アルバム全曲レビュー * アーティスト名 : さのもとはる。

Reviewer:20th. 473-477 名無しのエリー2009.02.01.

1.Sugartime ★★★
静かに幕開けする一曲目。出だしの音からまさに80年代ポップスと言う感じの音で、今では古さが目立つ気がする。
ただよく聞いてみると、あっさりしたファンクっぽいボーカルが見事に曲調にしっくりきている。
Cメロのメロディなんか邦楽によくあるしっとり歌い上げ系のボーカルの人が歌ったらガタガタになりそう。
2.Happy Man ★★★★
チープなピアノが印象的なファンク寄りな曲。ボーカルもそれに合わせてテンションが高い。
サビ部分のシャウトに呼応するようにタイトに鳴るドラムが印象的。良く聴くと聴こえる電子音も効果的。
展開としては一曲目と微妙に被る気がする。ただ、上手く詰め込んだ歌詞と独特のコード進行からこちらの方が印象は強い。
3.DOWN TOWN BOY ★★★☆
まったりとしたシティポップスな80年代的アレンジと、60年代的なメロディが合わさったようなミドルナンバー。
綺麗に流れるようなメロディラインは特筆もの。短いサビが最大限に生かされるこの展開を嫌う人はいないと思う。
中村一義の「天才とは」的な曲で、そのように見られることは少ないが、佐野元春のメロディーメイカーとしての才能が伺える。
4.二人のバースデイ ★★★
なんとなーくティンパンアレーを思わせるような雰囲気。ピアノをフィーチャーして、独特なリズムで聞かせる。
引き締まった部分から、ふわっとゆるくなる部分に移行するのが特にティンパンっぽい。
ちょっとお洒落な感じで、アルバムの中の一休み的な一曲。
5.麗しのドンナ・アンナ ★★★★
イントロのアコギのストロークが、かなり大滝詠一のウォールオブサウンドからの影響を感じる。
ただ、サビの美しいメロディは初期佐野元春の、都市に生きる少年少女というコンセプト通りの印象。
美しいコーラスと共に「I believe in you」と歌われるところがグッとくるが、曲自体は次曲の前座的なアレンジ、展開として生かされている。
6.SOMEDAY ★★★★☆
何か佐野元春=サムデイという印象が付いてるんじゃないかと言うほど代表曲。
ブルース・スプリングスティーンのハングリーハートを思わせるイントロ、しかしボスのそれよりも日本歌謡曲的で、ヒットを飛ばしたことも頷ける。
個人的にいきなりこのイントロが始まるのではなく、ドラムのフィルインを入れてからの始まり方は曲に自然と入っていけるので好印象。
あとはご存知、都市に生きる少年少女を描いた良い歌詞(村上龍がこの曲に影響されて作品を書いたという)を崩したメロディラインに乗せた名曲。
80年代、リアルタイムでこの曲を聴いて、希望を感じていた人がたくさんいるんだろうなぁ、と思うと何か感動。
7.I'm in blue ★★★
この曲もナイアガラサウンドでシティポップスなまったりした感じ。
印象としてはダウンタウンボーイに被る。柔らかい感じの演奏がさらに似たような雰囲気が漂う。
サビメロも柔らかい。ただサビの終わりにさくっとフックをいれるような展開はすごくいい。
8.真夜中に清めて ★★★
ウォールオブサウンドで隙間を埋める曲が目立つこのアルバムだけど、この曲はストリングスで静かに固めたバラード。
どこか神秘的なメロディからシャウトに切り替わる瞬間はスカッとする。
しかし曲的にはやや小品なイメージ。
9.Vanity Factory ★★
この曲はちと古臭さが先行してしまっている気がする。
演奏とかはロックンロールなかっこいい感じだけど、歌メロはやや歌謡曲的で微妙にミスマッチ気味な気がする。
やたら耳について離れない、中毒性のあるコーラスも個人的にはマイナス。
10.Rock&Roll Night ★★★★☆
表題曲と並ぶ、大規模な曲。
いかにも佐野元春らしい、次々とその内容が飛び込んでくるような歌詞、展開のめまぐるしさが特徴の名曲。
…なんだけど、ちょっと前にライブ版を聴いたことがあって、比べると不満なところが多い。何か迫力に欠ける印象。
でも色々言いたいけど、そこら辺を差し引いても素晴らしい曲だし、ぜひとも一度は聞くべきなんじゃないかな。ジャングルランドとか言わずに。
そもそもこの曲の価値はジャングルランドとは別方向にあると思うんだけどね。
11.サンチャイルドは僕の友達 ★★★★
いいメロディの弾き語り曲でまったりと〆。
伊藤銀次のコーラスがなかなか美しい。
総評.★★★★☆
佐野元春の初期三部作の最終作にして、ようやくヒットを飛ばし、ロックファン以外にもその名を知らしめた3rdアルバム。
とにかく佐野元春=サムデイという印象を強く与えてしまったアルバム(そのせいもあってかどうか、本人は一時期サムデイを封印していたという)。
そしてナイアガラ・トライアングルへの参加によってか、大滝詠一ナイアガラサウンドに影響を受けたアレンジが目立つ。
全体的に今ではやや古さを感じるが、完成度が高い楽曲と全体の流れは素晴らしい出来。
その上、当時はメロディを崩して歌詞を乗せる、というのは邦楽ではポピュラーではなかったので非常に衝撃的だったという。
ただ、初期の佐野元春はブルース・スプリングスティーンやスタイルカウンシル等の影響が強すぎ、一部では強い嫌悪感を持つ人もいるのも事実。
また逆にこのアルバム以降の、ニューヨークから帰国後のラップを取り入れたスタイルは保守的なファンには認められず、
初期三部作が神格化されているという極端な一面も持つ。
とにかく、日本語をロックのリズムに乗せるということを一般的に広めたということで、邦楽において高い価値のあるアルバムの一つだと思う。
尾崎豊、吉川晃司、THE GROOVERS、the pillowsなどルーツとする人は多いので、この名前に聞き覚えがあるなら一聴の価値はあると思います。
夜の雰囲気が好きで、音楽を聴くことによってあの独特なシンパシーや希望を感じたい人に特にオススメです。
(★:2点,☆:1点の計10点満点。)

