アルバム全曲レビュー * アーティスト名 : ぢるち。

Reviewer:20th. 534-538 名無しのエリー2009.02.15.

1.ELECTRIC CUCUMBER ★★★★
妖しげな声とかMC入りの深夜音楽ラジオから突然、インダストリアルヘヴィネスに突入。
発売した年を考慮しなくても、十分に濃い曲なんだが、聴きやすいという驚愕の一曲。
所々で喘ぎ声が入ってくるのがエロ過ぎるんだけどw hideの歌い方もエロい。けど、何でこんなにポップなんだよ。大好き。
余談だがこのアルバムタイトル、考えたら卑猥なタイトルだな。
2.INSIDE THE PERVERT MOUND ★★★
デジタル色を強めたミドルチューン。
ノイズがタップリと染み込んだ筋金入りのインダストリアルヘヴィネス...なんだけど、メロがJ-POP。
メタル入門へンとしては十分に機能しているし、飽きさせない工夫もしている。主にフックのつけ方とか。
3.SOLD SOME ATTITUDE ★★★☆
今度はミドルに攻め込む。
静と動の使い方がなんとなくUKチックだと思いつつ、hideのヴォーカルは技術的にはまだまだだが、使い方を心得ていると思う。
なんとなくだけど、サウスパークっぽい曲だなと思った。
4.SPACE MONKEY PUNKS FROM JAPAN ★★★★☆
日本のファンならソロ時代を連想するであろう、軽快なインダストリアルロック。
そういえば、死ぬ前のhideってこんな風にヘヴィメタル要素を取り入れつつ、往年のロックンロールをJ-POPフィルターに上手くくるんでいたことを思い出す。
「PSYENCE」時代が好きな人ならきっと気に入ると思う。歌詞も彼らしいパンクスとポップセンスに溢れる痛快さがある。
ラストは場末のバーで流れているかのようなピアノと音声をラジオレートで垂れ流している意味深な終わり方。
5.SWAMPSNAKE ★★☆
ダウナーなグランジ風スローチューン。本当にけだるい。
こんなにも、もどかしい音を選ぶとは思いもしなかった。
6.WHAT'S UP MR.JONES? ★★★★
なんと、X JAPAN「DRAIN」をカバー。歌詞は大幅に変更しているようだ。
TOSHIが歌うと緊張感が漂う曲になっていただろうが、あくまでhideはこの曲をロックンロールとして軽さを与えたかったんだろう。
ヘヴィネスに仕立てることで、逆に軽快さが前に出た印象がある。
7.HEY MAN SO LONG ★★★
より重くなったミドルチューン。どこかNine Inch Nailsっぽい。アッチとは違って、ヒッキーマインドにむせ返ることは無いがw
はき捨てるようなヴォーカルとポップな声質のギャップが逆に面白い。殴り捨てるかのようなギターとタンタンと進行するリズム隊の対比も然り。
途中ではいるホーンのサンプリングがなんとも言えない味を演出している。で、曲が終わったらまたもラジオ風モノローグ。
8.PSYCHE ★★★★★
で、限界を超えようとさらに練り上げたメロディを歌い上げるhideであった。
これまでに無く、丁寧に歌い上げるhideが見れる、珍しいヘヴィネス。
hideの中にある慟哭が垣間見える、何気に美しい曲ではないだろうか。デジタル音を纏ったヘヴィサウンドをその慟哭でねじ伏せているようだ。
本当はこういう曲で勝負したかったのかもしれない。
9.FUCTRACK 6 ★★★☆
イントロのエロい息使いが非常に気になるw
酔っ払ったかのようなオッサンヴォーカルから突如疾走開始。艶かしい女性ボイスとキッチュな男声ヴォーカルという対比が面白い。
途中のインド風シンセも謎だが、そんなのがどうでも良くなるバカトラック。
10.DOUBT ★★★★★
ソロ楽曲のセルフ(?)カバー。
歌詞は別のメンバーが手がけたのだが、日本語の発音を元に書き上げたという空耳アワー推奨曲だったりするw
おそらく、ソロ時代を含めて、一番爆走しているのではないだろうか。
が、一番らしい曲でもあるんだろうなとも思える。昔からある曲をここまで活かしきれる人はそうはいないだろう。
こんなにもキマった曲をかかれたら期待したくなるじゃないか、hide!
11.POSE ★★★★☆
こちらもオリジナル以上にヘヴィイに生まれ変わったセルフ(?)カバー。
タダでさえ、インダストリアルサウンドは良い曲にするのに時間がかかるのだが、一体この人はどうやって作り上げたんだ? あんなタイトなスケジュールで...。
hideも歌声に凶暴性を秘めているようだ。が、終盤はなぜかラップパートに突入。一体何故?
上手く使っているから反論できないんだがな。
12.EASY JESUS ★★★★
ラストはミドルチューンで〆。こちらでもはき捨てるかのようなヴォーカルが印象的に残るインダストリアルヘヴィネス。
ただ、ポップなだけではなく、重みもしっかり兼ね備えていることをまざまざと見せ付けている。
途中でジャジーなメロディとリズムを取り入れたりと一筋縄では活かせないところもいい具合にひねくれていて良いと思う。
ラストのヒップホップ調のトラックも開放感が出ていると思う。
総評.★★★★
元X JAPANのhideが海外進出に向けて起動させた新バンドの日本デビューアルバム。
X JAPANはロックというか様式美メタルに徹し、ソロではX JAPANでの活動からは想像しにくい、非常にポップな楽曲を連発していた。
この二つの要素が完全に融合したのが、間違い無くZilch本来の姿なのだろう。
PaulとRay、二人が奏でるホンモノのヘヴィネスにhideのポップセンスが加わり、hideの右腕であるI.N.A.がこれでもかというぐらいの職人技を見せ付ける。
だからこそ、アメリカにいたロッカーに受けたのだろう。
こんなにも重く、だけどポップなロックアルバムを1997年に、しかも当時はそんなことをやる日本人はほとんどいなかった中で完成させた。
ゆえにhideは多くの国内ロック小僧に絶賛されたのだと、このアルバムを聴いて思う。
ポップならヘヴィでも平気だという人は是非とも手に入れるべき。そして、インダストリアルロックファンならチェックして損は無い。
(★:2点,☆:1点の計10点満点。)