群 ようこ

 

亜細亜ふむふむ紀行
作者が香港・マカオ、韓国、大阪を旅行したときの面白い話がたっぷり!
お腹を抱えて笑えます!そして、行きたくなりますよ〜(笑)。
彼女のまわりには面白い人達がたくさんいるので、きっと毎日楽しいだろうなぁ…。某有名作家さんも旅仲間みたい。
香港旅行をする前に、読んで参考にさせてもらいました?

 

 

午前零時の玄米パン ★★★★
群さんのデビューエッセイ。単行本で発売されたのがもう20年前なのだけれど、今読んでもおもしろい。群さんの子供時代のエピソードが中心なので「古い話」が満載なのだが、色あせない古さが逆に新しい。弟君とのプロレスごっこのくだりとか、イラストレーターの妻とカメラマンの夫の新婚夫婦の話など、時に大笑いし、また時には意地の悪い笑いをしてみたり…1冊で何粒ものおいしさを味わえるお得な本。一つ一つのエピソードが短いので読みやすい反面「えっ?、もうこの話おわりなの?」とちょっと欲求不満になってしまうのが悔しい(笑)。群さん独特の「人間観察術」は子供の頃から持ってた天性ものなのだな…ということ認識。恐れ入りました。

 

 

都立桃耳高校<神様おねがい!篇> ★★★★
主人公・タヤマシゲミは都立桃耳高校になんとか滑り込み入学。その後も同級生達と部室が欲しいがために「地歴部」を作り、部室に入り浸っては「エロばばあの店」で仕入れたお菓子をポリポリしたり、剣道部の「朝帰り」にちょっと恋してみたり、眠い目をこすりながら深夜放送に耳を傾けたり…と、だらだらの日常生活。
コレ「書き下ろし小説」のはずなんだけど、群さんのほぼ自伝じゃないかと思うんですが。今まで読んだエッセイに書かれてたエピソードがあちらこちらにちりばめられていて、「あはは〜。コレは確かアレで読んだような」と、思うのだけれど、それでもやっぱり面白い。
高校生活って人生でもいちばん楽しい時期なんだよな〜。わたしが行ってた高校は新設2年目で校則は厳しくもなく、ゆるくもなく、進学校でもない…と、ごく普通の学校で、演劇部の部室代わり&練習場に使ってた「多目的ホール」に行っては練習もせずに、酒盛りならぬ、ジュース盛りと、シゲミたちと同じようなこともしてたけれど、教師陣は「新設校」ということもあって、緊張感を持っていた。ところが桃耳高校は先生までがぬるくて、このぬるさがわたしの心をくすぐりまくる(笑)。…でもね、わたしなんかが桃耳高校に行ってたらきっとすぐに人生転落してたと思う(爆)。シゲミちゃんはとりあえず1年は無事に過ごせたらしい。メデタシ、メデタシ。(K's Roomのkeiさんにお借りしました・ありがとう♪)

 

 

都立桃耳高校<放課後ハードロック!篇> ★★★★
<神様おねがい!篇>の続編。シゲミは2年になったものの、受験のこともとりあえず放っておいて、教室で「桃色遊戯」にふけっているカップルを目撃したり、太った自分をなんとかしたいと思いつつも食べることがやめられなかったり、そのクセに制服が廃止されたのをいいことにミニスカートで登校したり、ロックのコンサート(ライブではなくコンサート)に出かけたり、とぬるさに拍車をかけた生活。
やっぱりコレは群さんの「ほぼ自伝」だろう…ということを確信。こういう学校に通ってたら群さんのようになれるのか…と、一瞬思ってしまったけれど、やっぱりこれは持って生まれた素質とか、運を含めた「実力」なんだろう…と、思い直してがっくり(笑)。
教室で授業中に飯盒炊爨をしたり、授業中に教室を抜け出してアイスキャンデーを買いに行ったり、焼き芋したり…こんな学校、ちょいとないよ?(笑)。けれど、それも含めて「バカ」ができるのも高校生の特権なんだろうなぁ。わたしも夏休みの補講をエスケープしたり、授業中に手紙を回すのは当たり前、本を読んだり、トランプしたり、好き放題やっていた。全然、お涙頂戴のシーンなんかないのに、シゲミちゃんたちに自分を重ねてちょっとキュンっ…としてしまったのだった。(K's Roomのkeiさんにお借りしました・ありがとう♪)

