アルバム全曲レビュー * アーティスト名 : いのうえようすい(あんどれ・かんどれ)。

Reviewer:避1st. 52-53 名無しさん2009.02.25.

1.青い闇の警告 ★★★★★
ギターが衝撃的。イントロからビビる。ギターリフが痺れる稀有な陽水ソング。
大麻取締法違反で留置所にいたときに作られた曲。歌詞は難解かつ暗い。
割られたガラスを心のように並べたりする
2.ミスコンテスト ★★☆
留置所産その2。ボブディランの影響色濃し。
ミスコンを皮肉る唄。意図的だろうが起伏がない曲
3.white ★★★
エレピ?が美しい曲。収録曲中この曲だけ3分いかないが唄は三番まである。
歌詞は抽象的かつ怖い。子供が家に帰れなかったり…
4.愛の装備 ★★★★
山下達郎っぽい軽やかなポップス。
一見先頭からの流れにそぐわないが、明らかにどん底な01,02に対してアレンジがきらきらした03が流れを変えてたんだなあと気付かされたりもする曲。
あともっといいタイトルあったろうに、とも思う。
5.迷走する街 ★☆
印象に残りづらい。起伏のないスローナンバー。02を思わせる暗さ。
ここでやっぱ04は異端だったと気付かされる。
6.ダンスの流行 ★★
急に『アジアの純真』を思わせる単語の羅列と明るい曲調にびびるが、なるほどレコードだとここからがB面。
こじゃれたピアノが印象的
7.甘い言葉ダーリン ★★★★☆
憂鬱な午後って感じのミディアムバラード。
退廃的で起伏も乏しいが不思議な上品さが漂う。サビのバックコーラスとエレピ、間奏のピアノが美しい。
惜しむらくはタイトルが…
8.暑い夜 ★★★
確かこれだけ陽水作詞ではない。暑い夜にボクシングの生中継を見てる詞。
ギターリフはダサく音もイマイチだが随所ではねてるピアノがよい。
9.灰色の指先 ★★★★
このアルバムで一番暗い。ひとりの男について歌ってる。
男が人混みに紛れてしまった次の行で「この街で205人が今日生まれ203人の死亡」
10.Bye Bye Little Love ★★★
異常に派手なブラスが鳴り響く中バイバイバイリルラーブウーウウウウーとサビが歌われる。
09からの流れで聞くと気分はどん底のはずが同時に不思議なカタルシスも覚えてしまう曲
総評.★★★★☆
大麻騒動のあと最初に出されたアルバム。
ひたすらに暗いが重苦しい空気が全体を貫いてるかというとそうでもなく、04や06などがガス抜きになってる。
社会派だった70年代の作風とAOR風の80年代の作風の過渡期のものだが、どっちつかずではなくいい具合に折衷されていて素晴らしい。
(B'zでいうところの『SURVIVE』、宇多田なら『DEEP RIVER』みたいな)
難をいうなら本当に暗いこと。
ここでかなり好き嫌いが分かれそうだがアレンジや歌詞の切れ味などは完璧(曲に関しては次作以降が黄金期かな)。
黒白赤の三色を基調にした写真(白シャツを着た陽水が赤いコップ?を鼻に当ててる。背景は黒)のジャケもクール。
一般に言う「最高傑作」にはなりえないだろうが、ファンのフェイバリットとなるとちょくちょく名が挙がりそうな一枚。隠れた名盤。
(★:2点,☆:1点の計10点満点。)