アルバム全曲レビュー * アーティスト名 : ちゅーぶ。

Reviewer:25th. 17-19 名無しのエリー2011.03.09.

1.海の家 ★★★★☆
波のSEから始まる。コーラスのフェードインで本編へ。この曲はライブ用の曲で、合いの手などもある。
その割には重厚に作られて簡単にできるということではなさそうだ。
2.太陽の兄弟 ★★★
少し昭和な香りがするロックナンバー。サビのヴォーカルのメロディやCメロの進行など結構面白い。
3.夏祭り ★★★★★
アコースティックな響きとともに始まる。全編を通してこの純粋な曲想はかわることはない。
必要のないパーカッションは用いられず柔らかい音で進んで行く。透明でそこはかとなく深くに響いて行くようなそんなイメージ。
歌を抜いても十分に楽しめる。
しかし、そんな柔らかい曲に少し悲しい歌詞がつくことによって、TUBE独特の雰囲気を味わえる神経の行き渡った名曲である。
4.明日の風 ★★★★
ベースとギターのリフの上で進行する。
それにアコースッティックギターも加わりサビへ、歌詞の「自由にそして心を強く」なんてテーマに合わせたかのように爽やかに進んで行く。
組み合わせの美である。ベースの動きも派手ではないがその時々で最適な音列。
5.月の雫 ★★★☆
キーボードの前奏。2コーラス目からバンドが入ってくるというTUBEではよくあるパターン。
エフェクトをかけた音とクリアーな音のギターの音色を同時にならしながらどちらの音色も最大限に引き出している。
フェンダーのおいしいところを使い切った作品だ。
6.涙を虹に ★★★★
ポップな曲調。パーカッションはドラムと電子音で構成されている。
サビの最後のヴォーカルのロングトーンにギターとベースがそれぞれ呼応する。
それを筆頭にして、この手の曲にはどこにも隙がなく、しっかりと作り込まれた曲。
7.プロポーズ ★★★★★
ストリングとギターを中心に始まる。
これも1コーラス目はキーボードと歌の構成になる。それにストリングも加わってくる。曲調としては、壮大なTUBEならではのバラードである。
1曲全体で一つの大きなフレーズを作っているといってもよいそのスケール感は他の追従を許さない物がある。
しかし、特筆すべきは歌詞で、この曲は「プロポーズ」というタイトルだが、一度もプロポーズの言葉は出てこない。
全ては聴く人の心の中にと言うスタンスを貫いているのだ。
大きな愛情を表現しながらも直接的な言葉は最後まで出てこないのだ。
聴き手の発想力に任せるという手法。間違えれば他力本願な感もあるが、ここまで曲を作り込まれると完成品として扱わざるを得ない。
8.夢の翼ひろげて ★★★★★
この曲はTUBEの本質をよく表した物である。
TUBEの楽曲は基本的には同じスケール感で進行する。それが、決して退屈にならないために、並々ならぬ工夫がされている。
歌と間奏へのつなぎ方などが、非常に滑らかで、どの楽器を持ってきてもその技術力と平衡感覚でバランスを常に最適に保つことができている。
タムやシンバルをこれでもかと多用するドラムも、間奏でこでもかと弾き倒すギターも、ギターとユニゾンのベースも、
全てが暴れているのに完璧に制御されている。と思えば、無音すら音楽の大きな流れの一部にしてしまう引き出しの多さ。
そして、それを支えるヴォーカルのパワーは邦楽でも最高峰だろう。
9.みんなキラキラ ★★★☆
急に、曲調は愉快になりサンバ調に、低音を動かすことにより躍動感を演出する。
この曲がこのアルバムの中で一番自然なバンドサウンドに仕上がっている。
ドラムもベースもしっかりと発音をして深い音を録音している。
かと思えばギターは、よく聞かないとわからないほどの音量で録音されている。
10.月光 ★★★★
今度は伴奏はスパニッシュ。ベースもフレットレスだろう。
このアルバムを通してそうなのだが、ベースが大変大きな役割を持っている。
メロディーメーカー春畑ならではのガットギターや、アコーディオンも哀愁を感じさせる。
11.光と影 ★★☆
メンバーが奄美大島で習った三線を用いて作られた曲。世界観自体はいいのだが、あまりはまっているとは言えないと思う。
しかし、やはり新しいもの好きと言うか、様々な物をTUBEにしていくバンドだ。
総評.★★★★☆
2004年発売の通算24枚目のオリジナルアルバム、アルバムのクオリティは最高水準。
全曲が完璧に作り込まれていて、曖昧な部分や捨て曲などどこにもない。
近年のTUBE作品でも最も作り込まれているのではないだろうか、周辺の作品は作り込まれていいるが、メロディーや歌唱に不安が残ったりという物だったが。
このアルバムは全く別の次元である。
TUBEの中でも5本の指に入るようなアルバムだろう。
(★:2点,☆:1点の計10点満点。)

Reviewer:23rd. 122-125 名無しのエリー2010.02.16.

