アルバム全曲レビュー * アーティスト名 : なぎさようこ。

Reviewer:20th. 259-265 名無しのエリー2008.12.23.

1.ニュー・トーキョー ★★★☆
横山剣提供のゴージャスなジャジーポップス。この手の曲は横山のような渋い声の歌手が歌うと映えるが、女性だと手玉に取るのは難しい。
渚ようこはというと、なんと曲に入り込んでしまった。歌謡曲ではなく、ヴォーカルジャズのようにすんなり聴けるのが素晴らしい。
バーボンやマティーニのようなキツめの酒が欲しくなるトラック。
2.かっこいいブーガルー(クレイジーケンバンド) ★★★★
CKBアルバムから収録された渋いAOR...というよりフュージョンだな。
後に出現する半田健人バージョンとは違う、凄まじくシャレたジャジーポップス。
アレンジと横山特有の渋くも耳障りのいいセクシーなヴォーカルのおかげで普通にゆったりとしたオシャレなトラックに変貌してしまっている。
せっかく、いい意味でダサいメロディーがおしゃれになってしまってはかわいそう。例えるなら、竹の子族に現代のジャズダンスを教えるようなもんだ。
冒頭とエンディングのナレーションもダサくしようとしたが単なるライブバージョン。
正直、もっとダサくしてもいいとおもうぞ。CKBなら許されるぞ、多分。
3.愛の逃亡者 ★★★☆
2003年のシングルから。コーラスワークが昭和のソレだが、どこか洗練されている。
にも拘らず、歌詞は相対するかのように暗い。蛍光灯を求めるくらいに暗い。
あまりのギャップに戸惑うかもしれないが、昭和歌謡自体がカオスみたいなもんだし、こういう曲に乗せたほうが、かえって曲に感情移入しなくて歌いやすいかも。
是非ともナナハンに乗りながら聴いて欲しい。
4.シャム猫を抱いて ★★
『Yoko Elegance 渚ようこの華麗なる世界』より。浅丘ルリ子のカバー。阿久悠はこの曲のカバーを面白がったらしい。
曲自体はシンプルだが、たしかにクラブで受けそうなゆったりしたジャズ歌謡。
が、それだけでミニマルすぎるコンパクトな世界はとっつきにくい。
5.サイケでいこう ★★★
『アルバム第一集』より。今となってはレアなサイケ歌謡。本当にアレンジというかギターがサイケw
ソレを歌謡曲に乗せようとは...ちょっと狂ってるな。
トリップというよりはボーッとしたいときにオススメ。このミスマッチに馴染めるかどうかがポイントだろう。
個人的にはアリだが、もっとコッテコテにしちゃってもいいんじゃないかとおもう。
6.ブーガルー・ベイビー ★★★★
『アルバム第一集』より。ライブでもリクエストが多いという楽曲。これは今でも踊れると思う。
前曲のサイケデリックギターはここでも健在だが、前曲よりは馴染んでいると思う。
ギターソロもイキイキしてるし、ドラムもケレン味が効いているんじゃないだろうか。
歌謡曲としても評価は高いが、個人的にはクラブ向けロックとしても評価できると思う。
7.この胸のときめきを ★★★★☆
『Yoko Elegance 渚ようこの華麗なる世界』より。プレスリーを始め、多くの歌手がカバーしたダスティ・スプリングリールドの楽曲。
CKBの演奏はしっかりとしており、渚も歌謡曲特有の哀愁を前面に押し出している良曲。
やや大げさなのが素晴らしい。
8.伊勢佐木町ブルース ★★★
『ヨコハマメリー』サウンドトラックより。まさかこの曲が入るとはw オリジナルは青江三奈の大ヒット曲。
オリジナル特有の色気と寂しさはないが、がんばってあの空気を出そうとした結果、モノクロフィルムのような曲に。
まぁ、映画音楽としては正解だが、物足りないと思うのはオリジナルのせいかも。
これをアレンジしたコモエスタ八重樫は何者だw
9.二日酔い ★★
メジャーデビューアルバム『Hey You!』より。梓みちよのカバー。
蛇足だが、阿久悠曰く「歌詞のモデルは作曲を手がけた森田公一」だとかw
で、渚も二日酔いでレコーディングしたという、心身ともにタイトル通りの曲。
歌のバックは往年の歌謡曲らしい、歌を支えるいい仕事をしているのだが、ところどころに出てくるシンセが非常にウザい。これは必要なのか?
