アルバム全曲レビュー * アーティスト名 : うーばーわーるど。

Reviewer:15th. 57-59 名無しのエリー2007.06.11.

1.CHANCE! ★★★
曲自体はポップでいいと思うんだが歌詞が痛い。前半のラップがなければもう一個ぐらい★を足してもいいんだけど。
ちょっとシンセがうるさいかなぁ…って印象。2ndシングル。
まぁ一曲目としては合格だと思う。シングルなのもあってとっつきやすい。
2.トキノナミダ ★★★★
ハイテンポな曲。だけどノリノリって感じではないかな。
たたみかけるようなボーカルが印象的。イタイタしいラップも影を潜めて◎。
演奏はやっぱりシンセを前面に出している。
3.Rush ★★★★☆
またラップかよ…と思ったのだが、これは結構カッコいい。前へ前へたたみかけるように歌っていておもしろい。
欲を言えばもうちょっと曲の展開を練ってほしかったかな。
4.D-tecnoLife ★★★★★
彼らのデビュー(1st)シングル。
歌詞は若干臭すぎるかもしれないが、こういうのが一曲ぐらいあってもいいと思う。疾走感があって聞いていて気持ち良い。
サビも力強くて良い感じ。曲の構成もGood。
5.優しさの雫 ★★★★★
ここに来てバラード。しかしアルバム全体としては良い区切りとなっている。
歌詞はモロに失恋で心にグッと来るものがあると思う。
ギターが切ない雰囲気を醸し出していて秀逸だと思う。
6.ai ta 心 ★★★☆
1stシングルのカップリングの録り直し。若干歌詞が変わっている。
アルバムバージョンはキレイにまとまってしまった感じがするので好きではない。シングルバージョンの方が勢いがあって良かった。
7.Burst ★★☆
ライブでの盛り上げようにつくったと思われる曲。このラップはちょっとダサいかな…あとコーラスも。
まぁランダムで流れてきたら飛ばしちゃうと思う。
8.Nitro ★★★★
たたみかけるような歌はこのバンドの特徴と言うべきだろうか。
今までとは違い怒れるボーカルがおもしろい。歌詞も言葉遊びしてる感があっていい。
このアルバムでは最も妖しい感じのする曲。
9.just Melody ★★★★★
3rdシングル。シングル時よりイントロが長くなっている。人との出会いをメロディーに例えた曲。ギターがカッコいい。
この曲はバンドサウンドとシンセのバランスがよくとれていると思う。
10.Lump Of Affection ★★★
まず開始数十秒のボイスパーカッション?を好きになれるかでこの曲の評価は変わるだろう。
歌詞はこの世には色々悪いニュースがあるが、愛に繋いで頑張っていこう、みたいな。
曲的にはRush+優しさの雫といった感じか。
11.扉 ★★☆
コーラスがアホっぱい。実質アルバムのラスト。まぁ嫌いじゃないけど最後にしては色々弱いような。
ポップ寄りなラップ、キャッチーなサビ。
12.SE
評価なし。
13.D-tecnoLife(Album ver.)
ライブテイクを収録したオマケ。正直こっちの方がかっこいいかも。
ちゃんと録音して入れてほしかった一曲。
総評.★★★★
なんだかんだで色々なことやってておもしろいアルバム。ラップからバラードからポップまで、これ一枚に詰まってる。
たたみかけるように歌うボーカル、どの曲にもシンセが使われてるのが印象的。
音に広がりがあって聞いていて楽しいが、逆に言えばもっとバンドサウンドで勝負してほしかったとも思う。
ラップとこの声が好きになれるかがポイントか。
歌詞にはあまり期待しない方が良いかな。後、1stで引き出しを開けすぎた感があって、2ndはポップな感じの曲が並んでしまう。
個人的にはこちらの方が好き。
(★:2点,☆:1点の計10点満点。tr.12,13は星評価なし。)

Reviewer:15th. 68-71 名無しのエリー2007.06.13.

1.ゼロの答 ★★★★★
こういうのを待っていた!
