Reviewer:14th. 431-433 名無しのエリー2007.04.20.
1.愛し ~明来る明け~ ★★
聴く限りではバラード。オープニング曲なのでコメントは省略
2.なんちって ★★★★
ただノリだけの盛り上がる曲。
歌詞は評価する必要もないが、嫌なことがたくさんあったりした時に聴くと、いい気持ちになるかもしれない。
とても好きな曲
3.そりゃ君が好きだから ★★☆
ラッドお馴染みのラブソング。恋に敗れた人が聴くとイライラしてしょうがないってほどのハッピーな曲。
歌詞は面白くて好きなのだが、曲が平凡でイマイチなので減点
4.夢見月に何想ふ ★★★★★
古い言葉を使った歌詞の曲。前曲とは打って変わって、決して幸せな曲ではなく何かを思わせる曲となっている。
ゆっくりとした切ない曲で、サビの最後の高声がたまらなく良い。
嫌なことがあったり失恋したならこの曲を。気持ちが落ち着く
5.ノットビコーズ ★★★★
ベース音で始まる曲。歌詞のほとんどが英語で、唯一日本語で表されている言葉は「ベイベー」のみ。
曲はとことん良く、ポップで素敵な曲。聞く価値アリ。
6.愛し ★★★
シングルカットにされたにもかかわらず、言うほどいい曲ではない。歌詞もごちゃごちゃしてて伝わりにくいと思われる。
ただ各楽器の音が目立っていて良い。
7.うぃんぷす学園休み時間 ★
こんなお楽しみ要素いらない。まず曲じゃない。面白いかもしれないが、必要性が感じられない
8.ヒキコモリロリン ★★★★
ラップだと「僕チン」の次くらいに好きな曲。ラッドの代表曲ともいえる。
歌詞は暗めか?と思ったが、そうでもないのである。好みはわかれるかもしれないが、一度だけ聴いてみて欲しい
9.着席 ★
7と同じ
10.俺色スカイ ★★★
青春系の曲。ありそうでない感じの曲で、とっても励まされる。歌詞はクサいが、曲は素敵なので好きである。
歌詞はわからなくても聴くだけで元気になれる
11.音の葉 ★★
引き語りの楽曲。歌詞が気に入らない。前の曲たちが良すぎて少々影薄の曲
12.シリメツレツ ★★★★★
ダークな曲。歌詞のほとんどを英語で占めている。ボーカルの裏声がまた良くて何度でも聴けるカッコいい曲でもある。
似てるといえば「アンチクローン」という曲に似ている。ギターの音が最高
13.祈跡 ~IN ALBUM VERSION~ ★★★★
9分にも及ぶ超大作。世界に向けたメッセージソングでシングルバージョンとは違い、全てスローで構成されている。
しかもシングルバージョンとは歌詞が少々異なっている。最高のバラードに仕上がっていると思う
14.ララバイ ★★★
ラストはノリノリのナンバー。
きっちりとしたラブソングで、「バイバイはまた会えるからいえる」と言い切っている前向きさもみえる。
総評.★★★★☆
ラッドのセカンド。自分はラッドのアルバムで一番好きなアルバム。
コメントは難しいかったが、良いアルバムなので聴いてみて欲しい。これで2100円は安いと思う
(★:2点,☆:1点の計10点満点。)
Reviewer:22nd. 163-166 名無しのエリー2009.08.31.
1.4645 ★★★
勢いのある曲。「よろしこ」と読むらしいです。
演奏はドラムがどうも歯切れ悪い。ツーバスをドコドコやるには向いてないと思う。
2コーラス+大サビの曲だが各パートが短いので2分程度でサクッと終わる。
一曲目にもってきたのは正解、というよりここ以外に居場所はない様な曲。
2.セプテンバーさん ★★★
ファンからは非常に人気のある曲。
歌詞の内容はもう9月になって夏みたいな気持ちは過ぎ去ったけど、俺と君の心は繋がってるよ、的な特に変哲の無いもの。
しかし野田洋次郎の言葉選びで独特の浮遊感ど切なさを感じさせる歌詞へと豹変。
「愛が語り尽くした想いを 僕は歌うよ 人は笑うよ でも 今ならば この声ならば 届く気がしたんだ
手と手を取れば揺れる心が 抱えた不思議 それはテレパシー」
若年層に受けるのは納得。
サビは四つ打ちよりしっとり聞かせた方が良いんじゃ無かろうか。
ライブで客と掛け合いをするのがお決まりだがどうかと思う。台無し感が否めない。
3.イーディーピー ~飛んで火にいる夏の君~ ★★★★☆
タイトルからネタ曲と思うと裏切られる。所謂「ABCの歌」を子供が無邪気に歌う導入から急にヘビーに雪崩れ込む。
「笑えって言われても上手くできないんです 東と西の次は 北と南なんです」
とまた洋次郎節全開な歌詞のAメロを経た後やたらポップなサビへ。最後は導入の伏線を回収して唐突に終わる。
RADWIMPSにしては珍しく歌詞ではなくサウンドが核になってる曲。ちなみにPVが良い出来です。
4.閉じた光 ★★★★☆
これは前曲に引き続きかなり良い!
