近藤 史恵

 

天使はモップを持って ★★★
新入社員の大介は自分の机から書類が無くなるのを不審に思い、社内の掃除を請け負うキリコと調べることに。そこには意外な真実が…。社内で起きる不可思議な事件をちょっと頼りない大介としっかり者のキリコが解決する全8作からなる短編集。
清掃人といえば「おばちゃん」をイメージするけれど、キリコは10代と思しきピチピチギャル。しかし、そこはさすがプロの清掃人。オフィスだけでなく、事件の謎までキレイに片付けてしまうキリコちゃんに大介はたじたじ…。しかも清掃人であることに誇りを持ってるところが素晴らしい。でも、目立たないけれど事件のたびに少しずつ成長していく大介もなかなか魅力的。最終話の「史上最悪のヒーロー」は作者のちょっとした遊び心かな…と、思うのだけれど、後になればなるほどこの話の「奥深さ」に「うーん」と唸らずにはいられない。疲れたときに読むと元気になれるビタミン剤のような1冊。
それにしても…我が家にもキリコちゃんがやってきてくれないかしら?(苦笑)。
(bonさんからお借りしました・ありがとう♪)