アルバム全曲レビュー * アーティスト名 : ざ・ぷれでたーず。

Reviewer:11th. 891-892 (名無しのエリー)2006.03.20.

1.爆音ドロップ ★★★☆
幕開けは頭空っぽにしてノリで聴くべき軽快なハネるロックから。
アーハーハーハーハーハハーハー、間奏の"ウウウウウー"などのフレーズが心地よい。
真剣に聞いたら多分良いと思わない。歌詞のセンスについては何も言うな。
2.Recall me ★★★☆
ニルヴァーナ意識しまくりのシンプルな構成のナンバー。2分24秒という短さが無駄を完全にそぎ落としたことを示している。
落とし所と上げる所の区別がはっきりしており、カッチリとはまっている。
3.Dizzy Life ★★★
思わず体を上下に揺らしたくなるテンポのいい曲。「さあ、行こうぜ」と言われているよう。初めて聴いた時から好きになる曲だと思う。
アウトロは遊んでます。ギターが唸っている。むしろここが好き。
4.Sleepy Dragon ★★★★
アルバム中一番好きな曲。
イントロの静と動のギターからして素晴らしいが、ダークなメロからサビの叫びへの展開、それに応じるギターが最高にカッコイイ。
歌詞がメロディに合っていて、サビの英語もはまっている。
Sleepy Dragonというタイトルも実にいいんじゃないかと。
5.ムスタング ヒッピー ★★★☆
つまり俺たちが目指してるのはニルヴァーナだって、まあ、そゆこと。
これも暗めのメロと激しいサビを分離させた曲。サビの一番最後が長くなるのは面白い。
ふざけた様なダークなコード進行がちょっと苦手な人もいると思う。
6.Lizard man ★★★★
ラストに向けて、全力疾走といった感じ。曲の展開が良く、最後のサビあたりではベースがかなりいい味を出している。
作曲したのはJIROなんだが、上手く自分を活かしている。
7.Last Hunting ★★★★
インストなんだけど、いきなり今までと違った色の曲が始まるので少しびっくりする。
よくよく聴けばノリノリの反面、最初は曲のテンションの高さに着いていけずに、なんだか分からないまま終わってしまうんじゃないだろうか。轟音。
1分50秒辺りから始まるギターは変なメロディだがこの曲のキモ。ハマる。
総評.★★★★
the pillowsの山中さわお[Vocal & Guitar]、GLAYのJIRO[Bass]、ストレイテナーのナカヤマシンペイ[Drums]が集まって組んだロックバンド。
テーマは"センスのいい中学生"という通り、シンプルな構成と演奏の曲がほとんど。7曲で20分という短さからもそれが窺える。
その実、目指しているのはニルヴァーナというサウンドはセンスがいい所ではない。
全体的にはニルヴァーナを聴きやすくした印象。ここからロックに入るのも悪くないと思う。
ニルヴァーナが好きな人は必ず聴いた方がいい。ツボにはまりまくること間違いなし。
作曲は1,2,5,7がさわお、3,4,6がJIRO。本気のロックを是非。
(★:2点,☆:1点の計10点満点。)

Reviewer:20th. 121-123 名無しのエリー2008.11.29.

