赤川 次郎
セーラー服と機関銃 |
言わずと知れた、彼の出世作?! 当時小学生だった、ぴょんはこの作品で読書にめざめました。 普通の女子高生がやくざの組長になってしまうお話。 組員達はみんな優しくて、どうしてやくざなんてやってるんだ?、と思うような人達ばかり。とにかく未読の人は読んで下さい。 赤川ワールドの原点です。 |
杉原爽香シリーズ ・若草色のポシェット ・群青色のカンバス ・亜麻色のジャケット ・薄紫のウィークエンド ・琥珀色のダイアリー ・緋色のペンダント ・象牙色のクローゼット ・瑠璃色のステンドグラス ・暗黒のスタートライン ・小豆色のテーブル ・銀色のキーホルダー ・藤色のカクテルドレス ・うぐいす色の旅行鞄 ・利休鼠のララバイ |
このシリーズは今現在(平成14年3月)、続いています。 主人公をはじめ登場人物すべてがリアルタイムで1年ずつ年を重ねて行くため、発刊は1年に1度。 爽香の行くところ、事件が落ちてる?!、このシリーズについては、とてもここでは書ききれないんです。 ただ、登場人物達が自分達と同じように年を重ねて行き、成長していくのがとても楽しみなんです。 爽香はシリーズ1作目は中学生でした。当初の予定では10年でシリーズが終わる予定だったのが、あまりに好評で現在14作…。今はもう結婚しました。 上を見て、お分かりのようにこのシリーズは全て「○○色の…」というタイトルになっていますが、これは爽香の心理や状況を表しています。 これから先もまだまだ彼女の周りにはいろんな事件が起こるでしょう。でも、自分の力で道を切り開いてきた「強さ」が彼女にはあります。黙って見てるだけで?ツライ時もありますが、1人の女性の成長物語をあなたも読んでみてはいかが? |
杉原爽香シリーズ ・濡羽色のマスク |
今回から独立?させてみました(笑)。 『若草色のポシェット』で15歳だった爽香はもう29歳。幼馴染の明男と結婚して2年。ケア付高齢者マンションでの仕事も明男との生活も充実した日々を送っていたのだけれど、事件を呼ぶ体質?の爽香を周りは放っておかない。 旧知の仲である川村刑事がホステス殺人現場に遭遇。殺されたホステスには高校生の娘、里美と2歳の息子がいる…。刑事とはいえ、身体を壊して閑職に追いやられている川村の「刑事魂」と爽香の活躍でいつものように爽やかに解決する…と、書くと「なんだ普通のミステリーじゃん!」となるのだけれど、このシリーズは登場人物の「成長」と「月日」の経過が楽しみなのだ。 今回は川村刑事の不倫にひとつの「区切り」が訪れて、これからの展開に目が離せなくなる…なんて、次への布石もちゃんと打ってある。今回登場した里美はこれから2歳の弟を育てつつ、生きていくことになるのだけれど、「爽香2号」と言っていいようなたくましさを持ってるので、これからの活躍に期待大。 えっ?!、これでは感想になってない?…いや、難しいんです。ミステリーはネタバレ厳禁だし…。展開はね、読んでるとわかるんです。このシリーズはやっぱりミステリーよりも登場人物の「成長」を楽しむものなんです。だから、やはり「順を追って、読んでね」としか言えません(苦笑)。あたしの1年に1度の「お楽しみ」なのです。 |
杉原爽香シリーズ ・茜色のプロムナード |
爽香30歳の春。前作でケア付マンションでの仕事から新しく建築される予定の同じケア付マンションの準備責任者になった爽香は建設予定地に住む門倉老人と出会う。門倉老人には脳出血で入院中の妻がいるがその妻が亡くなったことで、遺産をアテにした息子が建設予定地の立退き料のつり上げを画策。やがて…。 今回も爽香の行くところに事件の臭いがプンプン。「遺産」「ストーカー」「不倫」今の社会を映すキーワードがゴロゴロ。自分の身近にも起こりうる?話のせいか、いつも以上に親近感をもって読めるストーリー。文章も読みやすく、サックサク。 1年に1度のお楽しみはこれから先も「お楽しみ」であり続けて欲しいものです。 |
杉原爽香シリーズ ・虹色のヴァイオリン ★★★ |
爽香31歳の冬。高齢者用住宅の準備計画の責任者として忙しい毎日を送る爽香。兄の借金問題や旧知の河村の愛人・志乃の隣室に引っ越してきた「佐藤」が昔、河村が逮捕した男だったり、秘書の麻生が少女に車で怪我を負わせたり…と、相変わらず息つく間もない爽香だった。 年に一度のお楽しみももう17回目。一体、いつまで続くんでしょう?(笑)。ミステリーとしてはさほど楽しみがあるわけじゃないけれど、2時間程度で軽く読めるし、何よりも爽香に会いたい一心で買ってしまうのよね。また来年もきっと買う。絶対買う。 |
杉原爽香シリーズ ・枯葉色のノートブック ★★★ |
爽香32歳の秋。高齢者用住宅のマンションの建設が進み、チーフとして相変わらず奔走する日々を送る爽香にまたしても難題が持ち上がる。同僚の寺山が横領している…との密告電話を受ける。秘書に調べさせると寺山は自分の娘と同年代の女子高生と付き合ってるらしく…。 あぁ、もうこのシリーズとも18年のお付き合いになるのね。もうほとんど親戚のような気分。 今回の事件でもいろいろと悩まされる爽香に「人のことよりも自分の心配をしなさい!」なんて言いたくなる。 それにしても赤川さんは世相を反映するのが上手い。ここ数年はこのシリーズくらいしか読んでないのだけれど、決して「長編」ではないのに、世の中で起きていることを織り込み、解決のヒントを作品中で示してくれてる。全部が全部赤川さんが示すヒントで解決することは出来ないだろうけど、こういうのもアリかな…と、思わせてくれる。 あとこのシリーズがはじまった当初から一貫していろんな「家族」の姿を見せてくれる。爽香をはじめとするレギュラーの家族はもちろん、その話だけに登場する家族もあり、そのうちひとつやふたつは自分の家族と共通の悩みを持ってたりして、ドキッとさせられる。これからもそんな家族達と時に笑い、時に泣き、また時には怒りながら読んでいくのだろう。 |
杉原爽香シリーズ ・真珠色のコーヒーカップ ★★★ |
爽香33歳、春。高齢者用住宅「レインボーハウス」を開業させ、忙しい日々を送るある夜、姪の綾香から暴走族に襲われた友人を助けて欲しいと電話がある。同じ夜、暴走族のリーダーが殺され、対立する暴走族のリーダーが犯人だという情報が入るが…。 ミステリーとしては特に変わったこともなく、すぐに犯人もわかる。ただ、このシリーズは犯人探しが主目的ではない。爽香や周りの人物、そして自分がこの「1年」でまた年をとり、成長したかどうか…を振り返るための1冊なのだ。さすがに20年近く同じシリーズをやってると登場人物も増え、それぞれの生活もずいぶん変化してきたけれど、変わらないのは爽香の兄の充夫。この人、どうにかならないんでしょうかねぇ。バカは死ななきゃ治らない…なんていうけど、そうなったらなったで爽香もショックを受けるだろうし。出来ればもう関わって欲しくないけれど、また厄介なことを持ち込みそうな感じ。…なんて言ってる自分自身は実のところ「そんなに偉そうなこと言ってていいのか?」なんて思ったりもする。やはり自らを振り返るための作品なのだ。 |