アルバム全曲レビュー * アーティスト名 : ぴーぷる・いん・ざ・ぼっくす。

Reviewer:25th. 32-35 名無しのエリー2011.03.16.

1.She hates December ★★★★☆
拍子感の無い不思議なイントロからゆらゆら掴みどころの無いAメロ、でもサビで結構熱っぽい歌唱を見せる代表曲にして名刺代わりの一曲。
名刺代わりと言っても「これが俺らだ!」って感じじゃなくて「こんなんだけど、どう?」って感じのちょっと冷めた雰囲気、1stの一曲目なのに。
Vo.波多野にとっては昔からの曲だが、その頃との大きな違いはDr.山口の存在。フレーズの間を埋めるように実に多彩でしなやかなドラミングを見せてくれる。
KYっちゃKYだが、それが今まで続く彼の個性として確立してるのでこれで良し、と言った所。
2.Alice ★★★★
アルバムタイトルと合わせてあの有名な話がモチーフなのが分かりやすい、彼らにしては珍しい。
歌詞から多分最初のウサギ穴を落ちていくシーンだろう。シューゲイザー風のイントロからノスタルジックな歌メロを聴かせてくれる。
サビの「真っ逆さまさ」連呼が重厚なバックの演奏も相まってやたらと耳に残る。
変拍子や変調のインパクトは無いが、後を引くタイプの曲。
3.ブリキの夜明け ★★
同じフレーズをひたすら繰り返しながら盛り上げて、最後にいきなりぶったぎる狙いが分かりやすい一曲、
彼らの曲の中ではアイデア1本勝負過ぎて(多彩なアイデアを一つの曲として完成させるのが得意、だと思う)ちょっと物足りない感じ。
インストでもいけそうな音作りの達者さが垣間見えるのは良い。
4.夜の人々 ★★★★☆
夜が明けたはずなのにまた夜になる、不思議世界を狙ったの狙ってないのか微妙な所。
最初はいかにもアルバム中間っぽく雰囲気重視の展開だが特徴的なギターリフを挟んでのBメロから化ける。
冷たい夜の地下道で「酸素を!酸素を!酸素を!」と叫ぶエモーショナルな歌メロに変貌。
ドラマチックな展開だけに曲としてはさらっと終わってしまうのがちょっと残念ではあるが。
5.サイレン ★★★
「みんな生きるのが好き、死んだこと無いから」
ドヤって感じだが嫌らしさを感じさせないのはイノセントな波多野の声のおかげかな。
ミドルテンポで色々表情を変えつつ盛り上げる彼らお得意の曲調だが、割と似た雰囲気の多いこのアルバムの中ではちと地味、特に次曲と比べると。
6.鍵盤のない、 ★★★★★
終曲、3拍子の細かいアルペジオから始まるが歌いながらこれをひたすらやる波多野のギターはかなり上手いのでは。
雰囲気は前曲に近いが、抑える部分と解放する部分の音の幅が非常に広く更に全体としてはどんどん盛り上がっていくドラマチックな展開。
「さあ、眠れ」と子守唄を思わせる歌詞を繰り返すが、最後には「息もせずに」と恐ろしいことを加えポエトリーリーディングに突入。
言ってる内容の意味はともかく少年のような声と壮大なアンサンブルによる組み合わせの雰囲気は確かに唯一無比と言えるものだと思う。
ポエトリーリーディングの入る曲は後にもいくつかあるが、これが一番完成度が高いんじゃないかな。
言葉にしにくいけど、凄いってのは分かる、そんな曲。
総評.★★★☆
people in the boxの1stミニにして残響レコードでのデビューアルバム。
一応この前に福岡時代のCDがあったりするが、それを差し引いてもとてもおおよそ新人とは思えない1枚、色んな意味で。
まずアンサンブルの方向性がこの時点で既に完成している。
そしてひたすら冷徹な雰囲気の曲が並んでおり、全編通して白昼夢のような世界観が出来上がっている、
後のアルバムなら一曲はある轟音系アップテンポの曲が皆無、良くも悪くも若々しさを感じさせない。
そういうアルバムなので1stなんだけどあまり初心者向きって気はしない、
ただこの頃から変わらぬ彼らの非凡さ(褒め過ぎ?)を感じさせてくれるのは間違いないので。
他のアルバムを聞いて気に入ったら是非聞いてみて欲しい1枚。
(★:2点,☆:1点の計10点満点。)

Reviewer:22nd. 179-181 名無しのエリー2009.09.03.

