アルバム全曲レビュー * アーティスト名 : ぺぱーらんど・おれんじ。

Reviewer:15th. 628-630 名無しのエリー2007.09.30.

1.生きてる証拠 ★☆
歪んだギターのなど適度に汚れた音が印象的な「ヘビーなロック」風の演奏にポップなメロディーがのるミディアムテンポの曲。
ポップなメロディーは耳なじみが良いけれどどこか気だるさが漂っていて、ツボにはまる人ははまると思う。
ただ曲をヘビーにしようと思ったせいかどうか知らないけれど、左から聞こえるギターが主張しすぎていてちょっとうるさい。
アルバムの幕開けとしては飛ばしすぎず、まったりしすぎず良いんじゃないかな。単体で聴こうとは思わないけど。
2.夏の魔法 ★★★★★
ポカリスウェットのCMに起用された彼らの代表曲。まぁ代表曲っつーかこれしか知名度のある曲がないしね。
もう"夏"の爽やかさ、切なさ、甘酸っぱさみたいな青い感情をそのまま音にしたようなイントロのギターからやられた。
どこか陰のあるセンチメンタルなAメロから前向きに、でも弾けすぎないように明るくなるBメロ、
そして爽やかでポップなサビに突入する曲展開は凄くスムーズかつドラマチックで、月並みな言葉で表現すれば"エヴァーグリーン"。
色々書きたいけど、とりあえずサビの「同じ恋 分け与えられたのかな」の部分のコードが絶妙。
爽やかなだけじゃなくて切なさも演出してくれていて、何気にこの曲の最重要箇所だと思う。
もう夏は過ぎたから今聴いても曲に存分に浸れないけどやっぱり名曲。でもやっぱギターがうるさい。
3.Easy ★★
イントロのハーモニカが印象的な陽気なビートロック。
恋愛に不慣れな情けない男が主人公の歌詞をアップテンポの曲にのせて歌っているので、青春パンクとかを好んで聴く学生に受けそうな分かりやすい曲。
バンドのエネルギッシュな面をシンプルに纏めているので無難な出来かな。…やっぱギターがうるさい…。
4.サイレンス モーニング ★★★★☆
今までの流れから一転して、失恋の痛みを描いたスローテンポのナンバー。
多分実生活で失恋した人が聴くと殺傷能力が半端ないだろうと思われる歌詞と、
サビで畳み掛けるように、訴えかけてくるように悲しげなメロディーを歌い上げるという組み合わせは反則に近いと思う。
失恋した事を徐々に実感してきて悲しみが増してきたように、曲が進むに連れて激しくなる演奏も凄く良い演出。
問答無用で胸が締め付けられます。
5.夏の終わりに ★★★
友情が恋心に変わった瞬間を描いたポップソング。
間奏やアウトロのメロディアスなギター、甘酸っぱいメロディー、そして季節が夏…。
どうしても02と説明が被ってしまうけど、爽やかさと切なさを上手く同居させた良曲。
幼馴染に恋心を抱いていた人はかなり胸に響く曲なんじゃないかな。
6.二人乗りの自転車 ★★★★
夏の日に爽やかな風が吹きぬけたような軽快なギターのアルペジオのイントロからサビへとつながる青春ソング。
サビのコードから外れたようなちょっと不安定なメロディーが心の揺れを上手く表していると思う。意図的じゃないと思うけど。
Cメロも部分的な転調をさせながらメロディーも落ち着いたように思わせておいて、急に早口になったりして面白い。
全体的に綺麗に纏められた良質な一曲なんで、自分の青春を思い返しながら聴いてノスタルジーに浸ろう。
7.ピカソ ★★★☆
ギターのハウリング音から穏やかな曲調になって、単なるバラードか?と思わせておきながら
徐々に盛り上がり最終的にはノイジーなギターが中心の曲になる実験的なアレンジが印象的。
小さな部屋の中で歌っているような内省的な雰囲気から曲が進むに連れて激しくなっていき、
サビで一気に世界が広がったように壮大な曲になる過程が、曲はヘビーだけど爽快。
詩は今まで通り凄く身近な題材で不釣合いな気もするけどなぜかマッチしていて妙にシュール。
タイトルの通りどことなく前衛的な雰囲気もあって、シングル級じゃないけどアルバム曲らしい面白い曲です。
8.夏の魔法 - Bosom MIX ★★★
GOTAっていう人が02をリミックスしたボーナストラック。
原曲と比べるとドラムやギターの音が鮮明になっていたり、エレクトリックピアノが導入されたりしていて凄くスタイリッシュな曲になっている。
かなり垢抜けた印象。
でも、個人的にはまさに夏の思い出って言葉が似合う、淡い色で不鮮明だけどきらきらしている思い出を思い返しているような原曲の方がグッとくる。
02はもう青春してるって言えない年齢の人に、この曲は現在進行形で青春してる人に合うんじゃないかなぁ。
9.ピカソ - Deux Femmef MIX ★★★☆
引き続き07をGOTAがリミックスしたボーナストラック。
ノイジーなギターが中心だったサウンドの面影は全くなく、原曲よりもテンポを上げくっきりとしたドラムの音がシンプルなビートを刻み、
エレクトリックピアノやシンセがバックでコード感を支える浮遊感溢れる曲に仕上がっている。
曲構成も変えていてサウンド自体はもう全く別物。
荒々しいパワーが伝わってくるような原曲も良いし、どこか現実離れしたようなこちらも良い。
完全に好みが分かれるところだと思う。
総評.★★★☆
2ndシングルの02がポカリスウェットのタイアップが付いてほんのちょっとだけ話題になったPepperland Orange。
シングル4枚、そのうちの2枚のシングルを含むこのミニアルバムを発表しただけで消えてしまった。
彼らの楽曲はというと、ギターを主軸にした初期のミスチルのような甘酸っぱい青春ソングが中心で、明るくて、爽やかで、どことなく切ない。
02、05、06なんかは彼らの代名詞ともいえる楽曲群だと思う。
シングルにもなった02、06以外のアルバム曲04、05、07もなかなか良いし、これらを聴いた限りだとヒット性は十分に持っていたのが良く分かる。
一発屋にしておくにはもったいない。
楽曲がやや似通っているので通して聴いた時にちょっとだれるかもしれないけど、ツボにはまればとことんはまれる。
ほかに難点を言えば中古でもあんま流通してないから手に入れにくいことかな。
そこまで高くないと思うし中古屋で見かけて安かったら買ってもいいレベルだと思う。
全体的にギターがうるさいミキシングが気になるけど、綺麗に纏められた良質の青春ギターポップアルバム。
(★:2点,☆:1点の計10点満点。)