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麻雀の数学
2004.3.8


目次
1. 牌山の牌の組合せは何通りあるか
2. 配牌の形は何通りあるか
3. 流し満貫の確率
4. 真似満の確率
5. 1色の数牌14枚が和了形である確率
6. 天和の確率
7. 親の第1捨て牌を誰かがポン出来る確率
8. 四風子連打の確率
9. 十三不搭の確率
10. 1色の数牌13枚が聴牌形である確率
11. 1巡目で清一色聴牌の確率
12. 配牌における聴牌確率及び平均向聴数
13. 三人麻雀における天和の確率及び平均向聴数
14. 絶対に和れない確率

1. 牌山の牌の組合せは何通りあるか
[前提条件]
牌は通常の34種類×4枚=136枚とします。
計算に影響する特殊な牌(花牌・白ポッチなど)は含まないものとします。
[計算式]
136!÷4!34
[計算結果]
43269839174284726381013830503374213188258988001402
79809429117995909720365098503388909186259061603322
46611492154251485203537706583203911528927630102575
646500000000000000000000000000000000

=約4.3×10185通り

2. 配牌の形は何通りあるか
[前提条件]
牌は通常の34種類×4枚=136枚とします。
計算に影響する特殊な牌(花牌・白ポッチなど)は含まないものとします。
[計算式]
n÷4
Σ
k=0
[ 34k× (n-4k)÷3
Σ
a=0
{ 34-ka× (n-4k-3a)÷2
Σ
t=0
( 34-k-at×34-k-a-tn-4k-3a-2t ) } ]

n: 配牌の枚数 (親=14、子=13)
k: 槓子の数
a: 刻子の数
t: 対子の数
nr = n!÷((n-r)!×r!) ( n個からr個をとる組合せの数 )
Σの終値の除算による余りは切り捨てるものとします。
[計算結果]
 枚数組合せ数
14枚326520504500通り
13枚98521596000通り

3. 流し満貫の確率
[前提条件]
牌は通常の34種類×4枚=136枚とします。
計算に影響する特殊な牌(花牌・白ポッチなど)は含まないものとします。
誰も鳴かないものとします。
誰も和らず、流局となるものとします。
流し満貫は、流局時に成立するものとします。
捨て牌は、幺九牌があれば必ず幺九牌を捨てるものとします。
[計算式]
136枚の中から任意のm枚を取った時にn枚が幺九牌である確率は
52n×84m-n÷136m
なので、流し満貫が出来る確率は
m
Σ
n=k
( 52n×84m-n÷136m )
となります。ただし、kは流局時の捨て牌の枚数、mは配牌+全自摸牌数で、
東家または南家の場合 k=18, m=31
西家または北家の場合 k=17, m=30
です。
[計算結果]
確率備考
東家0.00931 = 0.931%約1/107
南家0.00931 = 0.931%約1/107
西家0.01696 = 1.696%約1/59
北家0.01696 = 1.696%約1/59

この結果を見ると、流し満貫を狙うなら西家または北家の時の方が断然お得ですね。

上の計算式を応用すると、2人同時成立の確率なども求められます。
成立人数別の確率は、

人数確率備考
0人0.9475294.752%
1人0.052425.242%; 約1/19
2人0.00006約1/17578
3人4.3×10-14約1/23兆

となります。3人成立は、東家+西家+北家、南家+西家+北家のどちらかで、この場合3人で全ての幺九牌を捨てることになります。4人は幺九牌が足りないのであり得ません。
全員が毎回流し満貫を狙うと、半荘2回に1回近く出ると考えると、結構確率が高いですね。

ちなみに、3人成立だけは(84!×52!×31!×30!2×2)÷(136!×18!×17!2×13!3)という簡単な式(爆)で表せます。

4. 真似満の確率
[前提条件]
牌は通常の34種類×4枚=136枚とします。
計算に影響する特殊な牌(花牌・白ポッチなど)は含まないものとします。
鳴き、和了はないものとします。
誰か特定の1人の真似をするものとします。
真似される人は、ランダムに捨て牌を行うものとします。
[計算式]
単純な式であらわすことは出来ません。
計算過程を説明するにしても複雑過ぎるので、省略します。
[計算結果]
真似出来る枚数と確率の関係は次のようになります。

枚数確率備考
1枚0.281836431928%
2枚0.08503673091/12
3枚0.02733540671/37
4枚0.00932128271/110
5枚0.00335863011/300
6枚0.00127421231/790
7枚0.00050733811/2000
8枚0.00021135761/4700
9枚0.00009187151/11000
10枚0.00004155651/24000
11枚0.00001951231/51000
12枚0.00000948781/110000
13枚0.00000476681/210000
14枚0.00000246921/410000
15枚0.00000131601/760000
16枚0.00000072021/1400000
17枚0.00000040401/2500000
18枚0.00000023181/4300000
※備考欄の値は概数です。