ベースのタッピングが印象的なイントロからぽつりぽつりとボーカルがストーリーを綴る。前曲とは逆に完全に歌詞が肝。
難があるとすればかなり音の抜けが悪くて気持ちが悪い。
特にサビのドラムはあんなにドコドコ言わせないで金物を目立たせても良いんじゃなかろうか。サイドギターも妙に抜けが悪いのにサビで目立つ目立つ。
これは完全にマスタリングが曲を殺してるんじゃ…と言わざるを得ない。
5.25コ目の染色体 ★★★★
デビューシングル。これもタイトルの印象とは違う真面目なバラード。
素朴で綺麗なメロディーに乗せて「I will die for you」と歌い上げる。途中一瞬ハードになる展開がアクセントを付けている。
個人的にはTr3より全然好き。
5.揶揄 ★★★
ジャジーな曲。ピアノがゲストで入ってます。歌詞はかなり癖がある。無理な人は確実に無理。
間奏ではギターが妙に速弾きまくっていて笑える。その粗野なソロの後にお洒落に落とし込むピアノは流石。
6.螢 ★★★★★
これも歌詞が核にある曲。ラブソングでは無い。サビと間奏の転調・変拍子がかなり良い。
「良いよ僕には名前は無いけど 僕が消える時はちゃんと泣いてよ その時一番眩しかった星に 僕の名前付けて欲しいな」
一見矛盾して見える歌詞だが、ここで言う「名前」は表面的な意味では無い。
このアルバム随一の名曲と言って良いんじゃないかな。
7.おとぎ ★★★★
初聴時には印象に残りにくい曲だが噛めば噛む程味が出る。
終盤一カ所のみ日本語の歌詞で歌われるのがはっと顔を上げて息を吸ったような印象を与える。
メロディーとコード進行の絡み、単純なギターのフレーズが心地良い。
8.最大公約数 ★★☆
これも人気のあるラブソングだけれども… ただ分かり易い歌詞と曲って感じ。
ただ、終盤のギターのタッピングフレーズはかなり印象的。
9.へっくしゅん ★★★★★
RADWIMPS流のヘビーなミクスチャー。歌詞もかなり重い。予想の裏を付く怒涛の展開。
綺麗なコーラスとガツンと来るギター、ピコピコの部分の対比が上手い。
このバンドはラブソングばかりだから嫌、という人には是非一度聞いて欲しい。
10.トレモロ ★★☆
これもTr.8と似たような印象。ラブソングじゃないけど。
メジャー過ぎるギターフレーズがなんとも言えない。
11.最後の歌 ★★
曲もアレンジもこれはどうなんだろう。歌詞はこれも好き嫌いが分かれると思う。自分は無理。
総評.★★★★☆
今や人気バンドとなったRADWIMPSの3rd。
かなり曲調はバリエーションに富んでいて、歌詞の振り幅も最も大きく、バランス・流れ共に良い。
演奏は多少気になる所はあるものの、全体的にはそれなりにまとまっている。個人的にはこれが今のところ最強。
この後の4rdはともかく5rdはナンバリングを排して一転したタイトルに関わらず予想の範囲を超えず残念だった。
このバンドのフロントマンは正直ラブソングだけ書いてたら勿体無いと思うのは自分だけだろうか。
(★:2点,☆:1点の計10点満点。)
Reviewer:13th. 937-939 名無しのエリー2007.01.16.
1.ふたりごと(一生に一度のワープ ver.) ★★★☆
去年ブレイクしたラッドウィンプスのメロウなシングル曲。「今からお前に何話そうかな…」といきなりの歌い出し。
女々しい歌詞と女っぽい声、歌詞に込められた思いがストレートに伝わる。
2.ギミギミック ★☆
「ジャンボハズレくじ」と言う単語以外に歌詞にも目立つところは無い平凡なやや激しめの曲。
このバンドはかなりバックがうるさいのが特徴だと思う。うるさいというかゴチャゴチャしている。
ボーカルの声自体はかなりやさしめの聞きやすい声なのにテロテロなり続けるギターが交差するのがちょっとうっとしいかもしれない。
3.05410-(ん) ★★☆
途中まで英語詞なんだが、かなり英語が上手い、リフも単調でメロディ自体も洋楽のパワーポップバンド風味。
しかし日本語に切り替わった所だけ一気に曲も日本のバンドっぽくなる、このギャップがいい。
4.me me she ★★★★
ギターのアルペジオに乗せてうつむくように歌うイメージ。
「約束したよね、100年までよろしくね。101年目がこんなに早く来るとは思わなかったよ」
こういったフレーズは真骨頂だと思う。
失恋の歌かと思ったが
「暇つぶしがてら2085年まで待ってるよ。今まで本当にありがとう」
恋人を失くした歌なのか、最後に2つのメロディのボーカルが重なる部分が終わって、また一つに戻るところは上手い。
5.有心論 ★★★★★
ポロポロと語るように始まるイントロから盛り上がる、ポップな曲。
「君があまりにも奇麗に泣くから、僕は思わず横で笑ったよ、すると君が釣られて笑うから、僕は嬉しくて泣く、泣く」
「誰も端っこで泣かないようにと、君は地球を丸くしたんだろ。だから君に会えないと僕は、隅っこ探して泣く、泣く」
人間不信者を幸福論者に変えてくれた一人の女性への思いを思い返すだけでなく、
世界に向けられた想いが胸にしみる名曲。
6.遠恋 ★★★
遠距離恋愛の曲だが、サウンドだけでなく内容もポップ。遠い距離が有るからこその信頼感。
「後輩の女の子をちょっとそこまで送ってきたところだよ、あの子多分俺に気が有ると思うな」
「あらそれはお疲れ様でした。 あ、そうだ、ちなみに私は今日告白されたの」
サビの部分でギターが混じりすぎてかなりややこしいことになっているが逆に新鮮。
7.セツナレンサ ★★★★☆
イントロの轟音リフと英語詞は洋楽のミクスチャーバンドを髣髴とさせる。
コレも最後に英語メロディと、メロディアスな日本語メロディが重なるのだが、英語詞の部分で轟音のリフながら抑えてきたトーンと、
日本語詞の部分でサビまでイカずにただ美しいメロディを溜めてきたカタルシスが最後に一気に開放される。
8.いいんですか? ★☆
手拍子で始まる陽気な曲。ラッドウィンプスはお笑い系の曲もかなり多い。
皆で歌えるようなテンポは、このアルバムには貴重。
9.指きりげんまん ★★
ミディアムバラード、
Aメロの部分でフィルターをかけた様な音になっているのは、彼女との思い出それが取れた時、
現在から過去への問いかけになると言う作りはなかなか。
10.傘拍手 ★★★★☆
英語詞のスロウテンポな曲。バックが邪魔にならないが、個性は出ている。(クラシックギター使用?)
