氷室  冴子

 

なんて素敵にジャパネスクシリーズ
氷室冴子と言えば、まずはこの作品でしょう!。絶対、外せませんっ。
時は平安時代。ヒロインの瑠璃姫は物の怪なんて信じない、現実主義者で、この時代の深窓のお嬢さまのはずなのに、型破りで、平気でお忍びはするし、初恋の相手「吉野君」を助ける為に、馬にまで乗り、殺されそうにもなる、とんでもないお姫さまだけど、とっても愛すべき性格してる。だからこそ、幼なじみの高彬をはじめ、みんな瑠璃姫のことが好きなんだよね。
ぴょんも大好きです。むしゃくしゃしてるときに読むと、泣いて笑ってすっきり爽快。今でも思い出したように再読しては瑠璃姫になった気分に浸ってます(笑)。そのあと、「がんばるぞ〜っ!」と思わせてくれます。強い女の人が多く出てくるからかな?。もう新作は出ないのかしら。
ちなみに過去に1度ドラマ化されたことがあって瑠璃姫を富田靖子が演じてました。この当時の富田靖子は瑠璃姫のイメージに合ってて、とても可愛らしかったのを覚えています。

 

 

ざ・ちぇんじ
これは↑の「ジャパネスク」シリーズより先に書かれた平安ものです。『今昔物語』の中にある『とりかへばや物語』を作者なりにアレンジしたもので、姉弟が性別逆転して「兄妹」として育てられたことから起こるドタバタ劇を平安王朝の「平和」な世界の中で繰り広げています。
女なのに男として出仕した姉、男なのに女御候補になってしまう弟。いつ、どうやって「ちぇんじ」するのか、ドキドキ・ハラハラしながら読んでました。

 

 

クララ白書
父親の転勤のために急遽、学校の寄宿舎に入ることになった中学生「しーの」の日常生活のコメディー。
一緒に途中入寮した「鉈ふりマッキー」や「マンガ家志望の菊花」と共に毎日を楽しく過ごしてるのを読んで、寮生活にめちゃくちゃ憧れました。入寮生の「儀式」なんて、なかなか楽しそうで「仲間に入れて!」と、思ったものです(笑)。
でもこの学校クリスチャン系なんだよね。先生のことを「シスター○○」なんて言ってるあたり、あたしには無理な世界だ(爆)。
ちなみに「クララ」は寄宿舎の名前です。

 

 

アグネス白書
↑の「クララ白書」の続編。
高校へ進級して寄宿も「アグネス」舎へと変わり、新しい仲間「意外と?可愛い朝衣」や新しい仲間が加わり、更に毎日があわただしくなってきた「しーの」の生活ぶり。おまけにほのかな恋?、なんてものもあったりして「これぞ青春?!」というような毎日。文化祭や生徒会委員の選挙に追われる「しーの」だけれど、相変らず充実した寮生活を送ってて、やっぱりとっても、とっても!、うらやましくなってました(笑)。

 

 

白い少女たち
氷室さんって、実はコメディーばかり書いてる人ではなかったのね…と、思い知らされた1冊。
内容・テーマ、共にとても重いものでとても「コバルト文庫」とは思えないような作品でした。でも、こういう作品を読むことで作者の違う一面を垣間見ることが出来、自分自身も少し「大人」になることへの「階段」をいつか昇らなきゃいけないんだ…と、思いました。
そしてこれも「少女小説」、「氷室冴子」を語る過程で外せない作品であることをここでご紹介しておきたいと思いました。

 

 

海がきこえる、海がきこえる2〜アイがあるから
森崎拓は高知の私立進学高校から、東京の私大へ入学するため上京する。そこで思い出すのは高校3年になってから東京から高知へ引越し、拓の高校へ編入してきた里伽子のことだった…。
久々に氷室さんの作品を読んだ。とっても懐かしく、瑞々しい感覚で「あぁ、あたしの読書の原点はやっぱり氷室さんだぁ」と再確認させられました。
無器用な拓と里伽子の出会いから、まだ「恋」とは言えない微妙な関係に
久しぶりにキューンッ!とさせられました。
「2」では2人の関係も「恋」に昇格し、あいかわらず、あちこちにぶつかる里伽子に無器用ながらも一緒にぶつかっていく拓。背伸びしない、等身大の2人をもう見守るしかない年齢になってしまったことが、ちょっと寂しい気もするのだが、この手のお話はいくつになっても好きです(笑)。
高知弁がノスタルジックで懐かしい雰囲気を誘い、更に拓の友人たちがとてもいい味を出してます。世の中にはいい人の方が多い…ってことに安堵します。