Reviewer:21st. 298-301 名無しのエリー2009.04.17.
1.Intro ~Calm Inflection~ ★★★
エレクトロニカにストリングスの音色を絡め、サンプリングした英語の語りを乗せた導入曲。
delofamiliaの2ndに普通に入ってそうな心地良い曲。1分半ほどの短い曲だが、もっと長く聴きたかった。
導入として申し分ない出来。この時点では、もしやこれが今作1番の曲になるのでは、と予想していたが…
delofamiliaの2ndに普通に入ってそうな心地良い曲。1分半ほどの短い曲だが、もっと長く聴きたかった。
導入として申し分ない出来。この時点では、もしやこれが今作1番の曲になるのでは、と予想していたが…
2.Tears in the Sky ★★★★
ひふみかおり・佐々木潤夫妻がそれぞれ詞曲を担当した曲。作詞は高杉も共同名義。三連のリズムで絡ませる優美なストリングスが印象的。
高杉は棒歌いだが声質は綺麗で、ハープ等、美しい音色ばかりで固められた透明感のあるアレンジと相性が良い。メロディも丁寧。
高杉は棒歌いだが声質は綺麗で、ハープ等、美しい音色ばかりで固められた透明感のあるアレンジと相性が良い。メロディも丁寧。
3.青い花 ★★★★
もっと歌い方が棒になるが、それが一層声に透明感を与えている印象の曲。詞曲ともACOの提供。
メロディは盛り上げすぎたり長く引っ張りすぎたりしない平熱な感じ。アレンジもすっきりしていて心地良い。岡崎律子路線?
「私の知らないところへ行ってはダメ」という、母が子を諭すような詞を優しく歌うサビが印象的。
メロディは盛り上げすぎたり長く引っ張りすぎたりしない平熱な感じ。アレンジもすっきりしていて心地良い。岡崎律子路線?
「私の知らないところへ行ってはダメ」という、母が子を諭すような詞を優しく歌うサビが印象的。
4.月が見ている ★★★★
古内東子が詞曲を提供した、ピアノとストリングスメインのしっとりした曲。
ドラムレスだが表情の変化が豊かで、序盤でメインを預かるピアノが徐々にストリングスに出番を譲って両者が均衡するようなアレンジが秀逸で飽きがこない。
高杉の声は所々加藤いづみ風の子供っぽい感じになるが、アレンジは大人な雰囲気で、
それでいて詞世界は世代を限らない感じの普遍的な恋愛詞なので、結果的にあどけなさとアダルトさが共存した女性像を表現できてる気がする。
ドラムレスだが表情の変化が豊かで、序盤でメインを預かるピアノが徐々にストリングスに出番を譲って両者が均衡するようなアレンジが秀逸で飽きがこない。
高杉の声は所々加藤いづみ風の子供っぽい感じになるが、アレンジは大人な雰囲気で、
それでいて詞世界は世代を限らない感じの普遍的な恋愛詞なので、結果的にあどけなさとアダルトさが共存した女性像を表現できてる気がする。
5.夕街風 ★★★
SOFFetの手によるミドルテンポの普遍的な歌モノポップス。男性コーラスが意外と合っている。
しかしこの曲での高杉の歌い方は初期モー娘。みたいなわざとらしい癖がついていて、シンプルな楽曲とミスマッチな印象。
何故この手の歌手は「ように」を「よウォに」と歌うんだろう。
ただ、声量のない高杉にまったりポップスを提供したSOFFetの判断は正しいと思う。
悪く言えば高杉の歌唱力はアテにしておらず、最初から声を楽器的に組み込むつもりだったとも言えるが。
しかしこの曲での高杉の歌い方は初期モー娘。みたいなわざとらしい癖がついていて、シンプルな楽曲とミスマッチな印象。
何故この手の歌手は「ように」を「よウォに」と歌うんだろう。
ただ、声量のない高杉にまったりポップスを提供したSOFFetの判断は正しいと思う。
悪く言えば高杉の歌唱力はアテにしておらず、最初から声を楽器的に組み込むつもりだったとも言えるが。
6.しあわせドラマ ★★★
ぶっといリフを軸に、今作中では珍しくストリングス無しで仕上げたハーフタイムシャッフルの曲。それにしても良アレンジ揃い。
高杉の声量の都合か、今作は全般で歪んだギターがまるで登場せず、リズム体もシンプルなのだが、それでも飽きがこない。
使える音色がかなり制限されてるはずなのだが。メロディにしても、高杉に無理を強いる程のものは出てこないが、曲の印象が被らないのは凄い。
一方高杉の詞はいかにも普通の女の子といった感じで特徴がなく、コメントしにくい。
高杉の声量の都合か、今作は全般で歪んだギターがまるで登場せず、リズム体もシンプルなのだが、それでも飽きがこない。
使える音色がかなり制限されてるはずなのだが。メロディにしても、高杉に無理を強いる程のものは出てこないが、曲の印象が被らないのは凄い。