トラヴィスやU2がこの曲を出していたらマスターピースになっただろうという素直な洋楽の構成になっている。
とても美しい曲。
11.ます。 ★★
アホみたいにゲンキなポップパンク。中学生がバンドをやるならこの曲かと。
12.夢番地 ★★☆
誰かの夢の位置に今僕は立っているとの歌詞は、自分たちのことを歌った曲だろうか。
ラッドらしい曲に仕上がっているが、それゆえにインパクトにかけるか。
13.バグッバイ ★☆
8分と長いのは隠しトラックが入っているから。
総評.★★★
新人と呼べるラッドウィンプスだが、そのルーツは非常に多岐にわたると思う。
オレンジレンジをロックにしたような間口の広さはファンの層を考えると納得。
ジャンルの広さゆえ、人によって評価が激しく分かれるかもしれない。
日本語詞の泣きメロディと自己主張が激しい楽器隊、何よりvo.洋次郎の特徴的な失恋歌詞と語彙が激しく目立つので、
ラッドウィンプスらしさと言うものは既に確立されているが、まだまだ伸びしろが有ると思う。あまり洗練されすぎてしまうと面白く無いけれど。
歌詞の世界観が近いのでバンプファンは聞いてみたらどうか。
(★:2点,☆:1点の計10点満点。)
Reviewer:22nd. 255-258 名無しのエリー2009.10.07.
1.ふたりごと(一生に一度のワープver.) ★★★
野田の独特の歌い方が存分に発揮されている一曲。
歌詞はただ単に言ってしまえばタイトルからもわかるようにラブソング。だけどもそこで視点を変え、工夫を加えるのが野田。
個性的ではあるが決して難解ではない、そこが若年層に受けた理由だろう。
だが全体的に見て「まぁシングル曲だろうな」といった感じ。ぶっちゃけ普通で、点数も妥当だと思う。
2.ギミギミック ★★★★
がっちりしたバンドサウンドで始まる曲。前曲とはうってかわってだいぶシリアスな内容の歌詞になった。
とはいっても野田が勝手に悩んでるだけ。
注目すべきは歌詞より音の方。ベース音が前面に押し出される非常に出来の良い曲。
こういう曲をもっとシングルで出してほしい。
3.05410-(ん) ★★★
「おこして」と読むらしい。いかにもJ-ROCKといった曲。
だけど大半英語、すこし日本語といった歌詞の構成は好きなのでそこは十分楽しめた。
失恋ソングっていったらそうなのかも知れないけど、それにしては非常にアッパー曲。好きな人も多いんじゃないだろうか。
4.me me she ★★★★
非常に若年層から支持の高い曲。それも十分にうなずける野田の詞世界が広がっている。歌詞の独自性だったらかなりの出来栄えであろう。
メロディーも美しいし、野田の声もかなりもの悲しく聴こえるので個人的にかなり好きな曲。
最後の大サビがものすごく好き。
5.有心論 ★★
もうここから少しいまいちになってきた。ただただ女々しいのでだんだんイライラしてくる歌詞の内容になっている。
シングル曲なのだがメロディーも特に良いってわけでもない。
「君は人間洗浄機」ってもう寒すぎるわ、と突っ込みたくなる。
でもこの曲での野田のストレートな声は好き。
6.遠恋 ★
どうやら遠距離恋愛をテーマにしたらしい。なんだかマンネリした感じの曲。歌詞も回りくどくて聴いてるのも疲れる。
その上曲もたいして印象に残らない。このアルバムで影の薄い曲のうちのひとつ。
7.セツナレンサ ★★★★★
ヘビーなイントロで始まる曲。「なんだ?なんだ?」と初めて聞いたときはものすごくワクワクしたのを覚えている。
メロディーがあちこちで転調するかなり面白い曲である。本当に何回聴いても飽きない。
全体的に暗い曲だがこのタイミングでこの曲はナイスな選曲だと思う。
8.いいんですか? ★★★★
RADなりの直球ラブソング。
非常にかわいらしい内容の歌詞で完璧野田のプライベートだが聴いてるこっちまで楽しくなってくる不思議な曲。
演奏もメロディーもとくにびっくりする部分はないがそこがこの曲の良いところ。シンプルイズベストである。
9.指切りげんまん ★★★★
これもまたかわいい曲。童謡チックである。なにより聴き心地が良いので何度も聴きたくなる。
演奏もなかなか面白い表情をするので、気に入る人も多いのでは。
このあたりからだんだん少し寂しげな選曲になってくる。
10.傘拍子 ★★★
しんみりした曲。全英語詞である。なぜかツアーでは歌われなかった。
シンプルな曲だかなかなか美しく、良い出来栄えである。傘とタイトルにつくように、雨が連想される曲である。
11.ます。★
このアルバム最大の難曲。歌詞もなんだか「この流れでそうくるか?」といった感じ。
適当につくった感じの曲。いまだにこのアルバムでのこの曲の必要性がわからない。
12.夢番地 ★★★★
野田がひとつの扉をひらいたのかな?と思う曲。メッセージ性がかなり強い曲となった。
「息を吸ってそして吐いて、それだけじゃ喜べなくなって。欲しくなって、あれもこれも、あの人のも。」
かなり悟りを開いた感じの内容である。
ただラブソングしか書けない、青臭いといったイメージから随分かけ離れた曲である。
ファンの間でも人気である。
13.バグッバイ ★★★★★
メロディーが美しい、ラストにふさわしい一曲。
「仕方なくもらった命、誤って愛と呼ぶ。そうしとけば 問題はないけど。」
ここは一体野田はなんと言いたいのだろう。歌詞の節々がよく考えさせられる。
実際野田自身この曲を生んだことでアルバムの核を見つけたという。このアルバムで一番聴いてほしい曲。
総評.★★★★
なかなか出来の良いRADWIMPS4枚目のアルバム。
テーマは大きくして恋だの愛だのといったものだが蓋を開けてみるといろいろな顔をした曲が並んでいる。
RADWIMPS3のようにアッパーな曲が多いわけではないがその分メッセージ性やメロディー性を高めた評価すべき作品であると思う。
伝えきれなかった分は実際にアルバムを聴いて確かめてほしい。先入観や印象を捨てて、ぜひ聴いてみましょう。
(★5個が満点。)
Reviewer:21st. 144-150 名無しのエリー2009.03.18.
