アルバム全曲レビュー * アーティスト名 : いしいたつや。

Reviewer:18th. 389-391 名無しのエリー2008.07.20.

1.安心しろよ ★★☆
ソロ一作目の一曲目はドラマの主題歌にもなったミドルポップ。ゆったりと始まる感じ。
この曲の時点で米米でのカールスモーキー石井を期待してた人は裏切られると思う。180度違う世界観。
それは、ホーンをメインにしていて煌びやかな世界を見せてた米米とは違いシンプルな演奏陣でストリングスを主体にした音作りの影響もあるのだが、
やはり石井さん自身が意地でも米米とは違うことやろうという精神がこういう曲を作らせたのかも。
まぁ、1曲目にしては地味といえば地味でいかにもドラマの主題歌という感じ。
2.WHITE MOON IN THE BLUE SKY ★★★
初のソロシングル曲のアルバムVer。
シングルVerは電子音を中心にして架空の魔法世界ってな感じで綺麗なアレンジだったが、
こちらはホーン隊もいれて黒っぽい感じにして若干身近な感じにしたアレンジ。Aメロ、Bメロで貯めてサビで開放する感じが良い。
石井さんの歌唱も伸びやかとしていて非常に気持ちいい。近年みたいに無駄に力こめてる感じもなく素直に歌ってる感じ。
3.蒼い朝 ★★★
前2曲に比べてテンポも落として使用している楽器も少なくして歌詞もエロティックに…。
非常に密室的な空気がさらに興奮させる。アルバムタイトルの通り[H]です。
しかし、それを下品に歌うのでなく、上品に歌えてしまうのは石井さんの声質から来るのかどうか…
米米ではネタとして取り扱われそうな部分を真剣に歌った感じ。こぶしの使い方にどこか70年代歌謡曲風な所もある。
曲名もどこか歌謡曲の曲名でありそう…。
4.抱いて ★★★
サビの歌詞が「抱いて…抱きしめて…その体を弓なりにしならせて…汗まみれの口づけ」とかなり恥ずかしいのだが、
下品な感じもなく素直に流れているから不思議。こちらも前曲同様密室的な音造りでため息がエロい。
曲間に入ってくるハープとオルガンの音色がさらにエロティックな空気を醸し出している。
5.リズム ★★★
さすがにエロ世界2曲も続くときついのでアッサリ風味のポップソングがここで入ってくる。シングル曲のアルバムVer。
軽やかなドラムの音とアコースティックギターの音色がいい感じで気持ち心軽やかになっていく…。
これにピアノの美しい音色、サックス、石井さんの声がうまく融合して佳作となっている。
ただ、すこし優等生すぎる感じも…。素直すぎるのか等身大すぎるのか…?
6.記憶の街 ★★★
前曲にファンクの要素をすこし混ぜた感じ。このアルバムの中でかなりはじけてる部類に入る曲。
前向きな歌詞とサビの入り方が綺麗な所が印象的である。
踊れる曲だが、アルバムの空気感を壊さないように上手く流れにあっていて親しみやすい曲調。なんとなく次回作のディスコ風味の流れも感じる。
7.光 ★★★☆
ここからはこのアルバムでも核のほうに入ってきて米米では聞くことがなかっただろう石井竜也の世界に触れることができる。
原始的なパーカッションとベース、ピアノの音色で荒廃とした空気感を出してAメロ、Bメロが進み、
サビではその寂しい世界観を受け継ぎつつも解放された空気を出してなかなかいい。1番、2番、3番とどんどんと盛り上がっていく構成もなかなか。
石井さんの描く架空世界な歌詞も歌い方も曲にあっていてさらに盛り上がる。中盤のハイライト。
8.天使の標的 ★★
静かな電子打ち込み音で淡々と進む石井竜也の曲の中でも珍しい部類に入る曲。
グルーヴ感は感じるのだが曲の出来はいまいちな感じがする…。静かすぎるところもあるし。
9.歩いていこう ★★☆
バンドサウンドをメインにしたポップナンバー。2,6曲目とこのアルバムの中では踊れる部類の曲。
しかし、素直なバンドサウンドに石井さんの声が絡むという曲もこの当時では結構珍しかったので新鮮な感じを受ける。
ギターソロもあるし…これが普通なんだろうけどなんか珍しい感じを受ける。
10.恋よ来い ★★
若干ソーリー系も入ってるような70年代歌謡曲+ファンクサウンドを混ぜたような黒っぽい曲。
しかし、アルバムの空気には合ってないような印象は受ける。
11.想い ★★★☆
良い曲と素直に言える名バラード。
ここでストリングスを爆発させるのか?と思わせといてじりじりと盛り上げさせて、サビでストリングス炸裂てな感じでアレンジが非常にうまいです。
コード展開はありきたりな感じなのだがこれはアレンジの成功とも言える。
石井さんの気取ってもなく素直な歌詞もなかなかでこの曲を更にドラマテッィクにしている。
映画のEDに流れたらよさそうな壮大な世界観、それに負けない音色と歌声がうまく融合していて良いです。
そして、最後はここまで盛り上げておいて静かに終わる所がさらに良い。こうしてしっとりとアルバムの幕が閉じる…。
総評.★★★
米米クラブ解散後、カールスモーキー石井から石井竜也に名前を変更してソロデビューした本作。
飾った雰囲気の米米時代とは打って変わって素直に感情を出して、なおかつ応援するような前向きな空気もあり、
あえて、米米という要素を一切排除したような作品となっている。
なので、米米のような空気を求めている人には若干、物足りない所があるかもしれないが、この綺麗な空気感は普通の人が聞いたらちょっと感動するかも。
確かに、展開の仕方も同じような感じで悪い所もあるけれどもソロデビュー作にしてはなかなかの秀作だと思う。
最近の石井さんはこの時と同じような世界観のアルバムを出してはいるのだがいまいちな感じで…。
最近みたいに無理矢理綺麗事を並べてるのでなく、応援歌もちょくちょく入ってるので疲れている人にはお勧めです。
ブックオフで250円で結構たたき売り状態なので、興味があれば是非聞いてみてください。
(★:2点,☆:1点の計10点満点。)