今までのややうるさかったシンセは影を潜め、バンドサウンドを前にもってきた一曲。
アップテンポな曲にサビでのハイトーンボイス&コーラス。歌詞も今までより大分良い。
ただ、この曲がこのアルバムのベストトラックになってしまった感が…
2.SHAM ROCK ★★
ドラマタイアップのシングル曲。シングルにしてはサビがおとなしい。あと、ラップがちょっと…。
デスボイス?っぽいのも混ざっているが、入れる意味がよくわからない。俺はこんな声も出せるんだぜ!みたいな自己主張のように感じてしまう。
もうちょっとアクが欲しかった。1stの時と歌い方が変わった気がする。
3.Home 微熱39℃ ★★
何ていうか、インパクトはあるんだけど、それだけな感じがする。
ノリノリはなれるんだけど、歌詞はよくわかんないしメロディーもサビも弱い。からっぽな頭で聞けば気持ちいいのかも。
今までみたいにラップに走らなかったところは評価してあげたい。
4.~流れ・空虚・THIS WORD~ ★★★★★
デスノのトリビュートアルバムに提供した曲。イントロが30秒ほど長くなっている。
このバンドはシンセも似合うがこういうギターを掻き鳴らす曲も似合っていると思う。
つらいこともあるけど、明日に向かって歩いていこう的な歌詞と曲がマッチしている。アップテンポな所が、更に前向きな感じを出していて良い。
欲を言えば、もうちょっと1stの頃のように前へ前へ歌って欲しかったかな。
5.Colors of the Heart ★★★★☆
シングル曲。アニメタイアップがついていたせいか意識してしまうともろアニソン。
でも自分はそういうのは特に気にならない。気にする人には大分マイナスかも。
曲的には1stのD-tecnoLifeっぽいかな。メロディがしっかりしていて、曲の中にも緩急があって良い。
6.Live everyday as if it were the last day ★★☆
ん~ポップすぎる。アルバム曲なんだしもうちょっと冒険してほしかった。
あと、ラップ入れるならもうちょっと韻を踏むとかした方が…。言葉詰め込んでるだけって印象。
7.シャルマンノウラ ★
自分がこのバンドに期待してるものはこういうのではないんだよなぁ・・・。歌詞は良い感じなのに。
アコギ主体の曲調と、ラップ、どこだかよくわからないサビ、全てが残念。どうせやるなら1stの優しさの雫のような感じにしてほしかった。
8.一人じゃないから ★☆
5.のc/w。なぜこの曲が選ばれたのか?と、思った。どうせなら同じc/wのSORAの方が数倍良かったのに。
ラップにメッセージ的な歌詞を乗せているが、失敗だと思う。このバンドのダメな面が出てしまったように感じる。
ラップを使いたいならもうちょっと考えてほしいなぁ。
9.君の好きなうた ★★★☆
前2曲が静かな曲だったので、そろそろ激しいのがくるかな、と思ったが、バラード。
このバンドにして初のシングルで出したバラード曲。悪くは無いんだけどね…中高生の男子が聞いたら共感しそうな歌詞。
多少ラップっぽいが、メロディラインがしっかりしてるのですんなり聴ける。
曲順で損をしている印象。単曲なら★★★★ぐらいあげても良い。
10.51% ★★★★
歌詞は9.の延長線。切ない曲調に乗る歌詞、それを切なく歌い上げるボーカル。かなり良い線いってると思う。
ただ、9.とこの曲はもうちょい前の方か一番後ろにもってきた方が良かったような気が。
聴く時は是非9.とセットでお願いしたい。
11.LIFEsize ★★☆
んー…何かこれに似たような曲をこのアルバムで既に聴いてる気がする。ネタ切れ?と思ってしまう。もうちょっとアクセントをつけてほしい。
ポップで聴きやすいが、自分は数回聴いただけでお腹いっぱいになってしまった。