1.タユタ ★★★☆☆
RADWIMPSの1曲目としては珍しい、しっとりと聴かせるナンバー。ぱっと聴き、音速ラインに思えてならないのはご愛嬌。
たゆた、とは心が不安定で、一つに定まらない様子の意。
「想い出が光る前に僕を見て 枯れた言葉ならもう言わないでいいよ」と、ボーカル野田洋次郎が今までの恋愛からの決別しようとしつつも、
「掴まったのは君の小さな手で それを守るそぶりで握りしめるの」と、まだ心が揺れ動いている様子を歌った曲、のようにも思えます。
最初聴いた時は次以降の曲に埋もれてしまったものの、一周してから聴くと意味が染みてくる曲。
誰しも震えながら、心を揺らしながら、何かに縋ろうとして、この地球(ほし)にしがみつく。あるいは、君=地球、なのかも。
2.おしゃかしゃま ★★★★★
「僕は見たことがないんだ あちらこちらの絵画で見るんだ さらに話で聞いてる神様は どれもこれも人の形なんだ」
「もしも僕が神様ならば 全てを決めてもいいなら 7日間で世界を作るような 真似はきっと僕はしないだろう」
などと、神や宗教を攻撃した哲学的な詩と、カラオケで人に歌わす気が見られないラウドで激しい曲調が特徴的なナンバー。
「ギミギミック」の正統進化系といったら、前作を聴いた人は分かりやすいかもしれません。
とにかく畳み掛けるように言葉と音が襲いかかってくる様は圧巻でカッコイイ。
「お釈迦様」と「お釈迦になる」をかけていると思われるタイトルも、ふざけてて面白い。
このアルバムの中でこういう系統の曲はこれだけ、というのもラッドでは珍しいかも。
3.バグパイプ ★★★☆☆
アッパーでメロディアスな英詩曲。洋次郎曰く、タイトルは楽器の名前であると同時に、バグったパイプという意味もあるらしい。
内容は個人的な解釈だと、過去の恋愛の傷を背負いつつも前に進んでいく、というもの。多分、洋次郎のノンフィクション。
このアルバムでは、全体的に今までのアルバムと違ってはっきりとした恋愛を描いた曲が少ないんですけど、これはその少ない中の一つ。
けど、英詩だし、速いし、詩よりも曲に頭がいって、すかっと聴ける爽快な曲だと思います。
4.謎謎 ★★★★★
テクノっぽい曲調、エフェクトをかけたヴォーカルに「~はなーんだ」となぞなぞが乗ってくる実験的なナンバー。
けど、言っているのは「自分をもっと好きになろう、愛してやろう」という厨房的なメッセージで、でもこれはおそらくアルバムを通して存在するテーマ。
くだらないといえばくだないけど、そのくだらないことをここまで大袈裟に言って、
かっこよく、美しい曲へと昇華できるのは、他でもない洋次郎のすごいところ。
その日常的なテーマと、サビの「真夜中にかかる虹」「砂漠で見るシロクマ」「夏に降り注ぐ雪」という奇跡の対比とかはまさに秀逸。
だから、この曲はアルバムのメインであり軸になっていると個人的には思います。
「内側から見てたそいつを僕は知らないけど 外から見たそいつならよく知ってるから
半分しか知らないままに答えを出すのは なんかすごくとてもあまりにも勿体ないから」
自分は厨なので思わずなるほどって唸ってしまいましたが、他の方はどう感じるんでしょうかね。
5.七ノ歌 ★★☆☆☆
タイトルは、なのか、と読みます。ゴスペルを用いた、やたら荘厳な一曲。
詩に「ラッキーな遺伝子」的な部分があることから見て、おそらく『RADWIMPS3』の「25コ目の染色体」の続編。
曲中で重ね合わせてある声は全て洋次郎のものなんだとか。
改めて思ったけど、洋次郎いい声しすぎ。俺にもくれ。
曲自体は「Cuz I wanna be with you」と英語で歌いかけるとこはかっこよかったけど、それだけって印象。
6.One man live ★★★★★
『初めて他人に向けて、人に向けて書けた』とどこかの雑誌で洋次郎が語ってましたが、その通り、ラッドではあまりなかった、ストレートなメッセージソング。
言ってることは「謎謎」と似ていて、自分に自信を持って強く生きていけ、という割とありふれた励ましの歌。
けれど、これまたストレートでアッパーな曲調、最後のサビの畳み掛けもあってか、やたら心に響いてきた。
あと、「このまんまるい地球(ほし)を客席に 君は君自身をそのステージに」ときて、「一番後ろで拍手を送るのは 地球を一周して見た君だ」と落とすのはさすが。
ライブとかでも盛り上がりそう。
7.ソクラティックラブ ★★★★☆
どちらかといえば「おしゃかしゃま」寄りな、哲学的な詩の曲。違うのは、そのベクトルが宗教とかそっちではなく、自分自身に向いていること。
星座のことを例えに出して、オリオンとかペガサスとか、そう言われたってそうは見えねえよ、なら俺は何なんだ、と問いかけてます。
「あのあたりが時計の針だって どっから見ても無理があんだろう」とか、笑った。いちゃもんだけど、確かにそうだな、って。
8.メルヘンとグレーテル ★☆☆☆☆
「ふたりごと」を聴いた人なら分かるかもですが、
その中で『僕とかいて恋と読んで 君とかいて愛と読もう いつかこんな歌作るよ』という詩が言って、これはそれを実際に作りましたって曲。
この曲の中でも実際に「~と書いて~と読もう」とずっと言ってますが、ちょっとこれはくどすぎる。言ってるのも同じことばっかだし。
自分的に唯一の捨て曲ですけど、
「君は7画 僕は14画 恐ろしいくらいよく出来てる 僕は僕の半分しか君のことを愛せないのかい」ってとこだけは、へえ、って思った。
まあ、でっていう、って言われたら終わりなんでしょうけど。
9.雨音子 ★★★☆☆
あめおとこ、と読みます。全編英詩のミディアムナンバー。切ない別れの歌です。
次にくる「オーダーメイド」の前に一旦落ち着かせとこうか、といった趣を感じる一方、これだけ切り取っても十分良い歌。