1.完璧な庭 ★★★★☆
変拍子で、明るめながら暗さも感じる不思議な曲調の曲。
とても濃い展開を持ち、何度でも聴きたくなる。サビの盛り上がり方も素晴らしい。
Peopleの世界観が現れている、オープニングに相応しい曲。
2.海抜0m ★★★★
歪みのかかったギターイントロから急に広がりのある感じになる。
アルバムの中ではやや影が薄いが、サビの叫びとリフレイン、かっこいいギターソロなど聴きどころは満載。
曲調は割とポップだ。
3.レントゲン ★★★★★
何となく不安定なイントロ、不思議な感じを醸し出すベースラインと「さあ虐殺のスタートだ」というおどろどろしい歌詞が飛び出す。
そして緊迫感を煽る「ジャン!」というギターの音が鳴り響く。初めて聴いた時は非常に衝撃的だった。
これほど聴いてて緊張した曲は、そうそうない。最高の雰囲気を感じさせる傑作だ。
サビでは大きく盛り上がる。締めくくりの歌詞はとても秀逸。
4.月曜日消失 ★★★★
静かな曲調で予測不可能な展開を見せつける。
わりと序盤は大人しめで波多野の澄み切った歌声が際立つ。歌詞も不穏な感じを醸し出してるが、意味は正直分からない……。
だんだん聴いてるとズブズブと沈んでってしまいそうな、底なし沼のような曲。良い意味で。
5.昏睡クラブ ★★★★☆
これまでの曲とは毛色の違う曲。速めのBPMと少しハードな曲調である。
とはいっても変拍子、不思議なメロディーがありPeopleらしさを残しつつ新しい一面をのぞくことができ、Peopleの挑戦的な姿勢がうかがえる。
緩急のついた展開が曲の緊張感を高める。Peopleはこういった曲の雰囲気をあらわすのが非常に上手だ。
6.ヨーロッパ ★★★★★
台詞が中心の曲。
序盤は普通の歌だが、異常に静かなのがかえって不気味でドキドキさせる。更にドラムが緊迫感を煽る。
曲調が変わった後台詞に入る。台詞のセンスは本当に高く、小説のようだ。
そして段々と曲がヒートアップするとともに波多野の声が熱を帯び、聴いている方もテンションが上がっていく。
最後のリフレインはまるで言葉にできない。最高の中毒性を持つクロージングナンバー。
総評.★★★★☆
残響に所属している3ピースバンドPeople In The Boxの2ndミニアルバム。聴きやすめなサウンドだが凄く深く、スルメ的なアルバムだ。
また波多野の声も透き通っていながら歌詞は不穏だったり、色々な意味で怖い。だがそれが良いと思う。
1曲1曲がとても際立っていて、捨て曲が無い。People In The Boxの世界観が存分に発揮されている傑作。
(★:2点,☆:1点の計10点満点。)

Reviewer:22nd. 77-79 名無しのエリー2009.08.15.

