Reviewer:22nd. 485-488 名無しのエリー2009.12.04.
1.Olive ★★★
波打ちの音を導入に、女性による詩の朗読をフィーチャーしたダーク・アンビエント。
途中ノイズが唸りを上げつつも、あくまで淡々と進行する。
アルバム導入のインストが5分越えというところにこの作品の性格が出ているように思う。
ちなみにこの曲、藤井の当時の奥さんだった濱田マリに捧げられたものだそうだ。……なんつー捧げものだw
途中ノイズが唸りを上げつつも、あくまで淡々と進行する。
アルバム導入のインストが5分越えというところにこの作品の性格が出ているように思う。
ちなみにこの曲、藤井の当時の奥さんだった濱田マリに捧げられたものだそうだ。……なんつー捧げものだw
2.The Hero Inside ★★★★
琴の音に導かれて流れるシンセのオリエンタルなメロディが秀逸な一曲。ただしヴォーカル・メロディはないに等しいが。
今井のAメロとレイモンドのBメロの掛け合いみたいな構成だが、なんとサビなし。
だが、突如ヘヴィなキックが入ったり、音がスッと引いてシンセと女性チャントが絡んだり、飽きさせない。
今井のAメロとレイモンドのBメロの掛け合いみたいな構成だが、なんとサビなし。
だが、突如ヘヴィなキックが入ったり、音がスッと引いてシンセと女性チャントが絡んだり、飽きさせない。
3.Thrsty Fly ★★★
長めのドラムロールから、一気にヘヴィなインダストリアル・メタルに突入。
ミドルテンポでヘヴィに打ち込まれるビートと唸りを上げるディストーション・ギターがカッコいい。
かと思えば、中間部ではビッグバンド的なホーン・セクションが派手に曲を彩る。
ここらへんは流石レイモンド・ワッツだが、「PIGでやれ」というのも正直なところ。
ミドルテンポでヘヴィに打ち込まれるビートと唸りを上げるディストーション・ギターがカッコいい。
かと思えば、中間部ではビッグバンド的なホーン・セクションが派手に曲を彩る。
ここらへんは流石レイモンド・ワッツだが、「PIGでやれ」というのも正直なところ。
4.SKF 10047 ★★★☆
4曲目にして早くも2曲目のインストである。ループするダイナミックな打ち込みにシンセノイズやら金属音やらが絡む。
シンセはダークなメロディを奏でるが、あくまで添え物。リズムが主食。硬質で冷たい音を気持ちいいと思える人ならかなりはまるのでは。
シンセはダークなメロディを奏でるが、あくまで添え物。リズムが主食。硬質で冷たい音を気持ちいいと思える人ならかなりはまるのでは。
5.Nothing ★★★★
明確なリズムのないパルスのようなビートから入り、低く抑えたように進んでいく。
曲が進むにつれて徐々に音が厚くなっていき、頂点ではノイズとドラムビートが渾然一体となったカオスに。
しかしそういったサウンド的なことよりも、レイモンド・ワッツのヴォーカルが圧倒的。
獣性を抑えた声から咆哮まで、およそ血生臭い表現なら世界でも有数だろう。
曲が進むにつれて徐々に音が厚くなっていき、頂点ではノイズとドラムビートが渾然一体となったカオスに。
しかしそういったサウンド的なことよりも、レイモンド・ワッツのヴォーカルが圧倒的。
獣性を抑えた声から咆哮まで、およそ血生臭い表現なら世界でも有数だろう。
6.Slice ★★★★★
血生臭い曲が続きます。冷徹なダーク・アンビエントと破壊的なインダストリアル・メタルを見事につなげた名曲。
静と動の対比という点では前曲と同じだが、この曲はよりオーケストレーションを強調した仕上がりで、
ホラー映画のサントラのごとく、不安感を煽りまくり。
レイモンドのヴォーカルも絶好調。こう言っちゃ悪いが、櫻井や遠藤ではこのサウンドにここまで嵌らないだろう。
個人的にはアルバム中で一番好き。
静と動の対比という点では前曲と同じだが、この曲はよりオーケストレーションを強調した仕上がりで、
ホラー映画のサントラのごとく、不安感を煽りまくり。
レイモンドのヴォーカルも絶好調。こう言っちゃ悪いが、櫻井や遠藤ではこのサウンドにここまで嵌らないだろう。
個人的にはアルバム中で一番好き。
7.Broken English ★★★★☆
マリアンヌ・フェイスフルのカバー。
最近、OVA版『HELLSING』のトレーラーに使われたので、この曲は知ってるというアニメファンもいるのではないか。
ヒトラーの演説をフィーチャーした硬質なインダストリアル・サウンドと、大島ミチルによる管弦楽が一体となって、不謹慎に盛り上がる。
アレンジがとにかく嵌り過ぎてて怖い。女性ヴォーカルも怖さを助長するばかり。心はすっかり第2次世界大戦。
最近、OVA版『HELLSING』のトレーラーに使われたので、この曲は知ってるというアニメファンもいるのではないか。
ヒトラーの演説をフィーチャーした硬質なインダストリアル・サウンドと、大島ミチルによる管弦楽が一体となって、不謹慎に盛り上がる。
アレンジがとにかく嵌り過ぎてて怖い。女性ヴォーカルも怖さを助長するばかり。心はすっかり第2次世界大戦。
8.Merry Christmas On Mars ★★★
インスト3曲目。アルバム中のインストの中では一番アブストラクト。
ベースラインを強調しつつ、全体的に抑えた仕上がり。ガムランのような音も入り、タイトルどおり浮世離れした感覚が支配的。