Reviewer:19th. 37-38 名無しのエリー2008.08.09.

1.COMPLICATION SHAKEDOWN ★★★★★
初っ端からラップを本格導入した意欲作。シャレたベースリフから流れるようなメロディのサビに移る瞬間は爽快。
2.TONIGHT ★★★
佐野元春らしい都会的な疾走感。歌詞はニューヨークについて。メロディと良くなじむ。
3.WILD ON THE STREET ★★★★
今度はファンク調。1と同じくベースリフ中心で、そこからスネア連打からのサビがスカッと。
4.SUNDAY MORNING BLUE/ブルーな日曜の朝 ★★★
いかにも80年代的なバラード。曲構成と間奏の上手さが上手く曲を引き立てているなあ。
5.VISITORS/訪問者たち ★★★★
イントロのフレーズでガンガン引っ張る爽快なナンバー。
淡々としたメロディ、歌い方は当時好き嫌いが激しかったことを感じさせてしまうか。
6.SHAME/君を汚したのは誰 ★★★
佐野元春らしい、似たようなフレーズを繰り返すバラード。
こういう曲やったら彼の右に出るものはいない。彼がやるからこその要素も多い。
7.COME SHINING ★★★
ここで再びラップ。1、3と比べるとややインパクトに欠けるものの悪くない。
8.NEW AGE ★★★
イントロが終わりを感じさせる。疾走感がありながらも穏やかにアルバムを〆る。
微妙にラップの要素も含んでいる。
総評.★★★★★
約一年間のニューヨーク生活から帰国してからリリースしたアルバム。
今作でラップを取り入れたのはメジャー系レーベル所属の日本人ミュージシャンで初と言われている。
発売当時はファンもマスコミも先進的過ぎて上手く理解できず、一部賛否両論ではあったが、
ラップが広く浸透している現在の耳で聞くと非常に高い理解度で消化できていると言える。
とても日本初とは思えない。現在でも「ここが何か違うなー」と全く思わせない(元々ラップと相性の良い音楽性ではあったが)。
トータルアルバムとしてもレベルが高く、歴史的名盤として扱うのも当然かと思われる。
最近のラップのチャラチャラした感じも少ないので、嫌いな人や入門としてもオススメ。
(★5個が満点。)

Reviewer:3rd. 752 名無しのエリー2002.11.28.