プロデューサーから言われているのかわからないが、もうちょっと色々なタイプの曲を聴きたいだけに残念。
12.EMPTY96 ★★★★☆
サビで繰り返される96(ナインティシックス)が印象的。
1stで言うならRushのような感じ。ラップの使い方も悪くないかと。あの急かすようなボーカルがココで復活している。
1stの時より高音の出し方が良い感じ。
13.DISCORD ★★★★
サイレンの音から始まる。激しいアップテンポな感じの曲。
たたみかけるようなラップが始まったかと思えばメロディアスなサビへと入る展開は聴く方の意欲を掻き立てる。
ただ、もうちょっとひねりが欲しかったなぁ。ラップ→サビの後にインパクトのあるCメロが欲しいと思った。
14.君の好きなうた(Acoustic Version)
このアルバムで本当にやりたかったことはこれなのかな?何かずいぶんと力が入っている。
ただ、原曲の方が好き。アコギになって静かになるとラップ混じりのメロディが随分浮いている気がする。
原曲を評価しているのでこちらは評価なし。
総評.★★★
1stよりポップ色が随分前に出たのはプロデューサーに言われたからなのだろうか。
結果、確かに聴きやすくはなっているが、はっきり言って飽きやすい。
ボーカルも1stの頃の勢いは余り見られず、どちらかと言うとしっかり歌い上げることを意識している感じがする。
曲によって歌い方を変えているところは非常に良いと思う。
1曲1曲のレベルは確実に上がっていると思うのだが、若干似たような曲があるのと曲順がそれを崩しているように思える。
しかし、バンドサウンドが前作より出てきたので今後も期待できると思う。
アルバムで聴くと中だるみしてしまう。まぁ、1曲1曲がそんなに長くないから大して苦ではないが。
歌詞は1stよりはまともだが、”とにかく前向きに”ということがどの曲にも共通していると思う。
次はもうちょっと作詞の面でも幅を見せてほしい。
(★:2点,☆:1点の計10点満点。tr.14は星評価なし。)

Reviewer:19th. 170-174 (名無しのエリー)2008.08.19.

1.Roots ★★★★☆
"いつだって愛で救われた事実を 人は忘れられないんだ" という印象的なサビから始まる1曲目。歌詞いいよ。
[サビ1→Aメロ→Bメロ→サビ2→Cメロ→サビ3→Dメロ→Eメロ→サビ4→サビ5→大サビ]というアイデアてんこ盛りの構成が目玉。
1番と2番のメロが違う、サビのメロディが変化する、なんてのは彼らの曲では割とよくあることなので、
この曲を聴けばなんとなくUVERWORLDが分かるという意味でも1曲目としてふさわしかったんじゃないかと。
というか最初からこれだけ全部出し切った曲聴かせたら後どうすんのさ、と言いたくなるが2曲目へ。
2.brand new ancient ★★★
この曲の構成も変わってる。
Rootsでも使われてたが、メロディにラップを乗せるどころか、ラップにメロディをちょちょいと混ぜてしまうのが彼らは上手い。
どちらかといえばラップ主体ながら、きちんと歌メロ好きも納得させるだけの曲に昇華させてる。
”場面は紀元前 海を渡り 太古の壁画にもこう記されていた 「最近の若者はなっていない」”
なんのこっちゃねん。と突っ込みたくなる歌詞もまた魅力。
正直言うと7曲目まで同じような曲(彼らのスタンダードという意味で)が続くんだけど、それを飽きさせないほどひとつひとつの曲のクオリティが高い。
よくこれだけ1曲1曲につめこんでアイデアが尽きないもんだなと。
3.浮世CROSSING ★★★☆
彼らの曲で一番有名であろう「SHAMROCK」と似たようなテイストのシングル曲。
SHAMROCKにカラオケでお世話になった皆さんはこれも歌おうとしたに違いない。そして結構な割合でTAKUYA∞(Vo)すげえ…と挫折したはず。
