様式美メタル丸出しのクサギターソロ→スラッシュ風加速とド派手な展開が待つ。
4.そして伝説へ ★☆
どっかで思い切り耳にしたような曲名通り、恋愛の駆け引きをゲーム攻略に例えたロカビリー風の曲。
曲としては正直面白味に欠けるが、地味にリズムが凝っていたりもする。
5.make love ★★★★☆
シングル。超王道的なアコギのフレーズから始まる爽やかなラブソング。
これも"ロマンス"の影に思い切り埋もれてしまった印象が強いが、実は凄まじい完成度を持った珠玉のハードポップナンバー。
6.anti beauty ★★☆
豪快なシャッフルリフで力押ししていくファンキーなハードロック。
だがリフの派手さとは裏腹に歌メロはひたすら低音を這いずり回っているだけで曲の勢いをスポイルしてしまっている。非常に勿体無い。
7.Tomorrow ★
バラード。悪い出来ではないがごく普通の地味なバラードとしか言いようがない。
こういう低音域で淡々と歌い上げるタイプのメロディはHAKUEIの大味なヴォーカルスタイルには全く合っていない気がする。
もっと上手いシンガーに歌わせたらだいぶ説得力が増す曲。
8.love&peace ★★★☆
どっしりとしたパワフルなビートを打ち鳴らすミディアムテンポのヘヴィメタル。
叩き付けるように荒々しく歌い上げるHAKUEIのヴォーカルがこれでもかというくらい活きまくった曲。
特にヴァースの妖艶な低音域から超強引にハイトーンシャウトに切り替わるところは正にHAKUEIの真骨頂と言ったところ。
9.prison ★★★★
前作「Limelight」の路線を受け継いだシリアスなメロディアスハード。
本作の中では随分異質な曲だが思いのほかアルバム構成に上手く組み込まれている。
10.Butterfly ★☆
アルバム発売後にシングルカットされたバラード。
出だしは王道的ながらなかなかの出来だが、奇を衒ったようなサビがそれまでのメロディの良さを殺してしまっているのが残念。
ヴォーカルもこの謎のサビメロで大コケしている感がある。
11.ロマンス ★★★★★
シングル。
アニメ「すごいよ!!マサルさん」のタイアップに神憑り的超絶シンクロを見せたりと世間に色んな意味で強烈なインパクトを残し、
結果的にその後のPENICILLINの音楽性を完全に決定付けることになった超・問題作。
滑稽さすら漂う軽快なサビのせいで霞みがちだが、
その正体は展開の目まぐるしいカッティングと粗暴なギターソロが暴れまくる攻撃的かつメロディアスな歌謡ヘヴィメタルである。
12.fantasia ★★★
間髪入れずに始まるエンディング。
マーチをそのまんま4ピースのロックサウンドに置換したかのような華やかなポップソング。もろにハロプロ関係がやりそうな曲。
総評.★★★☆
楽曲が多様化しすぎて散漫だった前作「Limelight」に比べるとかなりラフな作風になり、
以後続く少年漫画的な歌謡ハードロック路線へ本格的にシフトしたメジャー3枚目。
PENICILLINのトレードマークの一つとなった高音スライドを多用した千聖の大味で豪快なギターワークが定着したのもこのアルバムである。
全体的にはなかなか上々な内容で個人的にも前作よりは遥かに好きだが、正直なところところどころでメロディの弱さも目立つ。
特にバラードは起伏に欠けるメロディとHAKUEIのカエル声との相性が最悪でいいとこなし。
また、曲によってはギターの音のエッジがやたら抑え込まれていたりドラムが後ろに引っ込みすぎていたりとサウンド面の不満も…。
(★:2点,☆:1点の計10点満点。)

Reviewer:8th. 163 名無しのエリー2004.05.13.