1.欲望 ★★★ ゆったりとしたリズムでアルバムに深みを与えている。
2.トゥモロウ ★★☆ ポップなソウルナンバー。僅かながらメロディーと歌詞の噛み合わせが悪い印象。
3.レイン・ガール ★★★★☆ 軽快なビートと優しいメロディーが気持ち良いロックチューン。
4.ウィークリー・ニュース ★★★☆ 戦争をテーマにした曲。的を射た歌詞が詩人としての質の高さの証明。
5.君を連れてゆく ★★★★★ ん~名曲♪。最初は地味な印象だが、聴き込むごとに深みに唸らされる。
6.新しいシャツ ★★★ このアルバムではさほど際立った印象はない。
7.彼女の隣人 ★★★★ とにかくメロディーの素晴らしさに惚れ惚れした。
8.ザ・サークル ★★★☆ 沈み込む感じの歌詞、曲調が印象的。
9.エンジェル ★★★★ 暖かみのあるポップバラード。オルガンがいい味出してます。
10.君がいなければ ★★★★ 力みゼロの囁くような歌唱が素晴らしい佳曲。
総評.★★★★☆
R&B、ファンクを基調にしながら、独自の表現を深化させた名作。歌詞も当然ながら素晴らしい。
ただ、ぱっと聴きは結構地味な内容なので、最初は「ナポレオンフィッシュ~」(89)「フルーツ」(96) がお勧め。
初期のものは安易なフォロワー達によって消費され尽くしているので・・。
(★:2点,☆:1点の計10点満点。)

Reviewer:18th. 28-30 名無しのエリー2008.05.05.

1.インターナショナル・ホーボー・キング ★★★★ 少し意外なイントロでスタート。ビートルズからの影響が色濃い。
2.楽しい時 ★★★★
人によっては恥ずかしさを感じるかも知れないけどこれくらい突き抜けてた方がいいね。本当に楽しくなってくる良い曲。
3.恋人たちの曳航 ★★★ 変拍子ではないが3拍子になったり4拍子になったり。ふわっとしたストリングスが癒される。
4.僕にできることは ★★★ タイトルからは想像つかないほど明るい曲。軽快で聴きやすい
5.天国に続く芝生の丘 ★★☆ パーティーとかシャンデリアを連想させるワルツな曲。やや地味ながら次へつなぐ良い役割を果たしている。
6.夏のピースハウスにて ★★★★☆ インストながら完成度が高い。ストリングス中心で爽やかで涼しげでなかなかいい。
7.ヤァ!ソウルボーイ ★★★★☆ イントロでやられた。特に前曲がインストだから更に来る。夏の名曲といっても良いでしょう。
8.すべてうまくいかなくても ★★★★ バラードながらここまでの勢いを止めないというか… とにかく流れが絶妙で、曲調が絶妙。
9.水上バスに乗って ★★★★☆ まさに水上バスに乗っているかのような潤った疾走感が堪らない。爽やかで聴きやすい。
10.言葉にならない ★★★ ちょっとここで一休み。しかし良い曲ではある。
11.十代の潜水生活 ★★★★ 「水上バスに乗って」のような瑞々しさを持つ軽快な曲。どっちかって言うと向こうのほうが良かったりする。
12.メリーゴーランド ★★☆ ピロウズのストーカーを思い出した。かなり重い。夜のイメージ。
13.経験の唄 ★★★ 同じメロディーが続くのに飽きないのは秀逸だからだろう。まったり出来る良い曲。
14.太陽だけが見えている・子供たちは大丈夫 ★★★ ラップ曲。前曲と比べて軽すぎるんじゃないか?と思ったが…
15.霧の中のダライラマ ★★ 次に繋げる小品。ここで一旦少し重くして…
16.そこにいてくれてありがとう ★★★ ここでふわっと軽くする。14で軽くした理由がわかる。ヘロへロのフレーズが終わりを感じさせて良い。
17.フルーツ・夏が来るまでには ★★ 語りで〆。演奏が幻想的で良いんだな。
総評.★★★★★
佐野元春はこれで初めて聴いてけどすごく衝撃を受けた憶えがある。だから佐野元春の入門盤として良いと思う。
一部、盛り上がる曲とスローテンポな曲が交互に並んでるんだけどそれを全く感じないスムーズな流れが素晴らしい。
アルバムの核は無いけど捨て曲は無いし、夏っぽさが本当に良い。まさに夏が来たら聴きたくなる名盤と言えると思う。
大勢で楽しみたいときにどうぞ。
(★:2点,☆:1点の計10点満点。)