 

 

きもの365日 ★★★★
1年間、大好きなきものを毎日着て過ごしてみよう…。果敢な挑戦は元旦から始まった。しかし、風邪をひいたり、雨風に負けたり、はたまた着物を着る以上は避けて通ることの出来ない針仕事の大変さを改めて痛感したり…そんな群さんの試行錯誤エッセイ。
いやぁ…着物が着たくなりました。といってもあたしは針仕事はまったくダメだし、着物を自分で着ることもできない。それでも着物が着たくなる。着物を着た群さん自身の凛としたお姿や小物の写真に「おぉっ!」「すごい」「かっこいい」「かわいい」とひとつひとつ声をあげずにはいられない。小唄のお師匠さんの「裏技」に着物をほとんど知らないあたしも「へぇ」「なるほど」と唸らずにはいられない。とにかく、着物大好きな人はもちろん、あたしのように着物を知らない人にも楽しめること間違いなし。着物を着ることで日本には春夏秋冬以外の季節があることを改めて感じさせてくれるものらしい。こんなことを言われたら、せめて着付けくらいは習いに行かねば…という気になるじゃないの!。

 

 

パンチパーマの猫 ★★★★
群さんの周りは今日もおもしろおかしいこと、不思議なことがたくさん。ご本人はごくごく普通に生活しているのに、なぜだか周りには不思議人間がうようよ。そんな不思議な人たちやおもしろい出来事を日本古来のことわざや慣用句で表現し、しみじみ振り返るエッセイ集。
作家さんといえども、群さんはわたしたちとなんら変わりのないつつましい生活をして、ごくごく普通の感覚を持っている。ただ、おもしろいことや不思議なことをみつける感覚がわたしたちよりも鋭いのだろう。じゃないといくら周りが変人(失礼!)ばかりでも、そうそうおもしろおかしいことは見つけられない。というより、そもそもわたしのような凡人だとそのうちその変人たちに感化されてしまうはずだ。そこに染まらず、観察を続け、エッセイを書いてしまうのは「さすが!」と思わせる。
群さんのエッセイによく出てくるお金をどっかーん!と、使ってしまうお母さんは今回も相変わらずでお元気そうだ。そして名前こそ明かされていないが群さんのエッセイ好きの人にはおなじみの「あの人」「この人」だろう…と思わせる人物も波乱万丈、楽しい日々を送っているらしいことがわかる。(K's Roomのkeiさんにお借りしました・ありがとう♪)

 

 

キラキラ星 ★★★★
「ぺこちゃん」似で、声がバカデカく、たとえ上司であろうが歯に衣着せぬ発言で周りをおののかせるひかりは実は敏腕編集者。とあるパーティで出会ったハードボイルド作家の緑川と恋に落ち、あっという間に一緒に生活を始める。ところがこの緑川、ムショ帰りだし、負けても負けても懲りない大の博打好きだし、気がついたら税金の支払いにもこと欠く自転車操業生活だった。
…なんてことを書くとさぞかし悲惨な生活をしてるんだろう…なんて思うんだけど、そこは何事にもおおらか…というか、豪快な二人。お金なんてなくったって元気で明るく、笑いの絶えない二人でいられる。愛は強し。「ぺこ」「とうちゃん」とお互いを呼び合っていられる間は二人の仲は安泰なのだろうな。
ところで、このぺこちゃん似のひかりさん。群さんのエッセイ好きにはおなじみのあの方ですよねぇ?。今はとある雑誌の編集長をなさってる。この小説K川社から出版されてるけれど、あの編集者さんはS潮社の方だったかと…。写真でしか拝見したことないのだけれど、確かにぺこちゃんです。ということは、この小説は限りなくノンフィクションに近いフィクションだと思うのだけれど、お相手のハードボイルド作家って一体どなたなのでしょう?。気になって仕方ないわ〜(笑)。たまに出てくる作家の頓鳥さんは群さんご自身で、他にもきっとあの人だろうな…と、思わせる人々が出てくるので群さんファンにはあれこれ想像するお楽しみもありますよ。(K's Roomのkeiさんにお借りしました・ありがとう♪)