Reviewer:22nd. 234-236 名無しのエリー2009.10.03.
1.674 ★★★★★
「茜の空がまるでお部屋を血に染めるのよ」
奥田民生のソロデビュー・アルバムは、そんなフレーズで幕を開ける。
アコギのみでのんびりと歌われるのは、夕刻にひとり部屋でたたずむダメ男の姿。
ユーモラスに描かれるだらしない生活の背後には、やるせなさと明日への恐怖が透けて見える。
何もしないうちに、今日も一日が終わってしまう…いっそすべてを諦めてしまえたら。
己を知ることで674(虚し)さを知ってしまった674(ロクデナシ)。
奥田民生のソロデビュー・アルバムは、そんなフレーズで幕を開ける。
アコギのみでのんびりと歌われるのは、夕刻にひとり部屋でたたずむダメ男の姿。
ユーモラスに描かれるだらしない生活の背後には、やるせなさと明日への恐怖が透けて見える。
何もしないうちに、今日も一日が終わってしまう…いっそすべてを諦めてしまえたら。
己を知ることで674(虚し)さを知ってしまった674(ロクデナシ)。
2.ルート2 ★★★
民生お得意のカー・ソング。後に編集盤『CAR SONGS OF THE YEAR』にも収録された。
車をモチーフにした曲は、恋人のメタファーだったり、バンド間の一体感を歌ってたりしてなかなか奥が深いものが多いのだが、この曲も例外ではない…か?
車をモチーフにした曲は、恋人のメタファーだったり、バンド間の一体感を歌ってたりしてなかなか奥が深いものが多いのだが、この曲も例外ではない…か?
3.ハネムーン ★★★★
ストーカーの心情を綴った危ないラヴ・ソング。時代を先取りしていたといえるか。
「あなたが憎くて/欲しくてたまらない」「あなたをこの手で殺したい/犯したい」
シンプルかつ怖い歌詞と淡々とした語り口は、ユニコーン時代の「エレジー」(宮崎努を思わせる曲)にも似ている。
月に吠えるようなギターが胸を掻きむしる。
「あなたが憎くて/欲しくてたまらない」「あなたをこの手で殺したい/犯したい」
シンプルかつ怖い歌詞と淡々とした語り口は、ユニコーン時代の「エレジー」(宮崎努を思わせる曲)にも似ている。
月に吠えるようなギターが胸を掻きむしる。
4.息子 ★★★★★
当時、社会問題になっていた「いじめ」を受け、民生はいじめられっ子の親が子供に向ける視点で、この名曲を産み落とした。
この世からいじめはなくならない。だけど世の中捨てたもんでもない。あからさまな表現こそ避けられているが、「死ぬなよ」というメッセージだ。
照れ隠しなし。ここまで真剣な曲も珍しい。歌い方はなんだか吉田拓郎っぽい。
この世からいじめはなくならない。だけど世の中捨てたもんでもない。あからさまな表現こそ避けられているが、「死ぬなよ」というメッセージだ。
照れ隠しなし。ここまで真剣な曲も珍しい。歌い方はなんだか吉田拓郎っぽい。
5.これは歌だ ★★
歌についての歌。意味がなくても、歌っているからそれは歌だ。という民生の歌に対する実存主義的な姿勢を歌った歌。
まあ、本人にしてみれば深い意味はないのかも知れない。意味がなくても、歌は歌なのだから。
楽曲自体は魅力にやや欠けるが、バックバンドのアレンジにかなり助けられたか。
まあ、本人にしてみれば深い意味はないのかも知れない。意味がなくても、歌は歌なのだから。
楽曲自体は魅力にやや欠けるが、バックバンドのアレンジにかなり助けられたか。
6.女になりたい ★★
男から女に性転換した旧友にひさしぶりに会った、という歌。
普段と声色の違う歌い方がなかなか面白い。結末が気になる人は多いと思う。
普段と声色の違う歌い方がなかなか面白い。結末が気になる人は多いと思う。
7.愛する人よ ★★★★
淡い失恋を綴った佳作。メロディーの控えめな抑揚が見事。
何気ない日常を歌いながらサビでふと彼女を思い出す、という構成も見事。
とぼけた顔でそつなく頑張ってはいるけど、結局は忘れられないでいる。
何気ない日常を歌いながらサビでふと彼女を思い出す、という構成も見事。
とぼけた顔でそつなく頑張ってはいるけど、結局は忘れられないでいる。
8.30才 ★★★
前曲からの流れが絶妙。ふとした感傷から、ノスタルジーへと沈み込んでいく。
カメラのシャッター音。ファニーなシンセに乗せた、幼少期のエロティシズム。
そして我に返り、今俺は30才。渋い。
カメラのシャッター音。ファニーなシンセに乗せた、幼少期のエロティシズム。
そして我に返り、今俺は30才。渋い。
9.BEEF ★★
地味でダウナーな楽曲が目立つアルバム中では、ゴキゲンなロックンロール・ナンバー。
歌詞の意味などないに等しいが、「外国産はすっこんでろ」の下りは洋楽に対する対向心か?
歌詞の意味などないに等しいが、「外国産はすっこんでろ」の下りは洋楽に対する対向心か?
10.愛のために ★★★
100万枚売れただけあって、ポップスの王道を行くラブソング。
「結婚式でも歌えるような曲を作った」と本人は語っているが、どことなく世相に逆行せんとする姿勢が歌詞に表れているところが面白い。
「結婚式でも歌えるような曲を作った」と本人は語っているが、どことなく世相に逆行せんとする姿勢が歌詞に表れているところが面白い。
11.人間 ★★★
「女になりたい」同様、この曲でも声色を普段と変えていて、なかなか味がある。
歌詞も曲調もかなり内省的。なんとなく始まってなんとなく終わる。独り言みたいなかんじ。
歌詞も曲調もかなり内省的。なんとなく始まってなんとなく終わる。独り言みたいなかんじ。
12.奥田民生愛のテーマ ★★
ギターもベースもドラムも何もかも民生が演奏した最終曲。
無愛想なアレンジと素朴だが混沌としたな心情の吐露は、なんだかこのアルバム全体の雰囲気を象徴しているかのようだ。
無愛想なアレンジと素朴だが混沌としたな心情の吐露は、なんだかこのアルバム全体の雰囲気を象徴しているかのようだ。
総評.★★★★★
個人的に思い入れが強いので、ずいぶん偏りのあるレビューになったかも知れない…
だが、これだけは言える。奥田民生を聴くなら、このアルバムから聴くべきである。
一番売れたアルバムのはずなのに、今ではなんだかイマイチ知名度に欠けるのが口惜しい。
だが、これだけは言える。奥田民生を聴くなら、このアルバムから聴くべきである。
一番売れたアルバムのはずなのに、今ではなんだかイマイチ知名度に欠けるのが口惜しい。
(★:2点,☆:1点の計10点満点。)