アルバム全曲レビュー * アーティスト名 : さおり・あっと・でぃすてぃにー。

Reviewer:22nd. 560-562 名無しのエリー2009.12.11.

1.WOW WAR TECHNO ★★★★★
いきなり凄いものを聴かされた。
90年代初頭のアイドルソングのようなイントロに油断していたら、急にサウンドがバグるのでびびる。
その後もさまざまなサンプリングボイスやSaoriの柔らかい声のサンプリングとかが次々と飛び出してきたり、恐ろしくケバいシンセが鳴り始めたり。
しかもサビらしいサビが存在しないとは。狂ってる。
次から次へと絵の具を混ぜていったような感じの悪ふざけなテンションだが、ここまでくると逆に凄い。かなり趣味は悪いが。
でも当然ながらかなり印象に残る、っていう。
2.ブリーズ・ブリーズ・ブリージング ★★★☆
洗剤のCMソングのようなメロディー。
今度はスーファミ風のシンセが印象的なアレンジだが、どちらにせよ90年代回帰である。
3.EZ DO DANCE ★★★★
いわずと知れたtrf(現TRF)の名曲のカバー。
小室なら絶対使わないようなケバケバしいシンセによって原曲以上にレイヴ感を醸し出している。
さらにBメロでは妙なブレイクビーツが挿入されたりと、とにかくアレンジがすばらしい。
ただせっかくなら、サビで「ポゥ!」の掛け声のサンプリングがほしかった。
4. ロスト ★★☆
無機質なメロディー&ヴォーカルだが、前曲同様のサウンドのせいか否応なしにテンションが上がる。
「ポゥ!」の掛け声も。
5. スパイラル ★★★
さわやかなメロディーラインの曲。若干レイヴ色が薄れ、聴き易いエレクトロ風味なサウンドだ。
6. 弱虫ハート ★★★★
けだるい感じのメロディーラインとそれを歌うエフェクトヴォイスが妙に切ないムードを生み出すバラード。
それにしても恋愛系の歌詞にしては、中々レベルが高い気が。
7. ステンレス・スターライト ★★★★☆
月刊プロポーラーによる提供曲なため、ややアレンジのベクトルが変わる。
ベースが印象的な独特のブレイクビーツと蛍光色を感じるシンセが印象的なアレンジで、かなり印象に残る。
ジャケットのスーパーカーで疾走してるイメージを最も感じたのは個人的にこの曲だった。
8. ブリーズ・ブリーズ・ブリージング(spring breeze rmx) ★★★☆
2曲目のリミックス。テンポを落としてワールドミュージック的なグルーヴで聴かせる。
そういえばtrfにも『WORLD GROOVE』なんて曲があったっけ。
総評.★★★☆
Terukado率いるD-topia所属で、“エレクトロの遺伝子組み替え、進化系ハイ・エナジー・ダンス・ミュージック”を掲げるSaori@destinyのミニアルバム。
同じD-topiaのAira Mitsukiが次々音楽性を広げ確固たる個性を確立したのに対し、
Saoriの1stアルバムは手探り感が強く他のPerfumeフォロワ-(とされてる人たち)との差別が難しかった。
しかし今回はなんとレイヴを中心とした90年代回帰を打ち出してきた。そういえば1st収録の『Shangri-La(電グルのカバー)』もこの路線だったっけ。
海外に限らず日本でもTommy february6以降は80年代回帰アーティストが大量に現れたが、90年代回帰を打ち出したのはこの人が初なのでは。
(まさかエイベックスアーティスト以外で『EZ DO DANCE』を堂々とカバーなんて・・・まぁ日本のメタルバンドBLOOD STAIN CHILDもカバーしてたけど。)
でもよく考えればこの作品のリリースは2009年=ゼロ年代の最後の年だ。とすると次のディケイドでは90年代回帰の流れが始まる可能性は十分にありうる。
もしそうならばこの作品がそのスタンダートになったりするのだろうか? そういう意味では今後の音楽シーンの鍵を握りうる大注目盤かも。
(そういえばGIRL NEXT DOORも90年代回帰だな。あっちは初期ELT路線だが。)
あと、ミニアルバムなのは大正解。正直こんなのフルで聴かされたら耳が狂う。
とにかく妙なビジュアルとプロモーションゆえにとっつきにくいけど、勇気を出して聴いてみたら結構楽しめるのでは。
それにしてもこの趣味の悪いプロデューサーTerukado氏、その正体は・・・と思って調べてみたらTerukado…てるかど…輝門…。
ということでその正体はかつてXLでデビューし愛内里奈等に楽曲を提供していたGIZA作家だったことがわかった。
正直両者の曲のイメージが結びつかないなーとか思ってたら、Saoriにはプロデュースのみで曲は書いていない模様。
(★:2点,☆:1点の計10点満点。)