アルバム全曲レビュー * アーティスト名 : あーる・しー・さくせしょん。

Reviewer:18th. 245-247 名無しのエリー2008.06.29.

1.ラー・ラー・ラ・ラ・ラ ★★★
ロックバンドRCサクセションのイメージで聴くと、この曲でいきなり驚く。ど真ん中フォーク。仲間内で楽しく録ったような雰囲気が漂ってる曲。
ギターとそれに合わせた手拍子、ラーラーラララというコーラス、叙情的なメロディとハーモニカ全てが如何にも70年代のフォーク。
清志郎の歌声もどこか悲しげで、1曲目なのに何となく暗い気持ちになる
2.エミちゃんおめでとう ★★☆
これまたギターのアルベジオが吉田拓郎チックなフォークソング。メロディもどことなく拓郎っぽいような。しかしリズム隊は意外とタイト。
この曲はツインボーカルだが、清志郎が後のロック時代につながる力強い歌い方をしててちょっと浮いてる
3.忙しすぎだから ★★★★★
これは名曲。なんたってメロディが良い。ゆったりとしたアコースティックギター2本ハーモニカ、それに重なる悲しい歌声、全てが泣かせる。
歌詞もかなり退廃的で後ろ向き。この行き場のなさはどうしようと言うのか
4.あの娘の悪い噂 ★★
ファンクっぽいリズムにカントリーな音が乗ってる。清志郎も水を得た魚のように歌いちらす。キーボードもEL&Pみたいだったり
でもメロディもサウンドもどこかちぐはぐな感じが否めない。インパクトは結構あるけどね
5.9月になったのに ★★★★☆
ギターのカッティングとピアノが重々しいスローバラード。これもメロディが凄い良い。どことなく演歌調なメロディと清志郎の相性が抜群。
「9月になったにいいことなんかありゃしない 9月になったのに何もかわりゃしないのさ」とにかく暗い。あまりにも暗すぎる。
これが80年代以降ロックの王様と言われ、「愛し合ってるかい」とシャウトしていた清志郎の本当の姿なのかもしれない
6.ねむい ★★★
一転して軽いフォークソング。でも歌詞は暗い「僕はつかれてるのさ 僕はつけれてるのさ 僕に必要な眠りを眠らせてくれ」
清志郎のボーカルも囁くようで曲にぴったり、ここまでのデカダンスさを表現できるアーティストはなかなかいないんじゃないかな
7.もっとおちつていて ★★★★
メロディが歌謡曲ど真ん中、中村八大が作ったって言っても信じるかもしれない。歌詞も情景が豊かで歌謡曲的。演奏は非常に牧歌的。
6分以上あるこのアルバムの中ではかなり長い曲なんだが、長さを全く感じさせないのは流石と言ったところか
8.君もおいで ★★★☆
1分ちょっとの小曲。ストリングスだけの上に二人のボーカルとコーラスが乗るという、何だかビートルズを思い出させる構成と曲調。
「僕の周りにかわいそうな人が大勢集まった 君もおいで 君だけじゃないんだよ」こういう歌詞書けそうで書けない
9.去年の今頃 ★★★★
ギターの軽快なカッティングに乗せてファルセットで囁くように歌う軽快なフォークソング。途中で縦笛が入ったりしてて面白い。
最初は歌詞も明るい牧歌的な歌かと思ったんだが、
「まさか君忘れちゃいないだろう 去年のことさ 去年の今頃のことなんだよ」このフレーズでひっくり返る。
めちゃくちゃ後ろ向きで暗い曲
10.日隅くんの自転車の後ろにのりなよ ★★★
ルート弾きのベースラインが特徴的なゆったりとしたジャジーな小曲。聴いてると日隈くんがかわいそうになってくる
11.僕の自転車の後ろに乗りなよ ★★★☆
ゆったりとした歌い出しからだんだんと後半になるにつれヒートアップしていく、清志郎のボーカルの静から動への移り変わりは見事。
「僕は悪くない ちっとも悪くない」この叫びが心をうつ
総評.★★★★☆
今や伝説と化したバンドRCサクセションの2ndアルバム。某雑誌のロック名盤ランキングで1位を獲得してたので気になって聴いてみた。
RCというと『雨上がりの夜空に』のような、エッジの利いたギターとボーカルの特徴的な正統派ロックンロールバンドってイメージが強いかったが、
これを聴いてみてそれがまちがいだったことを知った。
このアルバムは後のイメージとは全く違うフォーク全開のゆったりとした曲が多く、
同時代で言うならはっぴいえんど何かの方が音は全然ロックっぽいかもしれない。ロックかロックじゃないかなんてどうでもいいことだけどね。
そしてこのアルバムは暗い、とにかく暗い。後ろ向きでどうしょもない歌詞だらけ。
でもそれが聴いてる側を引きずりこむのも事実。名盤に相応しいアルバムです。
(★:2点,☆:1点の計10点満点。)