10.世迷い言 ★★★★
『渚ようこ meets 阿久悠 ふるえて眠る子守歌』より。日吉ミミのカバー。
なんと、作詞:阿久悠、作曲:中島みゆきと今となっては絶対にありえない組み合わせ。とんでもないな、昭和って。
まぁ、曲調は皆様の予想通り、中島みゆきらしい暗いメロディー。にも拘らず、阿久氏はサビでこっそり(?)遊び心を加えている。
ピアノメインのため、中島ワールドっぽい曲だなぁ。
11.哀愁のロカビリアン ★★★
メジャーデビューアルバム『Hey You!』より。作詞:阿久悠、作曲:宇崎竜童という今見れば豪華な作家陣によるバラード。
阿久氏による歌い手の悲劇を宇崎のメロディがドラマティックに描き、それをGaryがバイオリンとピアノで盛り立てる傑作クサメロ歌謡へと変貌。
あまりにクサいので、お子さんリスナーには少々きついかも知れん。
12.OTOME ★★★★☆
『渚ようこ meets 阿久悠 ふるえて眠る子守歌』より。前曲と同じ作家陣でお送りするアコギ中心のバラード。
おそらく、メロディの泣き具合がアルバム中一番じゃないだろうか。
決して、照明がロウソク一本のみで、他のBGMが山崎ハコしかないような環境で聴いてはいけない。気が滅入る可能性が大きいから。
タイトルがポップだから、本当にいい意味で騙されたよチクショウ。
13.どうせ天国へ行ったって ★★★(☆)
最新オリジナルアルバムより。なんと、渚にとっては最期の阿久悠提供歌詞となった曲。
このような絶望のように見せかけて、そっと背中を押す歌詞に安心するリスナーも入るだろう。
合間を縫うようなオルガンが優しげで、ドラムは厳しいが全体はやっぱり優しい。そんな阿久の人柄を端的に表したバラードではないだろうか。
"お前ら"呼ばわりしたりされたりする人に聴いて欲しい。
14.かっこいいブーガルー(渚ようこduet with半田健人) ★★★(★★)
(※カッコの中は本気でベタな昭和歌謡がドツボの人の評価)
出たwwwww半田wwwwwwwwww
あの阿久悠がホンモノと認めた真性昭和歌謡ヲタの半田とのデュエットシングル。
2曲目で共に歌った横山以上にダサい(褒め言葉)歌唱とアレンジで凶悪なまでに昭和初期のノリを再現している快作兼怪作。
PVもテラ昭和なので、PVもセットで見ておくことをオススメする。
本当になんでこのイケメンは生まれる時代を間違えたんだろうw はたしてこれは才能を正しく使ってると言えるんだろうか...?
15.アマン(東馬健&渚ようこ) ★★★☆
東馬健のアルバムより。こちらもテラ昭和なムード歌謡。が、ミッc...ゲフンゲフンッ!!
東馬氏の歌唱のせいでどちらかといえば舞台楽曲のように聞こえてしまう。
もちろん、東馬さんの趣味なのか、どこかエロいw この後、チークダンスに突入してもおかしくない曲でもある。
少なくとも、若い人の間で聴くような曲ではないな。R-25だろ、これ。
16.アダムとイヴ ★★★★★
ライブアルバムより。ようやくアップテンポのロックナンバーが登場。
しっとりと歌い上げるイメージがある渚だが、この曲だとロッカーになっている。歌い方も妙にしゃくれているし、シャウトだって使っている。
ソレが様になっているのは...ずるい。惚れちゃうやんけ。
17.ゲバゲバ子守唄 ★★
なんだ、この演歌w
確かに演歌もネオ演歌とかあるくらいだし、ある程度はカオスでもいいんだが、
これは今の時代、逆にアリなのかと問いたい。問い詰めたい。小一時間問い詰めたい。
どちらかといえば大衆演劇で流れていた方が自然。同じ新宿でも、これはゴールデン街で流すような曲ではないな。
で、間奏ではなぜか知らないが、渋いセリフが欲しくなったw
これがシメかと思うと...ボーゼンとしたまましばらく、席に着いたままだな。
総評.★★★★
歌謡歌手、渚ようこ初のベストアルバム。
昭和歌謡の歌い手だけに、カバーも演歌と歌謡曲がセレクトされるが、結構渋いセレクトが多い。
キワモノ(含半田)は後半に固められているが、前半はカッコイイ歌謡曲が多い。
中には、今の時代にも通用しそうなトラックも入っているため、若い人は聴かず嫌いをせずに聴いて欲しい。
30代後半以降は酒のつまみにしながら聴くといい感じかも。
ただし、あまりにベタな半田とのデュエットや臭すぎるミッc...東馬さんとのめくるめく歌謡デュエットで酒を噴出す可能性があるので注意。
昭和が好き、昭和の思い出に浸りたい、昭和を知りたい人にはオススメ。ジャズっぽいシャレた曲が欲しい人は前半をリピートすることを推奨。
(★:2点,☆:1点の計10点満点。)