一方高杉の詞はいかにも普通の女の子といった感じで特徴がなく、コメントしにくい。
7.ありがとう ★★
葛谷葉子が作曲した、オルガンとアコギが優しいまったり曲。
葛谷は中島美嘉にも1曲書いてるらしいが、高杉の路線もまさに丁度そこかもしれない。欲張らない手堅い曲なのだが、母への感謝を綴った高杉の詞がミスマッチ。
単純にママ、ママ言い過ぎてるから抵抗がある、というのも勿論あるが、何より曲が洗練されてるので日本のお母さんへの感謝の歌という感じが全くしない。
東京出身だし、実際こんな曲がぴったりハマるような都会のセレブ親子だったのかもしれないが。
葛谷は中島美嘉にも1曲書いてるらしいが、高杉の路線もまさに丁度そこかもしれない。欲張らない手堅い曲なのだが、母への感謝を綴った高杉の詞がミスマッチ。
単純にママ、ママ言い過ぎてるから抵抗がある、というのも勿論あるが、何より曲が洗練されてるので日本のお母さんへの感謝の歌という感じが全くしない。
東京出身だし、実際こんな曲がぴったりハマるような都会のセレブ親子だったのかもしれないが。
8.X day ★★★★
レンジのリミックス等にも参加していたCUBE JUICEによる奔放な曲。
今作中で最もリズムもメロディもつかみ所がない。そして今作中で最もシンガー高杉さと美を引き立てる気のない曲。
CUBE JUICEの曲に高杉がゲスト参加したような、主役逆転の扱い。
しかし高杉の、言葉は綺麗なんだけど意味はあるんだか無いんだか分からない詞は曲に意外と合ってる気が。
なんか悲しみを一つ一つ拾い集めて壁に飾りましょうとか言ってる部分がエグロマンチック。
自分を振った男との思い出の写真を壁にびっしり貼るようなイメージだろうか。
今作中で最もリズムもメロディもつかみ所がない。そして今作中で最もシンガー高杉さと美を引き立てる気のない曲。
CUBE JUICEの曲に高杉がゲスト参加したような、主役逆転の扱い。
しかし高杉の、言葉は綺麗なんだけど意味はあるんだか無いんだか分からない詞は曲に意外と合ってる気が。
なんか悲しみを一つ一つ拾い集めて壁に飾りましょうとか言ってる部分がエグロマンチック。
自分を振った男との思い出の写真を壁にびっしり貼るようなイメージだろうか。
9.魔法の鍵 ~Dream Goes On~ ★★★
石井竜也とのデュエットで、なんかディズニーリゾートのアニバーサリーソングに使われたらしい曲。
元々あった曲の日本語カバーなのか、書き下ろしなのかは知らないが。
今作中で最も歌モノらしいダイナミックなメロディ展開の曲で、高杉の歌唱力不足が露骨だが、石井がちゃんとしてるので普通に聴ける。
なぜ急に高杉に不向きな曲を歌わせたのか疑問だったが、そもそも彼女が音楽に興味を持つきっかけがディズニー音楽だったらしいので、
本人が「ディズニーの曲歌いた~~い!!」と駄々こねたのではという気がする。
元々あった曲の日本語カバーなのか、書き下ろしなのかは知らないが。
今作中で最も歌モノらしいダイナミックなメロディ展開の曲で、高杉の歌唱力不足が露骨だが、石井がちゃんとしてるので普通に聴ける。
なぜ急に高杉に不向きな曲を歌わせたのか疑問だったが、そもそも彼女が音楽に興味を持つきっかけがディズニー音楽だったらしいので、
本人が「ディズニーの曲歌いた~~い!!」と駄々こねたのではという気がする。
10.Part Of Your World ★★★
そしてこれが現物。高杉が感銘を受けたというリトルマーメイドのテーマ曲のカバー。もうわがまま放題。
原曲を聴いたらかなり複雑で難しそうだったが、これはかなりポップス然とした簡略な編曲をしている。ていうか違う曲。序盤を大胆にカットしている。
個人的には何の思い入れもない曲なので気にならないが、
本人的には大好きな曲のはずなのに、これだけ難所を省いたぬるいアレンジで歌ってよかったんだろうか。
原曲を聴いたらかなり複雑で難しそうだったが、これはかなりポップス然とした簡略な編曲をしている。ていうか違う曲。序盤を大胆にカットしている。
個人的には何の思い入れもない曲なので気にならないが、
本人的には大好きな曲のはずなのに、これだけ難所を省いたぬるいアレンジで歌ってよかったんだろうか。
11.雨音 ★★★★★
楽曲とアレンジに恵まれた今作中でも特に印象に残った、ラウンドテーブルみたいな3拍子の曲。
コードの流れも綺麗だし、メロディもどこを取り上げても綺麗でそつが無い。
奇をてらった要素もない王道の曲だが、聴き飽きない密度の濃い曲。と思ったら作曲は高杉単体名義。そうですか…。
経歴的にはいつそんなに音楽にのめり込んだんだろうという感じだが。