Reviewer:18th. 302-303 名無しのエリー2008.07.09.

1.ファンからの贈り物 ★★
前作には無かった感じのノリの良いポップナンバー、ブラスの音がチープで凄い手作り感を感じるのが何とも言えない味になってる。
正直リズム隊が曲についてこれてない印象を受けてしまうのは残念。ただ途中で聖歌みたいなコーラスを入れたり構成は面白い
2.大きは春子ちゃん ★★★
しっとりとしたフォークナンバー。やっぱりこの頃のRCはこういう曲が合ってる、ゆったりとしたベースと軽やかなアコギが心地よい。
でも何か演歌のバックみたいなチープなストリングスが邪魔だったような。もっとしっとり聴きたかった。歌詞が面白い
3.やさしさ ★★★☆
展開が目まぐるしく動き回る面白い曲。ポップに始まるかと思ったら暗くなるし、サビは何かトんじゃってるみたいだし、少し実験的な作品。
2分半の中にいろいろ詰め込まれてて、一度聴いたら忘れられない。
「ずるい人だ君は ずるい ずるい 責任逃れ 君の荷物さそれは ぼくのじゃない ぼくに背負わせないで 誰もやさしくなんかない」
4.ぼくはぼくの為に ★★★
テンションの高い曲。ひたすら衝動で作ったような曲に、清志郎の叫びにも似たボーカルがベストマッチしている。でもちょっと地味だったり。
「バイバイ 君といたってしょうがない お別れにキスでもしようか 勘違いにまたがってそんなに気持ちいいのかい? ぼくは下りるよお先に」
孤独だなぁ
5.レコーディングマン ★★
レコーディングの風景を収めた一分ちょいの小曲、と思ってたけどこれちゃんとしたレコーディングじゃないよなぁ
6.夜の散歩をしないかね ★★★
ジャズバー顔負けのムーディなピアノのイントロが全くRCらしくないが、意外とこういうのも清志郎に合うもんだね。美メロバラード。
それこそバーをイメージしたのか、バックに女性のぼそぼそとした喋り声が入ってるのが結構エロチック
7.ヒッピーに捧ぐ ★★★☆
ヒッピーが誰を指してるのかわからないが、死別のことを歌った歌だと思う。あえて稚拙にしてあるコーラスが良い感じに響く。
これは結構重厚なアレンジが良い方に作用してる曲。最後の清志郎の嗚咽は胸を打たれるね
8.うわの空 ★★★☆
6をもっとフォーク調にした感じのムーディなフォークソング。
しっとりとしていて弾き語りならもっと冴えたと思うんだけど、アレンジが相変わらず合わない。
「きみは空を飛んでぼくの町にやってきて ぼくと今日まで暮らした だけどきみは空の上 ぼくの歌など聴くより きみは空を飛ぶのが大好きなんだ」
悲しい歌詞じゃないですか
9.冷たくした訳は ★★☆
さっぱりした曲。ポップでファンキーなリズムが良いノリなんだけど、何かいまいちちぐはぐな感じは否めない。
ギターはジミヘンみたいでカッコいいけど
10.甲州街道はもう秋なのさ ★★★★
しっとりとした演奏の上にビリーバンバンみたいな悲しいメロディと、清志郎独特の後ろ向きな歌詞が乗ってる歌。
やっぱりRCはこれくらいしっとりした方が良い、変なブラスとか入ってないのが良いね
11.スローバラード ★★★★★
出ました、邦楽史に残る名バラード。形容のしようがない名曲なんで是非聴いてみてくださいな。
歌詞もメロディも最高です
総評.★★★
RCサクセションの3rdシングル。名盤と名高いアルバムだが、個人的にはそこまで好きなアルバムではない。
上でレビューした2ndに比べてアレンジが過多になっていて、どう考えても無駄なブラスだったりストリングスだったりが多い。
この頃のRCはサウンドで聴かせるタイプではなく、メロディと歌詞で聴かせるバンドなのに、アレンジの所為でその良さが消えちゃってるような。
ただ最後の2曲が白眉、特にラストのスローバラードは必聴
(★:2点,☆:1点の計10点満点。)

Reviewer:18th. 381-382 名無しのエリー2008.07.18.