「僕は雨男だから」ってところがなんとも切ない。また「RADWIMPS4」の「傘拍子」の続編ともとれる曲。
10.オーダーメイド ★★★★★
人が生まれてくる前の神様との対話、という壮大かつ物語的な詩が特徴のシングル曲。
「未来と過去 どちらか一つを見れるようにしてあげるからさ どっちがいい?」
「一番大事な心臓心臓はさ 両胸につけてあげるからね いいでしょう?」
という神様の問いかけに、主人公の人間が答え、理由を述べていく形で曲はすごくゆったりと進んでいきます。
6分弱という長さや、一番最後まで大きな盛り上がり、というかサビがないという構成には、よくシングルで出したなって思わずにはいられない。
過去より未来 → 「強い人より優しい人になれるように 想い出って何だか分かるように」
心臓は一つ → 「大切な人を抱きしめる時 二つの鼓動が胸の両側で鳴るのが分かるように」
など、全体的に厨房(いい意味で)洋次郎節全開なので、すごく好みが分かれると思います。
ただ、最後の主人公が神様に言う「最後に一つだけいいですか? どっかでお会いしたことありますか?」という一節により、
この曲はすごく深いものになっていると思います。
11.魔法鏡(マジックミラー) ★★★★☆
オーダーメイドで一つ何かを終わらせたのか、ここで一気に速い曲。
歌ってることは「謎謎」や「One man live」と同じ感じ。鏡には映らないけど、その向こう側にいるかもしれない、本当の自分についての歌。
非常にテンポのいい曲で、良いと思うものの、逆に短すぎるのと、次の2曲が長いのとで埋もれてしまっている印象。
12.叫べ ★★★☆☆
タイトルといい曲調といい、今までなかったかもしれない曲。前のアルバムでいうなら「夢番地」あたりな位置か。
変わろうとして変われない、強くなろうとしてなれない、何かやろうとして結局やらない。
そんな自分が叫んだ想いを明日も決して忘れずにいよう、という強いメッセージのある曲。
「眠気眼でたたんだ布団も 久しぶりに片付けた部屋も 全てささやかながら僕からの 未来の自分へのプレゼント」
「誓いの言葉壁に書いたのも 目覚ましかけ眠りについたのも 全ては今日を終える僕からの 明日の僕に向けた挑戦状」
こういうことを普通に言ってのけるのが洋次郎ってことで、これを是とするか否とするかでラッドが合うか合わないかが決まると思います。
割とだらっとした曲で、最初は流してしまうものの、後からじわじわくる。いわゆるスルメ曲。
頑張らないとな、って思った。なんてね。
13.37458 ★★☆☆☆
みなしごはっち、らしいです。タイトル。
「『絶対なんて絶対にない』ってそれはもう絶対です」 「『誤解を恐れず言わせてもらいます』ってそれはもうすでに恐れてます」
という屁理屈を重ね重ねて「この何とでも言える世界がいやだ」と歌う、ラストにして一番後ろ向きといえば後ろ向きな歌。
洋次郎の言葉は基本的に理屈より屁理屈が多いので、ある意味開き直った上で言っているのかもしれません。
それに最後に「こんな歌唄えちゃう世界がいやだ」と、まさにそういうこと言ってますし、確信犯でしょう。
「何とでもいえる世界」だからこそ何とでも唄ってやるんだっていう、意思表示ともとれます。
曲としては、前の曲以上にゆったりしてて、だらけますけど、最後だからいいかなってくらい。
まあ、流して聴く分には良いけど、特に聴きこむことはないかもしれないというところ。
総評.★★★★★
今脂が乗りに乗っているRADWIMPS、5枚目のアルバム。
過去作では「RADWIMPS2~発展途上~」や「RADWIMPS4~おかずのごはん~」と、数字+サブタイというタイトルだったのを、今回は一新。
さらに、今までは、それこそ厨房的に自分語りや彼女への感情の吐露に徹してきた洋次郎の詩が、
外の世界、他者に向き始めたことからみても、これは彼らの今の総括的アルバムといっていいでしょう。
「アルトコロニー」=「あるところに」
つまり、今まで紡いできた物語などを、昔話の中の「あるところ」に“定理”あるいは“封印”することで、決別すると同時に新たな一歩を踏み出した
……というのは過言かもしれませんけれど。
このアルバムの中には、上で触れた通り過去作からのリンクや続編が幾つか見られますし、まとめ的な意味はあると思います。
RADWIMPSというバンドは、というより曲を手がける野田洋次郎は、詩から分かるように、その背景には中二病的世界観があって、
歌の出発点は言ってしまえばくだらない、精神の未熟ゆえに生まれる疑問だったり屁理屈だったり、そういったことが多いんですけど、
彼はそれを自信の音楽的背景や技術を武器に、実に壮大に、かっこよく、また、さも綺麗みたいに仕上げてしまう。
それこそはRADWIMPSであり、野田洋次郎であり、その音楽。そして、今回のこのアルバムというのは、その音楽の一つの完成形。
タイトル通り、定理されたわけです。
けれど、そういう中二病とかが好きな人はすごい惹かれる一方、ダメな人には本当ダメな音楽だとは思います。所詮厨房やろ、みたいな。
だがしかしbut、今回は今までより外に向いているアルバムだと思いますし、外からでも理解できるアルバムだと思います。
だから、これは今まで敬遠していた人にこそむしろ勧めてみたい、聴いて頂きたい一枚。
RADWIMPSの、これは現時点での最高傑作、というとどこぞの音楽誌みたいですが、
今までで一番アルバムとしてまとまっていて、完成している傑作、とははっきり言えます。
(後述レス)
書いてから、すげえ贔屓目っぽくて鬱になった。
★の数はここからマイナス1くらいで考えてもらったほうがいいかもしれないです…。
(★:1点,☆:0点の計5点満点。)
Reviewer:21st. 152-154 名無しのエリー2009.03.18.
