春の海を 肌にまとい 強く 柔らかに 人魚は泳ぐ
見渡すかぎりの 水平線が 延びる先に 国境の壁など 見えはしない
信号のない道を ゆったり行こう 急ぎすぎる旅人に 軽トラは 背で語る
のっそり 水牛車の揺れは 細胞にしみついた 体内時計を リセットする
たおやかな歌声に 添う三線の音は 赤屋根を越え 琉球の 秋空に届く
淡く光る 広がる珊瑚は どれだけの時間 海の中で 呼吸(いき)をしたのか