1.スペードKING ★★★ ベタベタなシャウトから始まるロックンロール。
2.花園キネマ ★★☆ シングル。初期の黒夢をモロに髣髴とさせる耽美系の歌謡ロック。
3.number53 -僕ラハ53番目ノヒト- ★★★☆ タイトルトラック。ニューメタル寄りのスロウなメタル曲。
4.心 ★★ 少しグラムロックっぽい縦ノリのポップロック。
5.one star(album mix) ★★★★ 目まぐるしいリズムチェンジが展開されるメロディアスな歌謡ハードロック。
6.バラ ★★☆ ダークで重々しいヘヴィメタル。
7.魔法ダイヤ ★★★ ラテン調のミディアムバラード。アコギのメロディが美しい。
8.若きウェルテルの悩み ★★★★☆ バラード的な静かな出だしから攻撃的なリフへと移行するプログレッシブなヘヴィメタル。
9.クーデタークラブ ★★☆ オバカノリのガレージパンク。
10.腐海の砂 ★★★★★ シングル。「風の谷のナウシカ」からインスピレーションを得たっぽいヘヴィなパワーバラード。
11.宇宙遊泳 ★★★ バラード。ゆっくりだが力強く踏みしめていく感じのリズム。
12.NEW FUTURE ★★★☆ シングル。ポジティブでファンキーなハードロック。
総評.★★★☆
インディーズ出戻り第2弾アルバム。
これまでのペニシリンの音楽性を総括したようなバラエティに富んだ内容。
(★:2点,☆:1点の計10点満点。)

Reviewer:8th. 152 名無しのエリー2004.05.10.

1.絶対零度 ☆ お花畑なピアノとヘヴィなギターが交互に展開される不可解な半インスト曲。微妙。ライブではSEに使われる。
2.FOR BEAUTIFUL MAD HUMAN LIFE ★★★☆ ハードコア色の強いスラッシュメタル。英語詞。近年のDir en greyっぽい。
3.サファイヤアンドロイドの夢 ~JULIET II~ ★★★
前々作のJULIETの続編だが歌詞以外はほぼ別物。割とありがちな曲調の高速シャッフルの歌謡ロック。
4.墓標 ★★☆ ミドルテンポのメロディアスなヘヴィメタル。
5.愛の世界 ★★★☆ 能天気なパワーポップ。ゆったりしているがサビに入ると2ビートで激走する。
6.四次元ダイバー ★★★★★ シングル。ヘヴィ・コミカル・メロディアスと、ロマンス以降のペニシリンを象徴するような曲。
7.γ-大戦 ★★☆ 前曲から繋がるように挿入される曲。8ビートのガチのヘヴィメタル。
8.ハル ★★★★☆ 爽やかで暖かみを帯びた泣きメロが展開されるハードポップ。
9.天狼覚醒 ★★★ パンク。打ち込みパートの音色のせいか少々シュールな印象。
10.シジマ ★★ ミディアムバラード。ムード歌謡っぽい日本的でウェットな曲調。
11.赤裸の境界 ★★★★★ ギターの鋭いカッティングが格好いいダンサブルなハードロック。
12.少年ダイバー ★★☆ シングル。デジロック風の機械っぽさとパンキッシュな疾走感を持ち合わせた曲。6.のアンサーソング?
総評.★★★
良い意味でも悪い意味でも、インディーズ作品らしいフットワークの軽さとマイナーさを持ったアルバム。
前作が幅広いサウンドアプローチを志向していたのに対し今回は一様にハードな曲を揃えている。
導入部の掴みがイマイチな気がするが、こういうアルバム構成も割と新鮮で悪くないではないだろうか。
(★:2点,☆:1点の計10点満点。)

Reviewer:9th. 108 名無しのエリー2004.12.04.