1.タユタ ★★★★
コールドプレイとか初期MUSEとかトラヴィスとか、要はレディへ(ベンズ)フォロワーな感じ。
音を詰めるのではなく、クリアトーンのギターの響きで空間を埋める感じね。
メロディの流れは秀逸。サビで声を重ねるところ何か結構ハッとさせられる。ギターの音もかなり良いのではないでしょうか。
2.おしゃかしゃま ★★★★☆
しっとりしてた前曲から一転、イントロから軽くギターノイズをぶち込む攻撃的な曲。
ミクスチャーバンドらしく、軽快なリズムに乗せて早口なボーカルが乗るのは聴いてて上がる。
非常に巧みに歌詞を乗せているし、韻の踏み方も上手いので全く違和感無い。歌詞もブルーにこんがらがってる感じで良いですね。
3.バグパイプ ★★★
これもミクスチャーの流れ。アメリカ西海岸って感じのカラッとしたサウンドとメロディはさらっと聴ける。
まぁそれだけだから目新しいものはないです。歌詞良いこと言ってるんだから日本語で歌えば良いのに。
4.謎々 ★★☆
ダンスロック。サビでもっとパッと広がる感じが欲しかったかな。
リズム隊は骨太で良いグルーヴを奏でてるんだけどねぇ。
5.七の歌 ★★★☆
ゴスペル要素を取り入れた曲。声がすべて野田のってのは中々凄い。
相変わらず歌詞をがっつり載せるメロディ部分は中々旨い。ただ内容がかなりキモい。
6.One man live ★★
うーん、FOBみたいなつまらないロックとしか言いようがないなぁ。これといった工夫もないしね。メロディの流れは綺麗かな。
演奏の上手い青春パンクって感じ。
7.ソクラティックラブ ★★★☆
これまた普通のミクスチャーって感じだが、しかし普通にカッコいいのでこれはこれであり。
ギターの重ね方はとても洋楽的で、日本人離れしたところを感じることができる。
野田のボーカルは中々色彩豊か。こういう歌い方もできるのね。
8.メルヘンとグレーテル ★★
ゆったりとした曲でちょっと小休止。サウンドプロダクションがビックすぎる、音圧下げてほしい。
「『君』は7画で 『僕』は14画で」からの流れは上手いこと言っているようで、ただキモいだけなんです。
9.雨音子 ★★
全編英語のミディアムナンバー。しかしこれまた面白みがない。正直言ってこれはまさに「これ聴くなら洋楽聴くよ」って部類の曲。
ただ野田は英語詞の方が内容良いね。
10.オーダーメイド ★★★☆
今作中唯一となった6rhシングル。感触としては1に近い響きを聴かせるタイプの曲。
シングルにしてはキャッチーさが足りないけども、繊細に作りこまれたサウンドは中々心地いい。
歌詞も着眼点が面白いね。最後にちょっと深みを持たせるフレーズがあるのも良い。
11.魔法鏡 ★★☆
まさにエモといった感じの、勢いで押しまくる曲。
90年代の売れ線ロックバンドみたいなメロディーがちょっと意外。
12.叫べ ★★★
全てが王道。でもこれはこれで気持ちいい。
しかし野田ならもっと面白い着眼点があっても良かったんじゃないだろうか。
13.37458 ★★
最後らしくゆったりと締めてきた。ただこういった曲が最後に映えるような展開を持ってきてないのでだれる。
あと相変わらず音がでかすぎ。もっと抑えた方がいいと思うんだけどねぇ。
こういうの聴いちゃうとやっぱ藤原の方がメロディセンスはあるね。
総評.★★★
今一番勢いがあると言っても過言ではないRADWIMPSの5thアルバム。
率直な感想を述べると、とても「普通」のアルバムといった感じです。
RADWIMPSをちゃんと聴くのは初めてなんですが、正直何故ファンもアンチもあんな騒ぐのか不思議です。
所謂エモなサウンドとのっぺりとしたメロディに特異な点は無いし、歌詞だってそんな特別なものを感じません。
あとこれは最近のバンド全部に言えるんですが、サウンドプロダクションがビックすぎます。
「商品」なのか「作品」なのかその辺の線引きをちゃんとして欲しいところですね。
ただ、最初の2曲はとても素晴らしい曲ですね。後半に行くにつれだれるのは否めません。歌詞もちょっと「君と僕」に終止しすぎているような。
でもまぁ今後に期待は出来るバンドだと思います。
(★:2点,☆:1点の計10点満点。)
Reviewer:21st. 349-356 名無しのエリー2009.04.27.
1.タユタ ★★★
クリーントーンのギターと気だるいボーカルが物悲しい雰囲気を醸し出しているオープニング曲。
ボーカルの声質が声質だけに短調の曲を歌うとやはり音速ラインっぽい。
ドラムのパターンは何か違和感があるが、綺麗に音を散りばめたアルペジオとひねりのあるメロディは印象的。
手数が多い割にチョーキングやビブラートを使おうとしないギターが独特。単にいっぱいいっぱいなのかも知れないが。
2.おしゃかしゃま ★★★★
一気に派手になるファンク寄りミクスチャーロック。派手に動き回るギターだが、やはり粘り気がなく淡白。
しかしこれはクラビネットっぽさを狙った意図的なものか。なかなかファンキー。ベースも安定感がある。
しかし、非力なボーカルと共存するためなのか、そもそも基本の音量が小さいのか、ドラムが妙に奥まってて、盛り上げ所でもガッツリ来ない。
まあこのバンドはボーカルを潰さないのが前提条件のようなのでこれが妥当か。
歌詞は韻踏みというか言葉遊び優先で意味が軽い部分が多いが、
「生まれ変わったって 変わらなくたって んなこたぁどうだっていいんだ」はかなり意外。そこどうでもいいんだ。
3.バグパイプ ★★★
いかにもなメロコア。大体ビークルとかエルレとかそんな感じだが、武田のベースの分だけ優位。
こういう音粒の良い、8ビートがキレイなべーシストは普通あんまりメロコアとかしなそうな印象があるが(シャカラビのベースは近いもんがあるかもしれんが)。
と思って調べたら武田はマーカス・ミラーとかその辺が好きらしい。何故RADに…。スタジオよりバンドの方が儲かるからか。レミオの彼みたいに。
曲のほうはメロディのバリエーションが少なく物足りないが、暴走族の「パラリラパラリラ…」を再現したサビメロは妙な疾走感がある。
4.謎謎 ★★
