篠田 節子

 

女たちのジハード
第117回直木賞受賞作。
リサ、康子、沙織、みどり、紀子…。保険会社に勤める5人のOLがそれぞれの生き方を求めて、結婚、転職、起業…していくプロセスを女性ならではの優しく、厳しい目で書いています。
康子の生き方は「痛快」で気持ちいいのだけれど、実際には紀子やみどりタイプが多いのかもしれない。でもみどりはともかく、紀子には嫌悪感を感じます。それより「いい条件の結婚」を目指すリサ、キャリアアップしたい沙織…。この二人が今の女性のめざす「生き方」を体現してくれてます。特にリサが空港に現れたときの表情は小説という「文字」の世界でありながら、映像が目に浮かぶようでした。
気持ちが沈んだときに読むと、きっと元気づけてくれます。