1.ROCK'N ROLL LAY DOWN ★★★
一曲目はシンプルなメロディに山中の鈍いギターリフがしつこくまとわりつく、グランジ色の強いJIRO曲。
天然でリズムが重い山中と対照的にナカヤマはフィルで走る癖があり、
Aメロの導入では山中がギターのフレーズを弾き切るか弾き切らないかの辺りで先にドラムのスネア連打が終わってしまいそうになる。
何というギリギリ感。お前らもうオッサンなのに何でそんなチャットモンチーみたいなスリリングな演奏が出来るんだ!?
全体的にグチャッとしているが、3人が素直に持ち味を発揮した結果には違いない。
アウトロも意外と音量が上がってこないなと思ったら、最後の1音だけバカでかい。カオスだ。
2.C.R.S. ★★★
「ポップなニルヴァーナ」がコンセプトという事で、非常に分かり易くニルヴァーナっぽく仕上げてきた曲。
というか、ほぼニルヴァーナの曲。しかも多分一番有名なやつ。作曲のクレジットは堂々の山中さわお。
屍からもいただけるものはいただこうという羅生門的な阿鼻叫喚さがカオス。
原曲の「Hello,Hello...How Low?」の部分にあてがった「Come on,Come on...RAMONES」は意外と良いかも。安い替え歌みたいだけど、口ずさみたくはなる。
そして原曲の「Teen」に対抗してか、サビでは「30歳になっちまって 心拍数跳ね上がった」と、ピークを過ぎた体を嘆く。切ねえ…。
さらに原曲にならってギターソロのフレーズをAメロの歌メロそのままにしてみたりと、もう色々手に負えない曲。
3.LIVE DRIVE ★★
だんだん下っていくAメロが面白い、アップテンポな山中曲。
前2曲の重苦しいイメージを振り払うかのようなストレートな出来だが、サビや間奏にひねりが無さ過ぎてAメロだけ浮いてしまった気が。
カートっぽくしたいのか、普通にキャッチーな曲にしたいのか半端な印象。
4.SHOOT THE MOON ★★★★
コードを4つしか使わず、メロディもAメロとサビを似せてあるという非常にシンプルなJIRO曲。
個人的に最も彼ららしいと感じる、贅肉の全くないソリッドな出来。それでいて、同じフレーズを3回繰り返すサビでは3回とも違うラインのコーラスを重ねる凝り具合も。
ナカヤマも、もうわざとじゃないかってくらいフィルでガンガンに走る。この歳でこんなに猪突猛進な演奏をするバンドも珍しい。
そもそも年齢相応に上手く弾くべきだという発想自体、多分彼らには無い。
JIROの超シンプルな曲が意図的なものなのか、単にアイデアが無いだけだったのかは分からないが、
この曲がこのバンドのらしさを引き出しているのは間違いないのでは。
生き急ぐ前のめり感に浸れる曲。
5.GUN LOCK ★★★
重苦しいリフと、オチてるようなオチてないような不気味なメロディが印象的な山中曲。
なるほどニルヴァーナという感じだが、これは確信的にポップにしたというより、まんまニルヴァーナっぽくするつもりで弾いてみたら
全体的に音が細くてヘナヘナしてしまったので「じゃあポップなニルヴァーナ、という事で…」と後づけしたような印象。
ギターソロは変。それでもこうした曲を書く人は多くないし、面白い曲か。
6.ISLAND ★★★★
ここでいきなり渋くなる、ミドルテンポのJIRO曲。あんまりニルヴァーナという感じではない。むしろ二ール・ヤング。
神とかカラスとか狼とか出てくる、60年代の洋楽っぽい山中の詞もハマッていて、郷愁系の古い洋画の挿入歌のような枯れた男の色気を感じる曲になっている。
実年齢よりだいぶ若い印象の曲が多い今作中にあって異彩を放つ曲。JIROのピークは今かもしれない。全体にざっくりした演奏もいい感じ。
特にナカヤマのぶっきらぼうなシンバルワークは男臭い。
7.WILD TIGER ★★
最後は駆け抜けて終わるアッパーなJIRO曲。
今作のリードトラックにあたる曲と思われるが、その割には普通。メロコアとビート系の中間のような曲。
サビ前のブレイクは入れずにそのままスネア連打で流れを維持したほうがこのバンドらしい疾走感が出た気が。
何はともあれ今作中では最も広いリスナー層に訴えるキャッチーな曲か。
総評.★★★
ピロウズ山中さわお、GLAYのJIRO、ストレイテナーのナカヤマシンペイから成る3ピース、THE PREDATORSの2nd。
個人的には好きじゃないが実力は認める、と誰にでも言わせられるような技巧派では全くないが、
穴でもある部分がまた魅力でもあるバンドだし、それぞれの元バンドと違うカラーの曲をやるための企画バンドだということを考えれば充分な出来では。
2人のソングライターが作曲しているが、山中山ジローというソロアーティストが全楽器を担当して作った作品と言われても違和感が無いほど
まとまりのある作品になっている。そのまとまりの正体が全曲に通じるチープさだというのはいただけない気もするが。
曲の印象は3バンドのなかではストレイテナーに1番近い気がする。
ドラマーのカラーが1番強いのは意外だが、ミドルテンポの8ビートに強い佐藤でも、
バラードが達者なToshiでもなく、前のめりな疾走感が持ち味のナカヤマを活かす曲をメンバーが上手く提供した成果か。
特にJIROはこのバンドのソングライターとして欠かせない存在。
同じ曲をGLAYに書いても、もっと売り準備万端な感じのかしこまったアレンジにされてしまうだろうし、彼にとってこのバンドは結構貴重な発表の場のはず。
普通に考えればJIRO目当てのGLAYファンに山中やナカヤマがアピールするチャンスのバンドだが、
逆にピロウズやテナーのファンをJIROの力でこのバンドのファンに引き込む、という流れも作り得るのでは。
残念なことにJIROの作曲はTAKUROの影響を毛ほども受けていないので、GLAYファンはあまり喜びそうもないが。
とにかく他の2人以上にこのバンドならではの活動をしている、伸び盛りのJIROに注目したい作品。
(★5個が満点。)