蔦谷好位置がYUKIに提供するような電子ポップスに、バンプのB面曲みたいなサビメロを合わせた曲。おお器用。
そういう事が得意な人達に心当たりがあるが、多分引き合いに出さないほうがいいんだろう。
詞は曲名通り、なぞなぞベースで愛のハウトゥー的な感じ。何というかなぞなぞという遊び自体野田に合ってる気がする。
自分だけが答えを知ってる状況から「知りたい?」と気を引こうとしてくる感じとか。女の子の「何歳に見える?」みたいな。
しかし詞の都合上、同じメロディを延々やるのでウンザリする。
5.七ノ歌 ★★★
モット・ザ・フープルとかその辺のグラムロックのバラードに、早口のボーカルを乗せたような曲。
ここまでのプレイと一転、桑原がチョーキングを多用して、いかにもロックなうねりのあるギターを弾いている。どっちも出来るわけか。
ドラムはやはり軽い。歌詞もどうでもいい部分が多すぎる。
今まさに野田と話してるような会話の臨場感を再現する意図かもしれないが、既に野田に魅了されてる人以外を惹きつける要素はあまり無い。
むしろ中立の人に、そこまでお前に興味ねえよと引かれる要因になる気が。
6.One man live ★★
ジンみたいなイントロで入るが、中身は演奏が上手くて歌が軽いバンプといった感じのアップテンポなロック。
野田の歌い方は狙った媚び声という感じで、詞の緊張感を伝えることには失敗している印象。
詞のほうも、「ハウったってそんなの構わない」「ゲインを目一杯上げて」とか歌うが、そもそも彼らの音作り自体丁寧で行儀のいい感じなので説得力に欠ける。
演奏がしっかりしてても歌と詞がこうだとやはり説得力がない。
思えばバンプの場合、ボーカルが真摯な生き様を歌ってるけど隣でギター弾いてる奴が楽勝人生すぎて、
藤原ソロならともかくバンプに言われてもなあという感じだったが、ラッドは逆という印象。
7.ソクラティック・ラブ ★★★
ベースが隙間を作ったせいか、急にドラムがデカく聞こえる、初期林檎路線の曲。
ギターは結構派手に動き回っていて、フレーズもちょくちょく変えているので複雑。ライブで再現するのが大変そう。
詞は途中までは自分が何なのかという話だが、いつの間にか星座あるあるネタに。
このバンドを聴く気なら基本的に歌詞を調べる習性が必要かも。ひとつ聞き漏らすとサッパリ。
しかも星座の話が出るきっかけは君の心の形を知りたいというくだりのはずなのに、最終的にはあの星座が双子に見えるなら俺は何なんだという自分話に戻っている。
これラブソングか?
8.メルヘンとグレーテル ★★
母性本能をくすぐる意図が歌い方に露骨に出た印象の、ふわふわしたスローな曲。
野田の書く曲はメロディが割と安直なため、どうしても詞の内容に耳が行きがちなのだが、
彼の詞は大きな主題に沿って小ネタがあるというより、まず小さく上手いこと言ったフレーズを並べて、
後から大まかな括りに当てはめて曲にしてるような、目的と手段が逆転してる印象。そのため同じような事を言ってる曲が多い。
そんな中で本人のストレートな考え方が出てるかなあと思う部分としては、
「人と書いて嘘と読み 嘘と書いて人と読む こんな時代だからこそ見える意味をなくさぬように」のところか。
何と書いて何と読もうが別にいいが、なくしたくないのが「見える意味」だという点に野田の文字に対する執着が出てるのでは。
こんな時代だからこそ、目には見えないけどそこにある大切なものをなくさないようにしよう、というほとんどのアーティストの主張と一線を画している。
思えば野田は、言葉だけで人の心は動かせるということを証明する象徴的な存在なのかも。
9.雨音子 ★★★
全体的に武田が屋台骨となって曲を支えている印象の、ミドルテンポの全英詞曲。
曲自体はありきたりで、メロディもひねりが無いが、歌のリズム感は良いのでさらりと聴ける。
ドラムはイントロのギターのリフに合わせようとしすぎて、バスドラがやたらくどくなっている。
そのため曲の盛り上がりのピークが、サビではなく、その後に戻るイントロのフレーズの部分になってしまっている。
全体的には器用なんだけど強いショットが無くて事務的な印象も。
10.オーダーメイド ★
弾き語りでやるか、もういっそ本とかで発表すればいいのではと思うほど歌詞重視の曲。
詞の展開に合わせて演奏を盛り上げるのが歌ものバンドの基本スタンスだと思うが、
この曲は場面がなかなか進まず、同じメロディを延々繰り返す。演奏陣泣かせ。
武田がかなり頑張って味付けしているが、これだけAメロがくどいと演奏での判別は難しく、弾いてるほうも歌詞を聞き逃したら今どこ弾いてんだか分からなくなりそう。
楽曲としては6分近くも引っ張るような出来とは思えない。歌詞がダメならそこまで。
さて詞だが、生まれる前に誰かとやりとりをして自分の姿を決めているが、その「誰か」がどこかで逢った人のような…という内容。
M2で生まれ変わりとかどうでもいいって言ってたような…。
M5あたりでは、僕を君好みの顔に生んでくれたオトンとオカンに感謝とか言ってたが、
この曲でのやりとりからすると「僕」の姿かたちは「僕」と「誰か」で決めましたと言ってるようなもんだし、
両親の遺伝子なんて蚊帳の外なのでは…。
出だしは「きっと僕は尋ねられたんだろう 生まれる前どこかの誰かに」と推測形だが、段々やりとりが妙に詳細になってきて言い回しも断定形になる。
最終的には「最後に一つだけいいですか?どっかでお会いしたことありますか?」と、今収集した情報からひとつの結論を導き出したような描写が出てくる。
そもそも最初から憶測の話で、生まれる前にそんなやりとりがあったかすら定かでないレベルのはずでは…。
そこまで言うなら最初から断定形でよかったのでは。
妄想でお話を作るなら作るで、浸りきれるようにして欲しい。気になる点が多すぎる。
得意の小ネタにしても、口を二つつけてあげると言われて断る時の理由が「一人とだけキスができるように」。嗚呼フルーツポンチ。
大体口が一つあれば普通に何人ともキスが出来るのでは…。一人としかキスをしたことがないんだろうか。