1.はじまりの国 ★★★★☆
伸びやかな四拍子の前半部から突然躍動感ある三拍子の後半部へと突入するのっけからピープル節な変調オープニングナンバー。
「行こうかな 戻ろうかな いっそ踊ろうかな」とは良く言ったものか。
特に後半部のグルーヴ感が素晴らしく、文字通り踊り出したくなる始まりに相応しい一曲。
歌詞は一見明るいが、よくよく読んでみると少しもの悲しい孤独感。
2.水面上のアリア ★★★★
急発進急停車を繰り返すような目まぐるしいサビが印象的なアッパーチューン。特に終盤のベースのうねりながら盛り上がっていく様は必聴。
歌詞の方は水の中に沈んでいったと思ったら家の屋根が見えたり二階の窓が開いたりするシュールな世界観。
3.犬猫芝居 ★★★★☆
「君は痛いのが好き? 僕は汚すのが好き」なんて妙に背徳的な歌詞が耳に残るが、曲自体は壮大なバラード。
囁くようなAメロからサビで広がるスケール感が実に感動的。
歌詞も最後には「君は笑うのが好き 口を塞がれた ああ」なんて綺麗に〆ていたり。「口を塞がれた」の前に間があるのがポイント、多分。
Vo.波多野のイノセンスな歌声がこの上なくハマった変化球ラブソング
4.バースデイ ★★★☆
変則的なリズムが特徴的なバンドだが、その中でもこの曲のは特に変則的。
それが独特な浮遊感を生んでいて聴いていてなかなか心地良い。
歌詞の内容は相変わらず謎、反戦?
5.失業クイーン ★★☆
これも変則リズムが特徴的な曲、ただ前曲よりポップであっけらからんとした雰囲気。
面白いんだけど、なんとなくまとまりが無い印象があるかな・・・
変な曲名だけど、実際「彼女」は仕事を辞めたらしい、でもだから何なのかはやはり良く分からない
6.泥の中の生活 ★★★
眠りに誘うようなまったりとした曲調、アルバムの中盤らしい箸休め的な曲・・・ かと思ったらいきなりの轟音不協和音でカオスな空間を作り出す。
んでいきなりまたまったりに戻って、もう一発カオス。彼らが残響レコード所属だったことを思い出させるインパクト抜群な一曲。
なんとも評価しがたいが、次の曲への繋ぎはとても良い
7.6月の空を照らす ★★★★★
カオティックでモヤモヤした04からのの流れを切り裂くタイトに疾走するAメロ、それが一気にテンポダウンして遥か上空に打ち上げるように高らかなサビへと繋がる。
「雨が降っていた ネジが緩んだようなんだ」と繰り返し繰り返し歌われるフレーズがだんだん呪文のように聞こえてくるのは気のせいか。
明るいとも暗いとも言えない奇妙なメロディといい凝りに凝った楽器隊のアレンジの細かさといい、
ピープルならでは、ピープルにしか出来なさそうな一曲、紹介する時最初に聞かせるならこれか。
8.ペーパートリップ ★★★☆
妙にテンションが上がる前曲を引き継ぎつつ、こちらは比較的素直に明るいアッパー曲。
おもちゃ箱をとっちらかしたかのようなガチャガチャした雰囲気が楽しい。特にドラムのテンションの高さは異常、他の曲にも言えることだけど。
「空はなんて深い落とし穴だ」なんてフレーズが個人的には好き
9.一度だけ ★★☆
一癖も二癖もある曲ばかりのアルバムだが、ラストはシンプルなアコースティック曲。
こういう曲も歌えるんだ、というかノスタルジックなメロディや波多野の少年声を純粋に聞けるのはこういう曲ならでは。
そこを敢えてこね繰り廻すのが彼らの作風だと言うのが逆説的に分かる。歌詞はやっぱシュールだけど
総評.★★★★☆
「残響初の歌モノロックバンド」という触れ込みで登場したPeople In The Boxの1st。
宣伝の通りメロディアスでポップな要素を多分に含んでいるのは確かなのだが、
同時に意表を付く展開や変拍子など一筋縄ではいかない部分も大量な辺りは残響らしいと言うべきか。
Vo.波多野の声は少年のような邪気の無い声なのだが、歌詞の方は辛気臭いと言うかシュールでちょっと病んだ雰囲気があるのも特徴、
レビューでは触れなかったがどの歌詞にも「死」の要素が含まれている。
そんな全体のアンバランスさ、一見不釣合いな組み合わせが彼らの魅力なのだろう、きっと。
アルバム全体としては、9曲と少し少なめながら非常にバリエーションに富んでおり捨て曲無しの良盤。
この前にミニアルバムも出ているが、ファーストチョイスとしてはこちらの方がお薦めかも
(★:2点,☆:1点の計10点満点。)

Reviewer:23rd. 13-16 名無しのエリー2010.01.16.