1.ロックン・ロール・ショー ★★★☆
ずんずんとした低音と、渋いギターリフ、清志郎のソウルフルな歌声が上手い具合にマッチするバリバリのブルース。
スタジオアルバムはいまいち弱いという前評判のRCだが、これを聴く限りそんなことは無く凄いまっとうにロックンロールしてる感じがする。
途中で入るマイケルシェンカーとかあの辺の影響を受けたようなバリバリのHRギターがカッコいい
2.Johny Blue ★★★☆
キーボードの音とギターのフワフワしたカッティングが、いかにも80年代といった感じのシティポップ。
それでもベースはゴリゴリの低音を響かせてる。
RCのポップセンスがふんだんに発揮された曲であり、曲全体に切なさが漂ってる。清志郎のボーカルも冴えまくり
3.多摩蘭坂 ★★★☆
初期の彼らを思い出すかのようなしっとりフォークソング。しかしギターが仲井戸だけあって洗練されており、雰囲気に初期の泥臭さは無い。
ゴージャスなアレンジにも耐えうるような曲を作れてるあたり、初期から進歩したのかもしれない。
歌詞がとても文学的、松本隆とは違った良さがある
4.ガ・ガ・ガ・ガ・ガ ★★★★
1と同じようなゴリゴリのHR。
ストーンズ張りの尖ったギターリフと軽快なピアノの音が上手いことマッチしてて、良い味を生み出している。
途中でブラスが入ったりするが、別に曲の雰囲気を壊すこと無くこれしかないといった感じのアレンジになってる。
清志郎のシャウトも絶品
5.まぼろし ★★★☆
サイケデリックな浮遊感漂う、フィッシュマンズなんかにも通じるところがありそうな曲。こういう曲もやれたのかと感心してしまう。
歌詞もすさまじい。
「ぼくの理解者は行ってしまった もうずいぶん前の忘れそうなことさ あとは誰もわかってはくれない
 ずいぶん長い間一人にされています 誰か友達を与えてください」
うーん、孤独だ。ラストの仲井戸の泣きのギターも秀逸
6.チャンスは今夜 ★★★★☆
これまたRCのイメージとは違ったロカビリーなナンバー。ここまでの軽い疾走感はそれまでのRCには無かったものではないだろうか。
曲の勢いに負けること無く楽器隊も思う存分演奏してる。こういうのは簡単そうでなかなかできない曲なんじゃないかな
7.よそ者 ★★★★
ブルースど真ん中、日本人でここまで黒いのは凄い。その一方で演歌チックな叙情性も持っていて、そのバランスが絶妙な曲。
歌詞も歌謡曲を意識したモノで「けむる港町」なんてフレーズはまさにその典型。それでもくさくならない作りは流石としか言いようがない。
ギターソロもゴリゴリの泣きギターで演歌っぽさを感じたり。しかしかっこいいんだなそれが
8.あの娘のレター ★★★★
ソウル。ベン・E・キングみたいな曲。牧歌的ながらもどこか反体制な匂いを感じるのは、RCがロックバンドたる所以か。
途中で「ポリ公」というフレーズに暈しが入ってるのも、どことなく時代を感じさせてくれる。
メロディーが良いね、とても聴きやすい曲
総評.★★★★☆
RCサクセションの6枚目のアルバム。ゴリゴリのロックアルバムであり、非常にソウルフルな作品となっている。
日本人でここまで黒人に近づけるのも中々素晴らしいとは思うが、一方で演歌チックな部分もあり、それが上手いこと琴線に触れる。
じゃがたらとかローザルクセンブルクみたいにもっとリズムを体現してるアーティストはいるだろうが、
彼らよりもRCが人気を得てる秘密はそこにあるのではないだろうか。
清志郎の歌詞も文学的なものからおちゃらけたものまで幅が広く、非常に面白い。RCロック期の名盤
(★:2点,☆:1点の計10点満点。)