若槻千夏と一緒のユニットでGTイメージガールやってて、それが終わってから歌手を目指してボイトレを始めたとwikiにはあったが。
うん…素晴らしい才能だ。だいたいaikoくらいの作曲能力があると思う。もっとシンガーソングライターをアピールした方がいい。
コードの流れも綺麗だし、メロディもどこを取り上げても綺麗でそつが無い。
奇をてらった要素もない王道の曲だが、聴き飽きない密度の濃い曲。と思ったら作曲は高杉単体名義。そうですか…。
経歴的にはいつそんなに音楽にのめり込んだんだろうという感じだが。
若槻千夏と一緒のユニットでGTイメージガールやってて、それが終わってから歌手を目指してボイトレを始めたとwikiにはあったが。
うん…素晴らしい才能だ。だいたいaikoくらいの作曲能力があると思う。もっとシンガーソングライターをアピールした方がいい。
12.Outro ~World od Prism ★★
ゆったりしたストリングスに土臭いパーカッションを加え、英語の台詞を乗せた締めの小品。やはり綺麗な出来栄え。
13.旅人 ~Travel Light Mix~ ★★
ボーナストラック。一応ヒットした西遊記テーマ曲のリミックス。
どちらかというとクサいメロディの曲だし、詞が熱めなので、歌唱力の頼りなさが浮き彫りになっている。今作中ではかなり浮いた存在の曲。
やはり高杉は曲やアレンジに守られないと何にもできない印象。
多分売るための策だったのだろうが、結果このアルバムはオリコン初登場80位くらいだったらしい。
どちらかというとクサいメロディの曲だし、詞が熱めなので、歌唱力の頼りなさが浮き彫りになっている。今作中ではかなり浮いた存在の曲。
やはり高杉は曲やアレンジに守られないと何にもできない印象。
多分売るための策だったのだろうが、結果このアルバムはオリコン初登場80位くらいだったらしい。
総評.★★★★
耳に優しい透き通った曲が並んだ印象の、高杉さと美の2nd。
本人に歌の実力は無いが、それを見越した上で今の本人の能力に合わせる形で曲やアレンジを仕上げ、
高杉をいっぱしのシンガーのように仕立て上げたスタッフの仕事ぶりが見事。
高杉の能力が能力なので、かなり制約がある中での仕事を強いられていたものと思われるが、
それでも粒揃いの良曲を用意し、聞き易さも損なっていない。見事。
そしてどう考えても素人のまぐれレベルでない曲を作った高杉も見事。のはず。
熱く歌い上げる曲がほぼ無く、声の透明さを売りにしているため、全体の印象としては、坂本真綾などの、作家に恵まれた声優シンガーの作品に近い。
聴く前の予想に反してしっかり作られた作品。avexもGNDよりこれ推したほうが…。
そして特異な点として、作品はすごく透明感があるが、本人の歌手デビューまでの経緯が全くもって不透明という点がある。
声が綺麗といっても歌唱力を考えたらプロデビューさせるレベルではないし、その声にしてもどこまで作られてるか分かったもんじゃない。
タレントや女優で当てた後の副業歌手でもない。あるのはルックスだけ。
そんな不透明な背景を持つ彼女が歌う澄んだ歌は、もう手遅れなほど濁ってしまった自分自身を、
表面だけでも澄んで見せようとしているような悲しさを感じさせる。しかも売れてないのがまた悲しい。絶妙にやるせない一枚。
曲がよければ歌は気にならない人向け。
本人に歌の実力は無いが、それを見越した上で今の本人の能力に合わせる形で曲やアレンジを仕上げ、
高杉をいっぱしのシンガーのように仕立て上げたスタッフの仕事ぶりが見事。
高杉の能力が能力なので、かなり制約がある中での仕事を強いられていたものと思われるが、
それでも粒揃いの良曲を用意し、聞き易さも損なっていない。見事。
そしてどう考えても素人のまぐれレベルでない曲を作った高杉も見事。のはず。
熱く歌い上げる曲がほぼ無く、声の透明さを売りにしているため、全体の印象としては、坂本真綾などの、作家に恵まれた声優シンガーの作品に近い。
聴く前の予想に反してしっかり作られた作品。avexもGNDよりこれ推したほうが…。
そして特異な点として、作品はすごく透明感があるが、本人の歌手デビューまでの経緯が全くもって不透明という点がある。
声が綺麗といっても歌唱力を考えたらプロデビューさせるレベルではないし、その声にしてもどこまで作られてるか分かったもんじゃない。
タレントや女優で当てた後の副業歌手でもない。あるのはルックスだけ。
そんな不透明な背景を持つ彼女が歌う澄んだ歌は、もう手遅れなほど濁ってしまった自分自身を、
表面だけでも澄んで見せようとしているような悲しさを感じさせる。しかも売れてないのがまた悲しい。絶妙にやるせない一枚。
曲がよければ歌は気にならない人向け。
(★5個が満点。)