1.月曜日/無菌室 ★★★★★
一見シンプルに見えるバラードだけど隙が無い。
一瞬アカペラになる構成も秀逸。このバンドの曲には珍しく体温を感じる楽曲。
PVが凄く前衛的で良い出来。
2.火曜日/空室 ★★★☆
全曲をアルバムのモノローグと考えると、恐らくプロローグに当たる曲。3+4拍子のリズムと不規則に刻まれるベースの轟音が特徴。
何故か懐かしさを感じると思ったら、メロディーが「メリーさんの羊」に似ている。ww でも良い曲、そんな曲
後半のカオス轟音は他の曲でやった事があるので最初は余計に思えたが、今聞くと次曲へのつなぎを考えるとやっぱり正解かな。
3.水曜日/密室 ★★★★☆
アルバム中唯一このバンドの売りである急激な展開、テンポチェンジ、変拍子、転調にまみれた曲。
とにかく目まぐるしいが、その中で何故かこれもメロディーが憧憬を誘う。サビなんかはそのまんま合唱曲になりそう。
多彩なフレージングを見せるドラム、中盤の妖しいゾーンが聞き所。
4.木曜日/寝室 ★★★
前曲から一転、ヘドロの様に不穏。どろどろしたサウンドメークが良い出来。
単曲で聞くと大した事ない気がするけどアルバムの流れには外せないって曲
5.金曜日/集中治療室 ★★★★☆
また前曲から一転、壮大なコード進行をギターで暴力的に掻き毟るイントロから衝撃的。
この曲に限った事ではないけれど、暴力的と入っても過激に歪んでいるとかではなく、内に潜んだ物を静かに爆発させる事に長けている。
(有名な物で思いついたのだと、音楽は全然違うけれどもレディヘのイディオテックとかみたいな感じ)
スライドホイッスルがまた狂った感を増幅させ、終盤なんかは悲鳴に聞える。
メロディーはなおポップ。♪めちゃくちゃにしてやろうよ~
6.土曜日/待合室 ★★★☆
またまた前曲から一転、静謐な雰囲気。これも珍しくアコースティックギターを使った曲。
ここら辺の歌詞からようやくアルバムの全貌が分かる。
7.日曜日/浴室 ★★★★★
多くは語るまい、この曲、このアルバムの全てが最後の二行の歌詞に集約される。
総評.★★★★★
最近良く目にする名前なので聞いてみた第二弾。2009年最も度肝を抜かれたアルバム。名盤です。(それまでのアルバムも一気に聞く羽目になった)
コンセプトアルバムとしても徹底したつくりで、アルバム一枚7曲を持って「彼女」と「僕」の間の意味深なストーリーを繋ぐ。
通して聞いたときの緩急が心地よい。曲順もほぼ完璧。
まず、個々のスキルが非常に高い。
自分の音の鳴らし所を本能的にか無意識にか理解出来ている為、最近のロキノン系が陥りがちなつまらない(ギター+ベース+ドラム+ボーカル)の式を外れ、
一体化したバンドアンサンブルを聞かせる。
一応ギターロックに括られるのだろうが、俗に言う~系といった形容がなかなか当てはまらない。
前作Bird~では新加入のベース福井が居場所の取り方を掴みかねている感があったが、
今作ではドッシリ&グルービーな印象の前ベース中山と全く違う綺麗めなプレイで楽曲に溶け込み、約一年を経てアンサンブルが完成した様子が伺える。
そしてその主軸に据えられるのはボーカル波多野のソングライティング。
このバンドは一作目から殆どサウンドは変化していないが、それは初メジャーとなった今作でも変わらない。
この芸当が出来るのは表面的なアレンジで誤魔化さずにいられるメロディー、コード、リズムがあるからだと感じる。
前作までの印象的な変拍子は退行しているが、Tr2,3に見られる童謡的で純粋なメロディーの側面が強く現れている。
あと感じたのは、作曲(アレンジではなく)のスタンス、歌詞の世界観とかこの人は七尾旅人なんかを彷彿とさせる。
(無意識に心を揺さぶる音楽という点も)
惜しいのは、現在邦楽バンドシーンの中心に居る一発でティーンに「格好良い!」と思わせるキャッチーなサウンドと歌詞を持ったバンドや、
洋楽バンドの中心にあるロックリバイバルなんかと大分すれ違っている事。
時代が違えばもっと評価は国内・国外問わず高い物になるんじゃなかろうか…
マンセー気味になったけれどそれだけ良いバンドだと思う。
確立した世界のある音楽、なんや良く分からんけど心に伝わってくる文学、そしてマグリットの絵なんかが好きであれば聞いて損は無い!
(勿論そうで無い人も)
(★:2点,☆:1点の計10点満点。)

Reviewer:24th. 139-141 名無しのエリー2010.10.14.