やはり、真似満を役として採用するなら、4〜5枚程度が妥当なところでしょうね。

5. 1色の数牌14枚が和了形である確率
[解説]
1色の数牌すなわち1〜9の牌4枚ずつ計36枚から適当に14枚取った時に、それが和了形となっている確率です。
局の最初から清一色に走って、1色の数牌が14枚たまった時に和っている確率とも言えます。
[計算式]
1色の数牌14枚の全パターン数は、重複分を含めて(つまり同じ牌4枚を1枚1枚区別して)考えると
3614
となります。重複分を含めない場合のパターン数は「配牌の形は何通りあるか」で使用した計算式で計算出来ます(ただし、k=a=t=0のような場合を除外しなければなりませんので、少し注意が必要です)が、和了形を数えるついでに全パターン数も数えることにします。
なお、四暗刻や七対子のような特別な和了形は、簡単な計算式で表せます。

 重複なし重複あり
四暗刻95×5195×51×44×6
七対子9797×67
[計算結果]
 パターン数総組合せ数確率備考
全体1188003796297200100.000% 
和了形1327744563253211.739%約1/9
四暗刻6309676800.025%約1/3900
七対子36100776960.265%約1/380

和了形の確率が11.7%というのは、思ったより高い確率ですね。
また、四暗刻のパターン数が七対子のパターン数の17.5倍もあるのに、確率では七対子の方が10倍以上高いというのも面白いですね。

6. 天和の確率
[前提条件]
牌は通常の34種類×4枚=136枚とします。
計算に影響する特殊な牌(花牌・白ポッチなど)は含まないものとします。
通常聴牌と認められない形の特殊役はないものとします。
[計算方法]
簡単な計算式では表せません。細かく場合分けをすれば計算出来ないことはありませんが、プログラムで数えて計算した方がはるかに楽です。
単純に全部の牌の組合せについて和了形であるかどうかを判断するのは、天文学的な時間がかかってしまい無理ですので、次のような手順で計算します。

(1)七対子及び国士無双を除けば、和了形のうち、字牌、萬子、筒子、索子の枚数は、0枚、2枚、3枚、5枚、6枚、8枚、9枚、11枚、12枚、14枚のうちのいずれかです。
(2)字牌及び数牌のそれぞれについて、上記の枚数毎に(n個の面子+最大1個の雀頭)となっている組合せの数を調べます。この時、全ての牌が対子となっている組合せ数も数えておきます。
(3)4種類の牌の合計が14枚になる全ての組合せについて、組合せ数を調べます。ただし、雀頭は1つに限りますので、字牌5枚、萬子5枚・筒子2枚・索子2枚のような組合せは数えないようにします。
(4)上記の結果から、七対子形となっていたものを除きます。
(5)七対子の和了形の組合せ数を計算します。
 七対子の和了形のパターン数は347通り
 組合せ数は347×67通り
です。
(6)国士無双の和了形の組合せ数を計算します。
 国士無双の和了形のパターン数は13通り
 組合せ数は13×6×412通り
です。
(7)(4)〜(6)の合計を総組合せ数で割ることにより、確率が計算出来ます。
 総組合せ数は13614通りです。
(8)プログラム上は、大して時間もかかりませんので、プログラムが正常に動いていることの確認も兼ねて、(1)〜(3)と同様にして総組合せ数を求めています。この場合は、字牌と数牌のそれぞれについて、0枚〜14枚全てについての組合せ数を調べて、4種類の牌の合計が14枚になる全組合せについて組合せ数を計算しています。
[計算結果]
まず、(2)の結果は次のようになります。

【字牌】
枚数全パターン数組合せ数有効パターン数組合せ数対子パターン数組合せ数
0111111
17280000
228378742742
384327672800
4210204750000
54559828042100800
68753767402133600
7152011840400000
8241531081051051008000
93535690690035224000
104795131231100000
116055214741801405376000
1271403042175535896000
137875374421600000
1481354011660010516128000

【数牌】
枚数全パターン数組合せ数有効パターン数組合せ数対子パターン数組合せ数
0111111
19360000
245630954954
316571401648400
4495589050000
512783769921351920000
6292219477921276527271512
7603083476800000
8113853026034099617487563646656
91985594143280627274286800
10322112541868560000
114887960080529644754703738000
1269675125167770020984039978310466560
139360023107896000000
14118800379629720013259440593684185038848