ただこの詞の中で、「涙」をオプションでつけるかどうかというくだりはハッとする。
「僕」と「誰か」は運命的な繋がりがあるかのように描かれているが、ここでは「誰か」が「面倒だからってつけない人もいるよ」と発言しており、
少なくとも「誰か」は「僕」以外にも多くの相手とこういう不思議なやりとりをしている事が読み取れる。
「誰か」は前世からの運命の恋人とかそんなオチかと思っていたが、これでは全然運命的でないので、やはり「誰か」は神様という解釈が正しいか。
運命で結ばれているのが2人だけとは限らない、という皮肉かもしれんが。
11.魔法鏡 ★★
ビート系と青春パンクの中間みたいな印象の曲。メロディやコードについては特筆する点は無い。ありそうな曲。
しかしベースのアタック音がはっきりしててビートが気持ちいい。
ドラムはやはり引っ込んでて、相対的に迫力不足に聞こえるが、
幾つかライブ映像を見た感じではもっと上手いので、やはりCD化にあたって全体のバランスを考慮した結果ぞんざいな扱いにされたのかも。
ギターは逆にライブでCD以上のことは期待できそうもない感じだったが。
エモな曲調の割にはボーカルが軽い。まあボーカルがパワー不足なのはこの曲に限ったことでもないが。
ドラムがもっとSASSYみたいにガンガン行ってれば野田の歌も今頃たくましかったのかも。
魔法鏡と書いてマジックミラーと読ませる小細工も内輪ノリっぽい閉塞的な印象。
12.叫べ ★★★
単音フレーズを絡めるのが好きな桑原が珍しく和音のリフ多めに仕上げた、ミドルテンポのギターポップ。
これといって珍しい曲調でもないが、普通に演奏も上手く手堅い。
まあ彼らの曲は既にあるジャンルに準じて作ったものを手広く網羅している感じで、
意外なジャンルの組合せで挑戦的なものを作るタイプではないので、ラッドらしいといえばラッドらしい曲か。なんか若手っぽくないスタンスだけど。
ごく当たり前のことをするだけなのに、さも偉業を成すかのようにご大層な言い回しをする詞がなんかめんどくさいキャラを思い出す。
なんか拙者だYO!とかいう人。
13.37458 ★★
個人的に野田節ここに極まれりといった印象のバラード。
なんかスネアのタイミングに違和感があるというか、2拍目に比べ4拍目が前のめりな感じがして落ち着かない。
曲はこれといった特徴がある訳ではないが、詞は名曲を予感させる。途中までは。
色々と定型の言い回しのあげ足を取って「この何とでも言える世界が嫌だ」と歌い、
じゃあどうすればいいんだという問いへも自分なりの筋を通した回答が用意できず「そんな事は俺もわからない」と返す。
俺ならこうする、もっと改善できると思う点があるから批判するのが一般的なような。
まあそういうのは全部布石で、最後は自分を見つめ直して一皮むける前向きな結末になるのではと期待したが、
「こんな歌歌えちゃう世界が嫌だ」で終わってしまう。世界のせいですか…。
今作を聴いた自分の印象では、何とでも言える世界だからそれを利用して自分に都合のいい解釈を並べるのがまさに野田の作風という感じだが、
野田は「こんな歌歌っちゃう自分が嫌だ」と歌うどころか、そんな歌を自分に作らせる世の中が嫌だと主張してきた。そうなんだろうか…。
自分の内面を素直に詞にしていれば普通は一貫性が出てくるし、何とでも言える中でも自分の言いたい事、言うべきでない事を選ぶようになるのでは。
しかも「黙っててパパァ~ パパァ~」とかおちゃらけたフレーズを入れて、(笑)なムードで茶化す逃げ道まで用意している。
結果的には、野田の人間性が最もよく分かる曲となったか。
総評.★★
年齢の割に演奏が上手いが、それがあまりいい方向に転んでない印象のラッド5th。
初めて彼らのアルバムを聴いたが、技術的には武田のベースが核という印象。
武田はべーシストらしいべーシストで、音符の長さに気を配った、インストバンドの人みたいなカッチリした演奏が持ち味。
ドラムは何故かベースに比べ音量が小さいが、大抵の曲をそつなくこなしており、出過ぎない理性を持ち合わせてる印象。
リズム体については、メジャーデビュー前に首をすげ替えて補強した成果が出てるのでは。
ギターはリズムギター的なプレイを得意とするタイプではないが、メロディアスなプレイで野田の単調なメロディラインを彩っている。
野田については、まずボーカリストとしては、今の力量でファンに受け入れられている以上伸びしろは無いのでは、という印象。
野田にとっては実際に上手いかどうかより、聴く層が上手いと受け取ってくれるかどうかのほうが大事なのでは、という気がする。
作曲面ではテンポの良いメロディ音の配置が特徴的で、実際メロディレスなラップはしてないが何曲かラップもやってたような印象さえ受ける。
しかし詞を重視するあまり構成がくどくなりがちで、詞に興味を持てない人が演奏の魅力だけでラッドを聴くのはキツそう。
詞についてはパッと聴いた印象ではどれも野田視点で書かれているように感じるが、
幾つか重大なズレがあるので、多分複数の主人公がいるのだろう。
しかしそれが分かりにくいので、まるで野田が思ってもないことを口先だけで並べたせいでつじつまがあわなくなってしまっている
…かのような誤解を招き易くなっている。
しかも節々でおちゃらけを挟むので、別に本気じゃないし的な言い訳をあらかじめ用意して実態の直視を避けている …という言いがかりも付けられかねない。
その辺が笑い者覚悟のUVERあたりとの違いか。
自分の持っているメッセージを伝えるのが目的というより、色々なメッセージを持ってる奥が深い人だと周囲に思わせることが目的で、
詞が雰囲気だけで中身が無かろうがそれで上手いこと崇拝されるならそれで充分という考えの持ち主なのでは…と思われやすい節もあるかもしれない。
しかし野田に言わせればそれは誤解する人が悪いのではなく、何とでも言える、どうとでも取れる世の中が悪いだけのことだし、
どうしていいかも分からない事なので、仕方ないのだろう。
共感する人が多いというのは非常に納得できた。色んなところで言われている通り、聴き手を選ぶ一枚。
(★5個が満点。)