1.名もなき未来 ★☆ 頭にバラードがくるのは久々。出来は平凡。1コーラスしかない。
2.MIND MASTER MIND ★★★☆ 通常のパターンならここでスピーディな曲がくるところだが、今回はニューメタル調の重い曲が続く。
3.SAMURAI BOY ★★★ シングル。曲調だけ聴くと割と初期を思わせる疾走型ハードロック。
4.NO CONTROL ★★★☆ もっさいリフが最初流れたときは捨て曲かと思ったが、ボーカルが入り始めると意外とキャッチーでいける。
5.夢の続き ★★☆ 三味線やら尺八が飛び出す和風バラード。歌メロは別にそうでもないが。
6.LION ★★ 掛け合いパートで「おっぱい!おっぱい!」のAAを脳内再生させたくなるポップなロックンロール。
7.革命ストライカー ★★★★ 「四次元ダイバー」タイプのゴリゴリなヘヴィメタル。
8.LOVE DRAGOON ★★★★★ シングル。縦リズムのハードなパワーバラード。正直、神曲。ペニの底力を感じる。
9.Wipe out the world ★★★☆ 繋ぎのインスト曲。ダークに爆走するヘヴィメタル。
10.GLAMOR VETTE ★★★ 「革命ストライカー」と曲調がかぶる。愛車が違反食らって警察にレッカー車で持ってかれる曲。
11.Justice ★★★★ 終盤のハイライト。千聖作詞作曲・全英語詞のラップ(?)ラウドロック。
12.白髏の舞 ★★★ シングル。ウェットなコード弾きとチープなデジタルリズムが絡み合う耽美なミディアムバラード。
総評.★★★☆
硬派なリフを前面に押し出していた前作「赫赫」から若干ポップな方向に歩み寄ったアルバム。
相変わらずシリアスとバカとの綿密なバランス感覚が心地よい。
(★:2点,☆:1点の計10点満点。)

Reviewer:10th. 932-933 名無しのエリー2005.12.10.

1.HELL BOUND ★★★☆
前作の"Justice"の延長上と言えるハードコア調の攻撃的な曲。全英語詞。
ここのところオープニング曲の弱いアルバムが続いたが、久々の当たり曲。
2.FROM DUSK TILL DONE ★
DAWNではなく何故かDONE。
近年のPENICILLINらしいメタリックな曲だが単調な歌メロのせいで単なる従来路線の劣化焼き直しとしか思えない捨て曲。
ラストに"透明人間パルサー"まんまのパートが飛び出すがこれは意図的なものだろうか?
3.JUMP#1 ★★★☆
シングル。典型的なPENICILLINのポップサイドのパンクっぽい曲。
4.フリージア ★★★
シングル。近年のラルクを思わせる穏やかなバラード。シングル曲としては随分と地味な印象。
5.Love ghost is born in the dope zone ★★★★★
少し前のアメリカで氾濫していたようなよくあるタイプの重いハードロック。
ダークなリフと透明感を湛えたヴォーカルの対比はちょっと面白い。
6.MAD MAX ★
これも2.同様のPENICILLIN流ヘヴィメタル曲だが、
マンネリ感が否めない上にサビがおそろしくつまらない。どうしたPENICILLIN。
7.ハカナ ★★★☆
シングル。一昔前のムード歌謡みたいな歌メロのバラード曲。控えめな音色のギターがタイトル通りの寂しげで儚い曲調を形作っている。
この雰囲気作りが非常に上手い。
ここからハードな曲が消え失せてラストに向けまったりと進行していく。
8.AURORA ★★★★
4.のB面に収録されていた、これまたムード歌謡色の強いバラード。
金属的でありながら物悲しげに響く単音ギターが印象的。
9.HAPPY UNDER THE SUN ★★★
気だるい雰囲気が支配的な、ギターポップ調のミディアムナンバー。
と思ったらブリッジ~サビのギターのバッキングが妙にザクザクしてて吹く。
10.氷の女王 ★★★★☆
中期の黒夢やラルクがやりそうなヴィジュアル系丸出しのスピード感溢れる曲。
ディストーションを効かせてないクリーンな音色でギターをジャカジャカ掻き鳴らす、ヴィジュアル系黎明期を知る人にはお馴染みのああいう曲調。
後ろでチクチク鳴っている打ち込みが少し黒夢の"ピストル"を思い出させる。
11.卒業 ★★☆
PENICILLINらしからぬ、やけにストレートなタイトルのスローバラード。
曲自体もPENICILLINではあまり聞かれないような素直さ。
12.君色の空 ★★★★
ゆったりと跳ねるリズムが印象的な、ガールズポップみたいな曲。
良い曲だがこれも露骨にラルクを思わせる。
総評.★★★☆
音楽性を拡散させていった前作「FLOWER CIRCUS」から更に多様さを増したアルバム。
結果的に彼らの持ち味だったハードさがかなり薄れた少々地味な作風になった。
しかしアルバムの大部分を占めるメロウな楽曲群が非常に健闘していて、今回も思いのほか安心して聴ける佳作に仕上がっている。
その反面、従来のハードな路線の2.と6.のどうしようもなさが勿体無い。
ところどころでブレイク後のラルクを思い起こさせるのはご愛嬌。
(★:2点,☆:1点の計10点満点。)

Reviewer:15th. 350-352 名無しのエリー2007.08.01.