俺?いや、まさかそんな… ね…
4.病的希求日記 ★★★
今度は構成は一般的なそれながら、メロディに変化を付けている点に注目。
2番でAメロの後半に勢いをつけてきたかと思えば、サビの前半も変わっているという。これは聴いてて面白い。次はどうくるんだ、って楽しみにもなる。
アウトロの最後で音量上げて次の曲への流れをよくしてるあたりも抜け目がない。
5.counting song-H ★★★☆
ここまでで一番ハードな楽曲…と書きたいところだけど、何故かサビが明るい。詞は暗い。
そのサビを起点に段々演奏するのも楽しそうになってくる。そして詞も明るくなってくる。でも終わりはまた…バランス悪い。
おふざけ無しの真面目100%の曲…なんだよね?「ガチでいかせてもらいまうぃっしゅ」なんて言ってなかったらいいけど。
でもそれが悪いことかと問われると… 星どうしようかかなり悩んだ曲。個人的には好きなので高めにしておいた。
6.シャカビーチ ~Laka Laka La~(album ver.) ★★★★
太陽の照りつけるビーチの海の家、ラテンのリズムで悲しげな曲がラジオから流れてくる…
多分ここがアルバムで足された部分なんだけど、このメロディがブリッジで使われているのが面白い。
ラジオの曲をかき消すように始まる本編は陽気なラップ主体の曲。開放感溢れるサビが夏の海を感じさせる。
バンドとしても新境地なんだろうと思う。
"ハバネロ言語"なんて単語も飛び出し、いつものちょっと暗めのイメージから脱却、意外と合うもんだ。
7.GROOVY GROOVY GROOVY ★★
タイトル通りグルーブ感を前面に押し出した曲ー。1曲ぐらいこういう曲も入れずにはいられなかったんだろーなー。
ライブだと楽しいのかもー。ここからポップ感が急に薄れるよー。
8.expod-digital ★★★★
一応歌詞ちょっとだけあるけど、ほぼインスト曲。
3分23秒、ただの繋ぎではなく1曲としても楽しめるレベルでどんどん曲が展開していく。
彼ら個々が「俺まじすげーんだぜ」ってな具合にテクいことを織り交ぜ組み合わせてるだけ…と言ってしまうのはちょっと気が引ける。
それほどに曲として完成してる。
歌上手くていいメロディ浮かびまくってヒューマンビートボックスまでこなしてしまうTAKUYA∞の才能に嫉妬。しかもイケメン。
彼もどこかで人より劣っている部分があると信じたい。尋常じゃないぐらい蚊に刺されるとか。
…努力ですねそうですよね。
9.-妙策号外ORCHESTRA-
8~14までは歌の間にインストが挟んであることもあって、ずっと繋がっている。
これは完璧に8と10の繋ぎのインスト。1分もない。
10.UNKNOWN ORCHESTRA(album ver.) ★★★★
そんなわけで非常にいい流れでなだれ込んできた10曲目はまたもや新境地、4つ打ちのウーバー流ダンスナンバーとでも呼ぶべきか。
音楽で空間を感じさせる、壮大な曲。ユニバースとか言ってるし。でも歌詞ちゃんと見たらドMとかオタクとかも言ってるし。
意味分からなくても心地よくノれるからこれはこれでいいんだろう。多分。
5分21秒っていうのはこのアルバムでは一番長い数字なんだけど、もっと長くてもよかったのではと思うほど素晴らしい空間。
11.-god's followers- ★★
これも繋ぎの1分ほどのインスト。ちょっとメロディあるし、12を聴く上でこの1分は結構効いてくるので、星二つ。
12.神集め ★★★☆
タイプ的には10と同じ系統。別の曲なのに説明書こうとしたら10とほとんど同じになってしまう。
10は考えるよりも感じろという音楽。これはポップミュージックのフィールドで戦ってる。
あえて書くとすればよりユニバースなのがこっち。ああ、スペイシーって言った方がいい?