1.東京 ★★☆
軽やかで何拍子か分からない変拍子のリズムの小曲。
ちなみに特に東京という感じはしない。
2.アメリカ ★★★
前曲に引き続きポップで優しいメロディーで、これまでのこのバンドのアルバムを聞いて来た人には意外かも。
やはりこのバンドはアンサンブルが完成されている。特にベースの成長が著しい。
「僕の呼吸をデザイン出来るのは」って歌詞があるけど某ガムですか波多野さん。
これも特にアメリカではない。
3.ベルリン ★★★★
また穏やかなベースから入るかと思いきや、トチ狂いそうな6/16のアンサンブルにもつれ込む。
こういった展開の裏切り方は流石。縦の線を揃えるのが上手いバンドなのでこういった曲は映える。
特にベルリンでないのは言うまでもない。
4.レテビーチ ★★★☆
正直特に良い出来の曲でもないけど、妙に開放的な歌詞と妙にシンプルで妙に盛り上がるサビがなんかツボに嵌る。地味に飽きない。
あと(多分)リバーブを使って「シャーッ」とやる奴が良い。どうやって出してんの。
「レテ」の解釈はレイテ島とか魂の泉?とか本スレでは分かれる。
ちなみにこの曲はビーチっぽい。
5.旧市街 ★★★★★
このレビューを書く原動力とも言える名曲。
目まぐるしくテンポチェンジ、変拍子を繰り返すのが得意なバンドだが、その上にまた得意技のポエトリーリーディングを大胆に交えている。
ヘビーなベースと多彩なドラミングのコンビネーションはさながら中期クリムゾンの名リズム隊ジョン・ウェットン&ビル・ブラッフォードの様。
恐らく今活動している同年代バンドではトップクラスでは。
歌詞がどう聞いても「メメント・モリ」じゃなくて「メーンモーラーッ」に聞こえるのが鬱
廃墟をさまよう感じは確かに旧市街の雰囲気。プロモが良い出来。
6.ストックホルム ★★
ズンドドズンドンと重いイントロから4と似た感じの曲想に移る。相対評価でこんな感じ。
ここに来て曲名と一致しない感復活。プロモは曲とあってるかは置いといてアイデアは凄い。
7.リマ ★★★☆
これも重っ苦しいイントロから、今度はクリスマスがテーマ、マーチ風の可愛い曲へ。個人的に「イェィイェィ」が良いと思う。
歌詞は家族の空虚さが漂っていて悲しく不気味。
ちなみに本スレでストックホルム症候群、その反対にリマ症候群という現象があるという情報が。気になる方は調べてみては。
リマって南米だよな…うん
8.マルタ ★★★☆
スケール感溢れるコード進行が特徴。タムを上手く使うドラムは叩きまくるプレイと一線を画していて絶妙。
歌詞とリンクして上手くメロディーのフェイクが入る。
9.新市街 ★★★
全体的に軽やかなこのアルバムには珍しく閉鎖的な雰囲気。
…と思ったらまさかの中華風ダンサブル間奏。最終的に「引き金を引け パァァン!」とかノリノリで言ってる。なんじゃこれ。
七尾旅人の「デューンデューンデューン!」以来に笑った。
個人的に「ヘヴンリィ・パンク・アダージョ」とこのアルバムは雰囲気が似てる。どちらかが気に入った方はぜひもう片方もどうぞ。
5と対を成すほどのエネルギーは無いように感じる。
10.スルツェイ ★★★★
この曲からいよいよクライマックス?
たゆたうAメロから一気に躍動感あふれるメロディアスなサビに移るジェットコースターの様な感じが良い。
スルツェイって一体何処だ。北欧?
11.JFK空港 ★★★★
構成としては実質の最終曲。悲しいメロディーと、産まれる事の業を歌った様な難解な歌詞が何とも言えない。
ここにも長いポエトリーリーディングが入ります。最後の聖歌風の締めはアイデアもメロディーも良いんだけど波多野の声が細いのが気になる。
12.どこでもないところ ★★
思わせぶりなタイトルだが締めの軽めの小曲。最初は少し拍子抜けかも。
これは映画のエンドロールみたいな物である。これを聞いてアルバム全体の物語を思い出しながら横のクレジットを眺めると吉。
総評.★★★★
全体的にポップで軽く、これまでのアルバムにあった閉鎖的な雰囲気から解き放たれて深呼吸している様な感じ。
基本的にポップなギターロックだが5、11の様にプログレ風な面を強調した曲もある。
異様なのはそのサウンドの構築の仕方とソングライティングで、ポップとは言ったものの特に何処とは掴みかねるが明らかに癖が強い。
冷たく幻想的でシンフォニック。演奏面では特にベースの福井が躍進を果たしている。
曲のタイトルが一貫性を持っているが別に前作みたいにコンセプトアルバムという感じはしない。
といっても1stの様に個々の曲で主張する訳でも無く、中間を取った印象。歌詞も同様に決まったストーリーは無いが全体の流れはある。
問題としては曲の展開や締めのパターン(突然バシッと終わる奴)が結構限られていて、中盤は特にそれが強い。
しかし妙に一曲一曲に個性がある。
例えばRadioheadのHTTFは一見バラエティのあるサウンドに聞こえるが、実質は結構似通ったものが多くダレる…と言われるがその逆。
色々と不思議なバンドだが、今後どの様に展開していくのかでまだ評価が変わる可能性もある。
飛行機に乗って静かに旅をしている気分が味わえるので、最近疲れている人や旅行に行きたい人、3000円で幸せになれるかもよ。
(★:2点,☆:1点の計10点満点。)