1.Blue Splash ★★★★
タイトルチューン。イントロのクリーンで爽やかなギターのバッキングとイントロが印象的な曲。
1番の歌詞についてはまともなのだが、2番の歌詞がひどくてそれに曲が引きずられ安っぽさを出してしまう。
2.真夏のカイト ★★★
歌詞の知能指数は低め。声は伸びやか。曲は爽やかだけどどこか芯の通った曲。
3.Summer Greeting ★★★☆
シングル曲。ウクレレなどが使われた非常に落ち着いた曲調。曲調と歌詞が相まってどこか懐かしい気分になる。
歌詞は遠い昔の友人へ出した手紙について。これを聴くと自分も手紙を出したっくなってくるから不思議だ。
4.風のブログ ★★
軽快なイントロ。これはサザンなんかでも時々聴ける曲調だ。
ストリングの入り具合も軽快でロック系の曲で使われる感じではなくポップスな感じ。
メロディは安易。間奏のトランペットソロはなぜこのテイクを使ったのかわからないくらい微妙。
5.瞳は知っている ★★★☆
ミディアムバラード。2番のAメロは省略され間奏後いきなりBメロへ。歌詞の世界観と曲が上手くマッチしている。
それだけなら普通のミディアムバラードだが、ヴォーカルの表現力によりさらに深い世界へ引きずり込まれる。
大サビで最高音を今までのファルセットから表に変えているのもその表現法の一つか。
6.青い悲しみの向こうに ★★☆
ギターの春畑のピアノ伴奏で始まる切ない曲調。
全体的にドラムはシンバルを弱音で多用するが、その音がクリアで曲の性格を決める。
歌詞のおかげで、子供用の映画のエンディングテーマの曲に仕上がったのが惜しい。
7.Peaceful Day ★★★★☆
イントロからギターが4本のアンサブル。それなのにバンドのサウンドもごちゃごちゃせず非常にすっきりとした形を見せるのは圧巻の2文字。
前の曲のドラムといいバンドの実力が伝わってくる。それでもひけらかさずひたすらアンサンブル。
女声コーラスの響き、そして歌詞はスローな恋愛をモチーフに和やかな気分を演出する。
8.夏へDive ★★
ミディアムなロックチューン。新しい面白み自体はないが、音楽が非常に明快で気持ちいい。
このジャンルのひとつの洗練されつくした答えだろう。
9.My Hero ★★★★
80年代を彷彿とさせるようなロックチューン。
最近この手の曲調は、所謂世間で人気のあるアーティストも採用しているが、これも散漫にならずきっちりとしたメロディが用意された一つの完成形。
あまり派手さはないながらも「先輩」「後輩」というような題材と、世の中との葛藤などロックたらしめるような世界観を持つ。
大サビ前のギターのバッキングとヴォーカルだけになる部分は鳥肌モノ。
10.You're my world ★★★☆
今までとは変わりバラードであるが、これはコーラスを用いない典型的なTUBEのバラードの形式をとる。
といっても感情を爆発させるような歌唱はないのが特徴である。それは、ブルース調のギターの伴奏を際立たせるためであろう。
サビでのそれらの掛け合いはきれいにマッチし、さながらヴォーカルを含めた全てが背景のように映る。
しかし、歌の発音の問題で曲が不透明になる箇所がいくつかあるのは残念だ。
11.Second Chance ★★★★
「人生負けることの方が多いけどどんな時でも自分の夢を追いかけて行こう。それは最終的にどんな形でもいいじゃないか。
 泥だらけだってボロボロになったって。今はダメでも次のチャンスを。いつか笑顔でまた会おう。」
そんな台詞をこの幾分古めかしいロックナンバーが語りかけてくる。長く連れ添ったファン全てのTUBEに関わってきた人に対するメッセージなのだろう。
毎年恒例の野外のスタジアムライブ、最後の部分を会場全体で合唱する姿が目に浮かび、客観的にと思いつつもつい心がアツくなってくる。
総評.★★★
24年目を迎えたTUBEの原点回帰を狙った通産31枚目のオリジナルアルバム。なのにそれは意外な結末を迎えた。
懐かしいのにサウンドが新しい。今までどこにもなかった音に仕上がったのだ。
これは今回のアルバムではスタッフを初期のメンバーにすること、エンジニアを外国人に任せたことによるところが大きいだろう。
さらにメンバー自身も、今回のアルバムは曲をパソコンなどのツールであらかじめ用意せず、1曲ずつその場で楽譜に変更を入れながら作業を進めて行ったようだ。
だからメロディや奏法はTUBEスタイルなのに、新しいものになったのであろう。
冬から夏前まで、長い間彼らはTUBE所有のスタジオで、毎年の新作のための曲を昼夜を問わず作っていくが、
そんなルーティーン化していしまいそうなレコーディングに、24年目にして新たな挑戦とは本当に頭が下がる。
この年代になっても色あせない音楽への熱情はすごいと感じる。
全てはファンと音楽のためにそういう姿勢が好感が持てる。ガンガン弾きたいところも音楽のために抑える。そして完成度は非常に高い。
しかし、その一方で新しい響きにTUBE自体が慣れていないのか、珍しく詞を先行させて作ったからなのか消化しきれていない曲も多い。
そういう点では全盛期のTUBEのアルバムからは劣る評価にならざるを得ない。
そして、ジャケットはさすがの爽やかさ。
極上のバンドサウンドと完成美を求める人は聴いても損はないと思う。
(★:2点,☆:1点の計10点満点。)