10と12はどっちが好きかアンケートとればいい勝負すると思う。俺は10。
13.-forecast map 1955- ★★☆
1分半のインストというか小曲というかやはり繋ぎというか…でもこいつは11以上に次曲に与える影響が大きい。
戦後の高度成長期、様々のものに大きな変化が起きた時期1950年代頃を歌った曲らしい。
とは言ってもほとんど歌詞ないので、14とあわせて1曲と考えればOK。
14.ENERGY(album ver.) ★★★☆
"ハイブリッドカーぜってー乗るぞ イェー(コライフ×3) でもエコカーちょっと高いじゃんか イェー(エコライフ×3)
 ハイブリッドカーって気持ち良いじゃん イェー(エコライフ×3) でもエコカーやっぱ高ぇもんな ヨー(エコライフ×3)
 give me エコカー… give me… "
それでいいのかUVERWORLD。どこへ行くんだUVERWORLD。
15.endscape(album ver.) ★★★★☆
これも新境地を開拓したシングルだったんだが、前の曲のインパクトが強すぎてなんだか地味に思えるかも知れない。
サビも最初はなんだかなーと思ったものの、聴けば聴くほどこれは名曲なんじゃないのか!と信じて止まない人が
1人また1人と今日も増えていっていることだろうと信じて止まない。
普通のポップミュージックとは何かが明らかに違う。歌詞もまた彼らの中で一番素晴らしいと思う。
16.心が指す場所と口癖 そして君がついて来る ★★★
ミクスチャーとして活動しているUVERWORLDだが、普通のバラードもやるようで。
普通のバラードです。
17.オトノハ ★★☆
アコギ1本とボーカルのみの、およそミクスチャー以下略。
3分間普通にアコギで盛り上げて歌って締める。
アルバムとしてみれば盛りだくさんの内容が上に乗っかってる分、16・17の流れは自然とも思えるが、こういう締めはバンドとしてはどうなんだろう。
18.to the world(SE) ★★
どうなんだろう。と誰かが言ったのか、ミクスチャーっぽいことしてやっぱり終わることに。
このアルバム自体が革命を意識したアルバムであり、
これは終わりではなく、革命の始まりであるということであえてこの曲をラストに持ってきた。らしい。
その通り、どちらかといえば曲調的には1曲目に相応しいものなので、リピートで1曲目に驚くほど自然に繋がる。
総評.★★★★
ミクスチャーロックバンドUVERWORLDの3rdフルアルバム。
前2作とは明らかに違い、今までやってこなかったことにもどんどん挑戦し、
結果として全18曲、内インスト曲5曲、7曲が繋がっている、など珍しい構成となっている。
これまでである程度の安定した地位を築けたことも関係あるのだろうが、
現状に満足してマンネリ化するのではなく、当たり外れはともかく新境地開拓へ向かう姿勢は好感が持てる。
特に6、8~15は今までのUVERWORLDのイメージを自らぶち破ったという印象。
UVERWORLDはアニメタイアップも多く、一歩間違えれば「ダセぇ」とあしらわれかねない歌詞も
その曲自体の良さと彼ら自身のカッコよさで上手い具合に保っていた。
偉大なるダサカッコよさとして君臨する2nd beatの彼らのようにいけばいいのだが、今回はちょっとファンを不安にさせすぎたのでは。
14の破壊力は異常。普通にいい曲なんだけどね。
このアルバムの数ヵ月後、応援歌やかさぶたに不安にさせられたとあるバンドのファンとして、UVERファンの気持ちが気になって仕方ない。
まさかアウイエバンドのように開き直ってダサダサにはしないだろうが、14の詞だけは成功したと思ってほしくない。
他は大体新しい試みは成功だったと思う。…と現状をチェックしてみたら、11月に新曲が控えてるようで。
タイトルは「儚クモ永久のカナシ」。頑張れ負けるなUVERファン。
(★:2点,☆:1点の計10点満点。tr.9は星評価なし。)

Reviewer:21st. 86~93 名無しのエリー2009.03.09.

1.激動 ★★★
歌謡チックな和製ロックに、近年のトレンドの1つの、低音が響くラウドな味付けをした曲。
ベースはB♭まで鳴ってるので、多弦ベースのさらにダウンチューニングか。
ミクスチャーバンドとしては典型的なアレンジに思えるが、
詞では「聞き飽きたフレーズや誰かのコピーじゃ満たされないんだよ」と、まさかのオリジネーター気取り。
自分も最近の重低音ミクスチャーバンドの事はよく知らないが、本人がこう言うんだからその辺の洋バンドにない個性が出てるんだろう。よく知らないが。
サビへの転調は演奏の流れ的には自然なはずだが、先に飛び込んでくるサビメロが変な位置に乗っているので、無理矢理な感じに聞こえてしまっている。