1.花 ★★☆
特にこれといったインパクトはない平凡な曲。
「青春の証明」という言葉を結成15周年目のバンドが使うことがすばらしい。
2.神風SURFER ★★★☆
漫画チックな詞が“らしい”疾走型ハードロック。
3.hyper chord ★★★★
なかなかカッコいいが、特にコメントすることはない。PENICILLIN王道の疾走曲。
4.Misery ★
ファンには人気高いようだが、ごく普通の曲。
なんかHAKUEIの声が上滑りしているような感じがして、微妙。きっと別の人が歌うといいのかも。
5.Galaxy Train ★★★★
宇宙っぽいシンセから始まる疾走曲。
サビの「壊れそうな、壊れそうな」で迫るように歌うサビの部分はHAKUEIの真骨頂。
6.月千湖輝 ★★★★☆
闇の中が似合いそうなミディアムナンバー。コウモリがダンスしているようなイメージ。
ささやくような妖艶なボーカルがよい。
7.蛍火 ★★★
脱退を表明したGISHOが作曲した曲。
ごく普通のバラードだが「過ぎ去りし日々よ、さようなら」という詞がなんとも物悲しい。
8.Grind Candy ★★★★★
大袈裟ではなく、間違いなくPENICILLINの15年の中でも5本指に入る傑作。
サウンドはなかなかハードだし、Aメロ・Bメロはシリアスなのだが、サビだけが妙にご機嫌なのである。
というか聞いたら一瞬で覚えられるほどインパクトが強い。
「ロマンス」以前のV系っぽさと、「ロマンス」以降のコミカルさを兼ね備えた、PENICILLINの15年間の総まとめ的な曲だ。
9.ネオグラマラス ★★★★
前作「hell bound heart」の後半に見られたような、ポップでメロディアスな曲。サビのメロディーが良い。
しかしその割にはギターソロが結構ゴリゴリだったりしておもしろい。
10.hyper kids ~東海大学物語~ ★★★★
PENICILLINが東海大学のサークルで結成されたことは有名な話だが、そこでの面白いエピソードを歌詞にしたパンクナンバー。
青春のすばらしさに浸れる。
11.エデン ★★★★
うって変わって、非常に重いパワーバラードナンバー。
ノイジーな打ち込みも駆使し、インダストリアルな香りを漂わせている。
12.Blood Red Snow White ★★★
最近のPENICILLINの恒例のアホロック(誉め言葉)。
他のサイトでもPENICILLINを形容する際に使用するのだが、倖田來未がエロカッコよかったのであればPENICILLINは“アホカッコいい”のではないかと思う。
さて、今回もアホみたいにサビで「Blood!Bloody!Blood!Bloody!」を連呼し、音も気合充分であるが、
メロディーが弱いせいか前作収録の「HELL BOUND」ほどのインパクトはないのが残念。
総評.★★★★
気がつけば同年代のバンドは軒並み解散し、若手からリスペクトされる存在になっていたPENICILLINの結成15周年記念アルバム。
だが、音楽とは関係ないところで注目(同情?)を浴びてしまったり、某映画会社の社長をやっているメンバーが脱退したりと災難が続いてしまったのが残念。
でも最近は再びハッピーなムードになりつつある模様。
さてアルバムについてである。
今作は、サウンドがハードなのはいいがメロディーが地味だった前々作「FLOWER CIRCUS」や
ハードな曲とメロウな曲が見事に分裂してしまった前作「hell bound heart」の反動からか、
程よくハードで程よくポップでメロディアス、そしてちょっとオバカな、まさに“PENICILLINらしい”アルバムになっている。
(ただ惜しいのは、1.と4.のような微妙な曲の存在である。)
(★:2点,☆:1点の計10点満点。)