リズムが芸コマ。
ベースラインを強調しつつ、全体的に抑えた仕上がり。ガムランのような音も入り、タイトルどおり浮世離れした感覚が支配的。
リズムが芸コマ。
9.Information ★★☆
ヒップホップかよ!! 何でもありだな。本作唯一の陽性の曲。ただし低体温。
音がカッチリしていて、ちょっと薄口に感じる。ラップもイントネーションのはっきりした白人ラップで、全体的に硬い。箸休めかな。
音がカッチリしていて、ちょっと薄口に感じる。ラップもイントネーションのはっきりした白人ラップで、全体的に硬い。箸休めかな。
10.Visual Cortex ★★★
泡立つようなシンセ・ノイズの海を女性ヴォーカルがたゆたう美しい曲。
民族音楽的な節回しに加え、パーカッションとエスニックなシンセ・メロディが異郷感を嫌が上にも喚起する。
ただ、8分間さしたる展開はないので退屈な人は退屈かも。
音そのものに酔うための曲。
民族音楽的な節回しに加え、パーカッションとエスニックなシンセ・メロディが異郷感を嫌が上にも喚起する。
ただ、8分間さしたる展開はないので退屈な人は退屈かも。
音そのものに酔うための曲。
11.Fetid Air ★★
「スパイ大作戦」のテーマ曲をモチーフにした一曲。
「あの」フレーズが最後まで大暴れした挙句、大仰なアウトロになだれ込み爆発して終わるという派手っぷり。
オーケストラによるハッタリが効いていてかなりカッコいいんだが、こういうのはPIGでやってくれないかな、レイモンド。
「あの」フレーズが最後まで大暴れした挙句、大仰なアウトロになだれ込み爆発して終わるという派手っぷり。
オーケストラによるハッタリが効いていてかなりカッコいいんだが、こういうのはPIGでやってくれないかな、レイモンド。
12.Arvor Vitate ★★★★
アルバム唯一のスピードナンバーがこの位置に登場。
女性コーラスのサンプリングと思しき声でおどろおどろしさを演出しつつ、ノイズをまとわり付かせて疾走する王道インダストリアル・メタル。
MINISTRYをよりホラーちっくに仕上げたといえばわかってもらえるか。
そうミニマルな曲ではないのに繰り返しが多いというのはマイナス。でも良い。
女性コーラスのサンプリングと思しき声でおどろおどろしさを演出しつつ、ノイズをまとわり付かせて疾走する王道インダストリアル・メタル。
MINISTRYをよりホラーちっくに仕上げたといえばわかってもらえるか。
そうミニマルな曲ではないのに繰り返しが多いというのはマイナス。でも良い。
13.Cold Light ★★★☆
ラストナンバーが一番地味ってどうよ。ミドルテンポのインダストリアル・ロックで、骨格が一番バンドしてる。
アルバムの中では音数が少なめで、曲構成も掴みやすく、最初は肩透かしにあった気分だった。
でも慣れると、この隙間のある音が美味しく感じてくる。皮肉っぽいメロディに良く合ってるんだわ。
"Surrender!"と連呼しながら、あまり派手に盛り上がることなくザラッとした感覚を残したまま終わるというのもこの作品にはふさわしいと思える。
アルバムの中では音数が少なめで、曲構成も掴みやすく、最初は肩透かしにあった気分だった。
でも慣れると、この隙間のある音が美味しく感じてくる。皮肉っぽいメロディに良く合ってるんだわ。
"Surrender!"と連呼しながら、あまり派手に盛り上がることなくザラッとした感覚を残したまま終わるというのもこの作品にはふさわしいと思える。
総評.★★★☆
BUCK-TICKの今井寿と、SOFT BALLETの藤井麻輝によるインダストリアル・ユニット、SCHAFTの唯一のオリジナル・アルバム。
お互い、自分のバンドでやり切れていなかった趣味的なサウンドを思う存分展開したような作品で、どの曲もアイデアに溢れたクオリティの高いものばかり。
メジャーで一線を張るアーティストがここまで実験的な作品を作るということは中々ないだろう。
ただ、やりたいことをやったのはいいが全体的にとっちらかったような印象で、なおかつ収録時間も約78分と長く、
アルバムの完成度としては疑問符が付くというのも事実。
UKのインダストリアル・アーティスト、レイモンド・ワッツ(PIG)が「第3のメンバー」的な活躍を見せているが、実際彼の貢献度は高い。
ドスの効いたケモノ声の存在感は異常。
怜悧で、皮肉っぽく、媚びなどまるで売っていないが、嵌ればそこから新しい世界が広がっていくだろう。
…………廃盤だけどな。納得いかん。
お互い、自分のバンドでやり切れていなかった趣味的なサウンドを思う存分展開したような作品で、どの曲もアイデアに溢れたクオリティの高いものばかり。
メジャーで一線を張るアーティストがここまで実験的な作品を作るということは中々ないだろう。
ただ、やりたいことをやったのはいいが全体的にとっちらかったような印象で、なおかつ収録時間も約78分と長く、
アルバムの完成度としては疑問符が付くというのも事実。
UKのインダストリアル・アーティスト、レイモンド・ワッツ(PIG)が「第3のメンバー」的な活躍を見せているが、実際彼の貢献度は高い。
ドスの効いたケモノ声の存在感は異常。
怜悧で、皮肉っぽく、媚びなどまるで売っていないが、嵌ればそこから新しい世界が広がっていくだろう。
…………廃盤だけどな。納得いかん。
(★:2点,☆:1点の計10点満点。)