Reviewer:15th. 345-348 名無しのエリー2007.07.30.

1.星の下路の上 ★★★★
ブリッジミュートのギター、頭打ちのドラムに、裏拍を意識した軽やかなベースが絡む王道ロック。
保険的に色々な音を入れておこう的な曖昧な要素がなく、必要な音のみでシンプルにすっきりまとめている。
メロディも非常にシンプルだが、ベタな出来かというとそうではない。練りすぎて失敗するアーティストが大半だからである。
メロディアスにする必要のある曲と、逆にマイナスに作用してしまう曲の分別基準が彼にはある、ということだろう。
聴いた時に物足りなさは感じない。
2.荒野の何処かで ★★★★
思い切りシンプルにしたAメロのベースが印象的なミドルテンポの曲。
いわゆる古き良きロックだが、他のアーティストとの違いは、60’s、70’sっぽいこもった音作りでなく、あくまでクリアな音作りにしている事か。
各パートの聴き易さ、風通しの良さは、畑は違うが佐藤竹善あたりの音作りに近いかも。
3.君が気高い孤独なら ★★★★
アップテンポのストレートなロック。
今作はコヨーテ男の物語をテーマにしているという事だが、そうした説明を聞かなくても分かるほど作中の曲に「君」への呼びかけが多く、
聞き手に自発的に何かに気付かせる作りになっている。
「君」がどんな人物を指すのかを詞から想像しながらコヨーテ男の人物像を組み上げていくのも一興。
サビ終盤の、dimの構成音をキレイに使ったベースラインが爽快。
4.折れた翼 ★★★
キーボードとピアノ、アコギを前面に出したシンプルな歌重視の曲。
後方でそっと鳴る歪んだギターが印象的。サステインのない前半のベースの音が切ない。
徐々にエモーショナルな展開になるが、全く別の要素を持ち込んだり、弾き込みすぎたりしないようにして曲が2つに分かれてしまうのを防いでいる。
5.呼吸 ★★★★
優しいピアノとアコギに乗せて佐野が「僕は君の味方」と語りかける曲。
虚ろで儚い今曲のイメージからすると、「君の味方は僕を含め大勢いるよ」というより
「君には味方は少ないかもしれないけど、せめて僕を味方だと思ってほしい」という感じか。
不特定多数に向けて「皆の事応援してるよ」と無責任に投げかける曲ではなく、特定の人(多分孤独な人)に向けて歌っている印象。
6.ラジオ・デイズ ★★★
Aメロの歌メロのリズムが良い感じ。間奏のキーボードソロも何ともポップな仕上がり。
途中テンポダウンしたり、全体的に間奏や後奏を長めに取ったりと、構成に一工夫ある曲。
この曲を聴いた時点での自分のコヨーテ男のイメージは
「ずっと昔から良い音楽を発信し続けているが今さほど認められていないミュージシャン」みたいな感じ。
もしや転じて佐野のことかも?ドラマタイアップ曲以外はそんなに売れてないし。
7.Us ★★★
シャラシャラしたギターの鳴りと変則的な拍子が印象的な曲。基本的にはここまでの流れ通りの王道ロック。
「君がここで倒れるわけにはいかない」というサビのフレーズ時にはリズム体も伸ばす音に切り替え、詞への注意をひかせる作りにしている。
8.夜空の果てまで ★★★
シンプルながら音粒の良いベースが印象的なミドルテンポの曲。