途中で拍子が変わったりラップが乗ったりというのはこの手のバンドの常套手段と思うが、ラップは相当独特なリズムでかなり個性的。
古いSF映画に出てくる巨大コンピューターみたいなモジャモジャした電子音のナンセンスさも逆に面白い。
構成が凝ってはいるが1つの曲として消化されてない感じで、手足や頭がいっぱい生えてるようなグロテスクな印象の曲。
2.99/100騙しの哲 ★★★★★
人を騙して甘い汁を吸う輩をストレートに批難した、へヴィで妖しいマイナー調ロック。漫画のキャラの必殺技みたいな曲名がカッコイイ。
詞は、引き合いに出す事例のいくつかが典型的すぎたり、全体的に説明的すぎたり、語呂が悪かったりで、かなりいびつな印象。
TAKUYA∞は熱い主張を持ってはいるが、それを音楽に乗せるのが恐ろしく下手。
しかし字数が変なところも臆せず芝居がかった歌い方で悠々こなすTAKUYA∞。何らかの才能がある。
しかも歌かと思わせて突然「絶対負けんなよ!」と語りかけてきたりする。
他にも、イジメでのからかいフレーズに使われたら最悪そうなほどノリのいい「臭ぇぞ 臭ぇぞ おぇ~ 臭ぇぞ おぇ~」など、並々ならぬ発想満載。
間違いなく何らかの才能がある。
曲もレンジの「ロコローション」を熱いロックで作り直したような不思議な印象を受ける。
演奏はしっかりしているが、メロディらしいメロディはベタなのが難点か。
3.美影意志 ★★
楽曲自体は一気に普通になる、ミドルテンポのラブソング。詞もテーマ自体は普通なのだが、詞の説明しすぎ感が尋常ではない。
歌のリズムがかなり汚くなっているが、そうまでして一字一句崩さないこだわりがあったんだろうか。「こう思ったんだ ~って」とかの倒置がウザい。
注目度を高めるほどでもないとこでわざわざ使わんでも…。
特に「昨日こんな話を聞いたんだ あのオリンピック選手は~ってさ」のくだりは、詞の中にまた詞を内包するような回りくどい形を生んでいる。
要は君あっての僕だと言いたいものと思われるが、それをオリンピック選手の話で例えたいなら、最初っからそれをメインテーマにして詞を書いたらよかった気が。
この曲は相手への想いと御影石とをかける意図でこの曲名にしたのでは。
ていうかそもそもの問題としてこの詞、御影石にも関係ねえなコレ。何やら凄いぜTAKUYA∞。
ちなみに個人的にはサビの出だしと終わりでピロウズの「BRAND NEW LOVESONG」が脳内で鳴る。絶対何の影響も受けてないと思うが。
4.コロナ ★★
「60兆の僕を担う全ての視覚的細胞を~」という出だしからTAKUYA∞節全開の、アッパーなロック。何やらスケールでかいぜ。
さらに「同じ数ほどだけの銀河の海のような~」とか言ってる。すげえ勢いだぜ。
と思ったら2番のAメロは「さっきまでの勢いはないな もうないや」とか歌い出す。
なんか本人の中では勢いが急速に収縮したみたいだが、さっきと何が違うんだろう。ミステリアスだぜTAKUYA∞。
演奏はタイトで疾走感があるが、曲自体はありがちなHR寄りビート系。AメロがM2のサビみたいなのもどうも。
5.儚くも永久のカナシ ★★★
まず曲名が…。外国語に訳してもこのままのニュアンスでは伝わらないだろうな。普通に意味が通る訳にされそう。
そういう意味では日本人にとってのみ娯楽たり得るセンスなのかも。
しかし「儚い」は曲中に出てくるが、永久のカナシはそのままの形では登場せず、しかも最終的にポジティヴな現状打開策が出てきてるので、
別に永久のカナシという程の状況の曲でもないような。何で曲名がコレで中身がこんな普通になっちゃったんだろう。
曲自体はV系とビート系の間を取ったようなマイナー調のアップテンポの曲。スタジオ版ならではの細工がちょいちょい入るので、生演奏の臨場感はあまりない。
メロディ展開も何だか唐突なような。
6.earthy world ★★
なんか音楽の幅がもっと広かったような気がしてたのだが、ここに来てビート系以外の何物でもない曲登場。完全に一時代前の曲。
詞は「上手く話せるか分からないけど 今日は少しだけそんな話をしよう」と前置きをしたうえで、
今まで出逢った仲間達への感謝を、もう行間を読みようもない程みっちり説明している。少しだけ…?もう詞というか文章。曲にリズミカルに乗せる努力をしようよ…。
今から俺いい事言うから聞きなよ的な「インタビューで答えたんだ ~って」の倒置もウザい。
しかし「本気でぶつかり合えるメンバーに出逢えて」「俺たちの馬鹿な夢に付き合ってくれる仲間たちも増えて」といったストレートで青臭い詞は、
やたら曲名やサビに英語入れたがる気取り屋のビート系とは明らかに違う。
この世界観は綾小路の…まさかのヤンク・ロック!?
