アルバム全曲レビュー * アーティスト名 : ゆにぞん・すくえあ・がーでん。

Reviewer:22nd. 576-577 名無しのエリー2009.12.12.

1.流星前夜 ★★★☆
M7系のコードに乗せて、ボーカルの無邪気というかとにかく独特な声で語り。サウンドは繊細に、密やかなムードを演出するように動く。
ギターの歪むか歪まないかのギリギリの音色なんかが特にそれを表している。
けどこの曲において特筆するべきは歌詞、
「サウンド・オブ・ミュージック」とか「スタンド・バイ・ミー」を初めて見た時の様な現実感のなさと浮き立つ感覚で、夢の中の様なワンシーンを切り取る。
ただ「思わせぶり」な歌詞になりがちな邦楽界において貴重な人材だと思う。
2.フルカラープログラム ★★
前曲からドラムソロを挟んで雪崩込むように始まる。
正直言ってこの曲は物凄く恥ずかしい。
(悪い意味で)90年代のアニソンを髣髴とさせる…
やはり歌詞は面白いと思うんだけど、ソングライティングがそれに追いつききっていない。中途半端にポップで中途半端にギターロックで中途半端にJ-POPというか…
サウンドにしても前曲の一枚の絵画を作るような構築の仕方を見せられた後だけに、どの音域にも振り切らない態度が物凄くもどかしい…
確かに独特のポップセンスがあるし、サビも悪くないんだけど…
とにかく三点リーダを三回も使っちゃうくらい複雑に微妙。
3.水と雨について ★★★☆
雨音の中をギターが切り開くようなイントロ。
一聴では「ザ・ロキノンギターロック」としか思わなかったが、
他のバンドならそのままサビに入るだろう、という所で「末期症の記憶喪失」何て言葉を切り出してみたりやっぱり奇妙なバランス感を持っている。
サビと歌詞はやっぱり良いなぁ。アレンジが表面的なのと演奏があまり上手でないのが惜しい。
4.2月、白昼の流れ星と飛行機雲 ★★☆
Iメジャー→IVマイナーの進行でスケール感のある進行。
ここまで一辺倒な書き方で自分でも呆れてきたけど、本当に歌詞とサビはどの曲でも良い!
独特の開放感と青春の甘酸っぱさなんかを併せ持っていて、恐らくこれはこのバンドにしか出来ない物であると思わせるオリジナリティーがある。
それだけにその他の面(サビ以外のメロディーだとかサウンドだとか)で凄く損をしている様に見えるけどどうだろうか。
この曲も悪いが前述の理由で多分初聴で印象に残る人はあまり居ないだろう。
5.MR.アンディ ★★★
これも予想を裏切られる曲で、「踊れるロック」的なイントロからいきなり厚いコーラスが入る。
そのままTr.1を思いださせるMaj7系のバックが入り、そしてTr.2みたいなちょっと恥ずかしいスカスカのリフ。
ダンスチューンなんだけど、テンポが普通のそれに比べて絶妙に遅め。そして絶妙にノリにくい。その上やっぱりサビは良いんだ。
なのに演奏のみになった瞬間のこのゲンナリ感は何なんだろう。
6.流星航路 ★★★★
個人的にベストトラック。
この曲に関しては既存のギターロックの域を出ないまでも、非常に良く纏まっている。アルバムの〆としても佳曲。
総評.★★☆
最近良く目にするので聞いてみたUNISON SQUARE GARDENの2ndMini。
部分的に確かに光るものはあるんだけれでも、それ以外の所がそれに全然追いついていない。
全体を通してサビは良いとか歌詞は良いとか、イントロは全然とかメロディーが半端とかそういう印象が強い。
アルバムの各曲がバラバラという事では無く、一曲の中のパーツがバラバラ。
マスタリングも「ロックバンド」と名乗っているには嫌に煮えきらず半端にJ-POP的でどうかなぁと思う。
それでもやっぱり逆に言うとサビは良いし、歌詞は良い。
そして彼らの曲を聞いてみようと思ったきっかけは、キャッチコピーにもなった「ロックバンドは楽しい」というフレーズ。
洋楽邦楽問わずブリットポップ以降の流れを経て確実にロックという音楽からはロック幻想的なものが薄れているという実感があったので、
(もちろんそれは社会全体の雰囲気を反映しているからでもあるけれど)
「俺達に地位と名声を与えてくれてありがとう」とも「俺達はビートルズになるんだ」とも違うこういう言葉で「ロック」に対する幻想を体現する事に凄く新鮮さを感じた。
しかし音楽的には少なくともこのミニアルバムの時点では全然まだまだだと思う。今後の成長に期待。
(★:2点,☆:1点の計10点満点。)

Reviewer:24th. 278-281 名無しのエリー2010.11.11.