Aメロに入るとベースは伸びやかなプレイになり、テンポの良い歌がリズムの主導権を握る展開に。
間奏のキーボードソロは随分あっさりしているが、ハイトーンを往き来するベースとの相性は良い。
9.壊れた振り子 ★★★★
「壊れた振り子は傾いたまま」のフレーズが印象的な、ムードのあるマイナー曲。
単体で練るのではなく、コードの流れと上手く連動した美メロは秀逸。
各パートとも演奏の密度も濃く、聴き応えのある曲。
10.世界は誰の為に ★★★
吹っ切れた明るい曲。
サビでは安易なエフェクトや楽器の足し算、極端なバカテクに頼らず、芯のある演奏で疾走感を出している。
派手好きな人には今一つかもしれないが、佐野の導いたロックの一つの答えとして納得はできるのでは。
個人的にはゴテゴテしたものより、この曲のアウトロのような渋めの盛り上げが好み。
11.コヨーテ、海へ ★★★★★
非常にシンプルで真っ直ぐなバラード。
引き締まったシャープな演奏に乗せ、佐野が「もう夢など見ない 希望は切ない」と呟くように歌う瞬間の緊迫感は凄い。
作中全般であまり高いキーに行かず、淡々とした印象だったボーカルが、ここでついにエモーショナルに。
アルバム全体で一つの物語にしたいという意図が伝わる構成。一句一句が重い。最後は波の音で締め。コヨーテ男は彼方に。
12.黄金色の天使 ★★★★★
「また君に会えるのはいつの事になるだろう」の始まりが非常に印象的。
「ジャスミン・ガール」等に通じる明るい曲調に前向きな詞が乗る、ほっとするラストナンバー。
単に陽気なオチをつけるのではなく、まだ続いていく物語として歌われていることがまた瑞々しい。
「君は君のままで歩いて行くんだろう」のフレーズからは、別の道を行くコヨーテ男に対し
佐野が「あれから元気でやってるか」と呼びかけて互いの無事を確認し合うような親しみが感じられる。
総評.★★★★★
フロンティアーとして邦ロックを牽引する役割が一段落し、一線を退いてマイペースで作品を発表する立場になった
…かと思われた佐野だが、今なおこのクオリティ。
同世代は勿論、後発のアーティストで「彼らは大丈夫だ」と思っていた人達でも劣化が始まっているように感じる昨今、佐野元春は健在だった。
音作りも現代的で、50歳になろうという今でも時代錯誤感なし。
元気でやってるのが分かればそれで良い、位に思っていたが、今なお一線の人とは。
音的にはかつてのように、早期にラップやスカをロックに導入したり、レゲエでクリスマスソング作ったりといった先進性はないが、
歌謡曲っぽさゼロのスタイリッシュなロックは相変わらず。
源流としてのロックを鳴らし続ける姿には、ロックの一つの結論を手にした確信が感じられる。
昔に比べて技術面でのこだわりは薄れた気もするが、メッセージ性を前面に出したコンセプトアルバムであることを考えれば正しい判断か。
実際、演奏はシンプルなので自然に歌詞に耳がいく。音楽だけで伝えることに成功している作品。
長いインタビューでの付けたし補足を読んでやっと「ああ、そういう曲なのか」と納得できるような作品が多い今日にあって、
聴いた時に自分なりの解釈ができる今作は貴重。
名盤なのかは分からないが、確実に一つの成果を手にした稀有な作品。
(★5個が満点。)