7.畢生皐月プロローグ ★★
「Can't take my eyes off of you」みたいなリフを軸に、
ソフトバレエみたいな打ち込みをフィーチャーして展開するマイナー調デジタルロック。また変に懐かしい路線を…。
彼らの演奏はしっかりしているが、曲自体行き詰まったジャンルの焼き直しという感じなので、これが丁寧に弾けたからといって今更何になるんだろうという印象。
8.アイ・アム Riri ★★★★
TAKUYA∞の奇異な作詞センスが眩しい物語調の曲。
まず、悲しげなスパニッシュ風ギターに乗せて、TAKUYA∞がラップのような語りのような何やら解釈が難しいリズムで、Ririという囚われの歌姫の物語を語る。
しかも途中で自ら「それは それは 悲しみのストーリー」と煽る。荒技。サビで鳴るゲーセンのテトリスみたいな電子音もなかなか珍妙。
そして時は現代、外界と隔離されたライブハウスで歌う自分になぞらえて「俺たちは現代のRiriとも言えよう」とくる。イヤ言えようじゃなくて。
要するに「俺たちは現代のRiriとも言えよう」「Riri?誰?」「俺が考えた美しい歌姫だ。オリキャラだ」という事だろうか。
大丈夫だろうか。妄想成分多すぎな気が。なぞらえる相手くらい実在した人物にした方がまだ痛々しくなかったのでは。
結果物凄いオリジナリティが出てて面白いからいいんだが、これが女性で、
「私の前世はリリィという美貌の歌姫… 美しすぎる余り妬まれて囚われた悲劇の美女なの」とか作詞してたら完全に袋叩きだったのでは。
TAKUYA∞がRiriを演じて、聴き手が「これはTAKUYA∞がライブハウスで歌う姿になぞらえてるんだな」と自発的に気づく形にすべきだったのでは。
自ら「言えよう」はマズイ。
9.恋いしくて ★★
まず送り仮名が…。自分のPCでは「恋しくて」以外の送り仮名のパターンが出ないが、きっとPCが古いせいだろう。
曲はラブバラードなのだが、歌謡曲丸出しの古典的な作りのため飽きが早い。
しかし、ベッタリ8ビートな曲に対し、TAKUYA∞の歌の乗せ方のリズムがかなり自由で、
部分的にちょっとリズムにハネが加わったような不思議な仕上がりになっている。スゲエぜTAKUYA∞。結果的にはキモくなってるだけなのだが。
徳永英明が他人の曲を歌うと、本人のリズム感覚で原曲と全く違う形に仕上げたりするが、あの感じに近いかも。まあこれ原曲だけど。
詞は意外にも普通に綺麗な出来。
10.Forget ★★
作に多いアップテンポなビート系の曲。
曲自体はバンプの「グロリアスレボリューション」とかあんな感じの曲をちゃんと演奏して、モゴモゴした電子音を足したような出来で、既聴感は強い。
演奏はちゃんとしてるが、BREAKERZがあれだけ良いミュージシャン使ってしまった後だけに、
今更こういう曲がそこそこ上手く演奏できたところであまりインパクトが無い気が。
11.Just break the limit! ★★
どうも彼らは曲をサビで始めるのが好きなようで、この曲もそれが一層古臭い印象を与えてくるビート系の曲。演奏は手堅いが意外性は無い。
今作中では1サイクルがコンパクトにまとまった部類に入るサビを有してはいるが、エルレみたいなメロディで既聴感が増してる印象。
どうもメロディメイクの幅が狭い気が。最後にDメロを持ってきた展開は面白いが。
12.和音 ★★★★
ミカバンドの「黒船」のメタル解釈みたいなインスト。歌重視でバンドの見せ場の少ないTAKUYA∞曲のうっぷんを晴らすような派手な曲。
歌詞は1つのテーマに対して例えのパターンが多すぎてギチギチ、しかもメロディが今ひとつ古臭い今作の流れの中で、
インストというものが非常に新鮮に聞こえる。やはり言葉で説明しすぎると音楽の部分が勿体無い。
よく聴くとギターはそんなに上手くないような気もするが、演奏陣はHR/HM路線を希望してることが伝わるような曲。