1.カラクリカルカレ ★★★
マイナー調のアップテンポなオープニングらしいオープニング。
メロディだけ聞けば9mmっぽいが、バックが割と普通なのであのダサさはない。
ありがちなロキノン?みたいに思われそうな一曲。
2.センチメンタルピリオド ★★★☆
「みたいな」という歌詞が頭に残る一曲。
ボーカルがこの手のバンドにしては異様なほどメロディアス。かなり高めの音もバシバシ使ってこられるのが大きいか。
Tr.1から曲間のすきまが少なく始まるのは勢いが生きていていい。
3.サンポサキマイライフ ★★☆
相変わらずギターはコード弾きに徹するボーカル最優先曲。
ソロとか聞く限りでは目立とうにも目立てないのか?というレベルにも聞こえるがわからん。
サビでの盛り上げを普通歌えなさそうな高いキーで表現する最たる例かも。レンジの「ビバ★ロック」の四度半も上。
4.デイライ協奏楽団 ★★★
Aメロ中にヘナヘナしたギターが切り込んでくる、今までとかなり印象の違う曲の始まり方。
かなり力が抜けたソロまで披露してくれる。これは新鮮。
しかしドラムがややスタンドプレー気味。冷静になるとさっきまでも結構叩きたがりだったような。
すきまが多いこの曲では結果的に不可解な目立ち方をしている。
5.等身大の地球 ★★★★
急にダンサブルなリフが飛び出してくる。お前らトライセラか。
かなりノリやすい曲に仕上がってきている。ソロはかなり無茶苦茶な盛り上げ方だが良い。
ハンドクラップまで飛び出し、ロキノンでくくるにはちょっと枠からはみだしている感じも受ける。
ハイトーンハイトーン言っていた斉藤だが、これを聞く限り低いキーも問題なく歌えそう。上手いかどうかは別としても。
大サビの存在が曲を広げにかかってきてこれがまた良い。
6.MR.アンディ -party style- ★★☆
うわぁ…何を目指してんだこいつら……
昨今アニソン業界でも使わなそうなシンセ音にスクラッチまで突っ込むイントロで引くかどうかの個人差。
ロキノンもハウスもアニソンも好きだよ!みたいな奇特で雑食なお方には当たりかも?
どの層が好むのか非常に微妙なライン。
7.WINDOW開ける ★★
重厚なHR路線に移動。重厚ってほどでもないか。引き出し多いというか器用貧乏というか…
歪ませすぎなギターとサビのコーラスとか聞くと、どうも雰囲気だけで重く見せようとしてるんじゃ?と勘繰ってしまう。
8.マスターボリューム ★★★☆
「これぞロキノン!」という感じの直線的な曲。
上から下まで駆け回るAメロが魅力的。ボーカルが力技でねじ伏せているように聞こえる。
9.いつかの少年 ★★
スローテンポ。
本来ギターのテクニックでなんとかするべきなんだろうが、どうも相変わらずでぱっとしない。
ドラムもどうもバシャバシャしてしまっている。
10.箱庭ロック・ショー ★★★★★
これまた随分ダンサブルな。Tr.5の系統だがメロディの出来が一段上手。テンション使いまくりで派手派手しい。
ギターソロも頑張ってる感が出ている。というか普段はギターボーカルだからあんまり派手なことできないのか。
Cメロには田淵の「歌詞書きすぎちゃった^^斉藤頑張ってね^^」みたいなのが見え隠れする。
音数多っ!UVER並に無茶苦茶なねじ込み方!確かにうまい詞だとは思うが…
11.クローバー ★★★★
ギターリフがRADのなんかを思い出すミディアム。
サビ以外はなんとなく「ん?」となるメロディが多かった今作の中では数少ない一曲まるまる良メロディ。
特にCメロは無心でぱぱっと作曲したんじゃ絶対に出来ないような捻り方。
歌詞も比較的明解にラブソングラブソングして珍しい。新しい可能性を見たような曲。
総評.★★★★
3ピースロキノンバンド、UNISON SQUARE GARDENの1st。
サビとCメロのメロディメイクという点では同年代のバンドの中では間違いなく一歩リードしている。
ボーカル斉藤の高音域をフルに生かして盛り上がりを表現するのが上手いのが一因だろう。
ただあまりにも狙いすぎているメロディも多発するので注意。
逆にアレンジが単調という弱点も持っている。3ピースバンドということを考えてもちょっと貧弱。
重ね録りがほぼないのでライブで大崩れしないという利点はあるが。
歌詞はいいこと言ったフレーズを上手く使えてない場所があり惜しい。
総じてスリーピースらしいスリーピース。ちょっとクサめのメロディでも抵抗なく聞ける人にはオススメ。
(★:2点,☆:1点の計10点満点。)