ミクスチャーバンドといっても、実はそんなに色々混ぜたくないのが本音なのでは。
13.ハルジオン ★★★
なんかハルジオンとかリリィとか曲名が…。
今作中ではかなりポップなサビメロを有する曲。音量のダイナミックな変化が彼ららしい。
なんか電子音の細工が古臭いが、ひたすらテンポの速いビート系の曲よりは聴き所がある気がする。
詞もテーマは明確なんだが曲に乗せるとどうも…。
「忘れられないこの一言」でわざわざ引きつけた後の台詞部分とか、前後が慌ただしすぎてどこからどこまでが一言なのか分かりにくい気が。
14.YURA YURA ★★
序盤に見せたカオスな曲調が戻ってこないまま迎えるラストナンバー。ここまでの流れ通りのアッパーなロック。
終盤になるにつれてなんかラップも減ってるような…。どんどんミクスチャーじゃなくなってるが今後の方向性の暗示だろうか。
各メロの繋ぎをブレイクで処理する編曲も古臭い。ギターも似たようなプレイばかりな気が。
歌も本人なりの美学に基いて強弱をつけてはいるのだが、曲ごとの歌い分けはあまり感じられず、さすがに飽きてくる。
序盤こそ「思ったより演奏も歌も上手いし、ラップも独特だな」と聴き入ったものの、なんだか尻すぼみな印象。
総評.★★★
全ての詞、ほとんどの作曲、そしてボーカルと打ち込みを担当する面白イケメンTAKUYA∞率いるUVERworldの4th。
ジャンルを限ればバンドに充分な演奏技術はあるが、それでもTAKUYA∞のワンマンバンドという印象が強い。
演奏は正確だが人為的な癖がなくて無機質なのも演奏陣の脇役臭さの一因かもしれないし、
メンバーのノリが悪くて∞とか1/2とか6/17とか付けないから影が薄いのかもしれないが、
何よりもTAKUYA∞のボーカルだけ特権的に野放しになってることが大きい。
普通は歌も含めてリズムの頭が揃うほうがバンドの一体感が出るが、
TAKUYA∞はスタンドプレイ的にタメを作ったり、誰とも合いようがない無理なリズムで歌を乗せたりと協調性に欠ける。
いらない詞を削るべきところで、むしろ詞を丸々活かして歌のリズムの規則性を犠牲にする、という判断自体、
普通のバンドなら「ちょっと待て!その詞本当に全部必要か?」とメンバーに突っ込まれる所なのでは。
彼は熱いメッセージをきちんと持っているという点では変に詩人気取りな輩よりいいのかもしれないが、
いろいろ書きすぎて行間を読ませる要素が無く、言葉に深みが無くなってる印象。
作曲でもそうだが、必要な部分だけに絞って内容を濃くする手法を取らないため、旧態依然としたビート系から抜け出せないといった感じ。
どうも彼らは80年代に突入する以前の音楽を丸々シカトしてるようで、作曲面でもビートルズ的なコンパクト3分ポップスの要素は全く無いし、
演奏面でもジャズやブルース、カントリー、ファンク、ソウルなど、同世代の他バンドが当たり前に手を出すような主要なジャンルの影をほとんど感じない。
かといってシューゲイザーやらチップチューンやらに手を出すでもなく、革命を起こすには元手が寂しい。
ただ詞は良くも悪くも独特で面白い。今作中の詞にも「笑いたきゃ笑いなよ」とあるが、本人が自分自身を客観的に見ることができている通り面白い。
本人が許可したからって本当に笑う奴はゲスだと言われるかもしれないが、
どこまでが「笑わせ」でどこからが「笑われ」であろうと、面白い以上は笑いで返すのがあらびき候補生への礼儀だと思う。
演奏が下手でない以上TAKUYA∞次第でいくらでも化ける可能性のあるバンドだが、今ちょうど面白いのであんまり変わってほしくない気も。
このまま歳をとったら三十路半ば頃にどうなってるかを見たい。多分∞が無くなってると思う。
ともあれ今作は、革新的な音よりむしろ保守的なビート系が好きな人に向く1枚。あと今のうちに∞を感じたい人に。
(★5個が満点。tr.10,13は一部差替え)