上記の表の値を使用して計算した結果が、次の通りです。

 パターン数組合せ数
一般形1149865811353128141498
内七対子形46681306741248
残り1149399011351821400250
七対子53796161505948184576
国士無双131308622848
総計1687361912859078207674
全組合せ3265205045004250305029168216000

以上により、天和の確率は
12859078207674÷4250305029168216000
=約0.000003025 (約1/330530)
となります。

なお、数牌の表の14枚のパターン数 118800 と組合せ数 3796297200 は「1色の数牌14枚が和了形である確率」の計算結果と一致しており、全組合せのパターン数 326520504500 は、「配牌の形は何通りあるか」で算出した値と一致していますので、双方のプログラムの計算結果が正しいことの確認にもなっています。
数牌の表の14枚の有効パターン数 13259 は「1色の数牌14枚が和了形である確率」の和了形のパターン数 13277 と異なっていますが、これは七対子の扱いの違いによるものです。数牌の表の14枚の対子パターン数 18 は 13259 通りのうちの七対子形かつニ盃口形のパターン数であり、この数を引いて七対子のパターン数 36 を加えると、13259−18+36=13277 であり、一致します。

7. 親の第1捨て牌を誰かがポン出来る確率
[前提条件]
牌は通常の34種類×4枚=136枚とします。
計算に影響する特殊な牌(花牌・白ポッチなど)は含まないものとします。
親の第1捨て牌は単独牌とします。つまり、最初から対子落としや暗刻落としは行わないものとします。
親は第1捨て牌前に暗槓をしないものとします。
親の第1捨て牌で子の栄和となる確率は除外して考えます。
「ポン出来る確率」は、「親の第1捨て牌と同じ牌を2枚持っている確率」とします。3枚持っている場合は除外します。
[計算式]
計算には、次の式を使用します。

【一般形】
あるものがn個あり、そのうち特定の条件を満たすものがr個であるものとします。
いま、n個のものの中から任意のm個をとった場合、そのm個の中に条件を満たすもの(全部でr個あるもの)がk個入っている確率は、
rk×n-rm-k)÷nm
という式で表せます。

前提条件により、親が第1捨て牌を行った後、親の手牌の中には第1捨て牌と同じ牌はありません。
従って、残る3枚の牌は136-14=122枚の中にあります。
最初に、特定の子について考えます。手牌の枚数は13枚ですから、上の式に当てはめると
n=122, r=3, m=13, k=2
ですので、
32×122-313-2)÷12213
により確率が計算できます。
子は3人いますが、2枚持っている人が2人以上いることはないので、上式の結果を単純に3倍したものが求める確率となります。
[計算結果]
32×122-313-2)÷12213×3 = 153036/1771440 = 約0.0864 = 約8.64% (約1/12)

ちなみに、槓出来る確率は
33×122-313-3)÷12213×3 = 5148/1771440 = 約0.0029 = 約0.29% (約1/344)
となります。

8. 四風子連打の確率
[前提条件]
牌は通常の34種類×4枚=136枚とします。
計算に影響する特殊な牌(花牌・白ポッチなど)は含まないものとします。
親あるいは子が最初に単独の風牌を持っていても、それを捨てる確率は計算出来ませんので、3人の子全員が親の第1捨て牌と同じ牌を捨てることが出来る確率(=配牌+第1自摸の中に親の第1捨て牌と同じ牌がある確率)を計算します。
親の第1捨て牌(風牌)は単独牌とします。つまり、最初から対子落としや暗刻落としは行わないものとします。
1巡の間、鳴きや和了はないものとします。
[計算式]
計算には、「親の第1捨て牌を誰かがポン出来る確率」で使った計算式を用います。
前提条件により、親が第1捨て牌を行った後、親の手牌の中には第1捨て牌と同じ牌はありません。
従って、残る3枚の牌は136-14=122枚の中にあります。
まず、この3枚が3枚とも子の配牌+第1自摸(14×3=42枚)の中にある確率を、次の式によって計算します。
33×122-342-3)÷12242
そして、それぞれの子が持っている枚数別の確率を、次の式を元に計算します。
ある子が(配牌+第1自摸の中に)n枚持っている確率 = (3n×42-314-n)÷4214
最後に、最初に求めた確率と子が1枚ずつ持っている確率を掛ければ、結果が得られます。
[計算結果]
最初の、残りの3枚の風牌が全て子の配牌+第1自摸の中にある確率は
33×122-342-3)÷12242 = 68880/1771440

3人の子で3枚持っている場合にそれぞれの子が持っている枚数毎の確率は
南家西家北家確率
3002184/68880
2107644/68880
2017644/68880
1207644/68880
11116464/68880
1027644/68880
0302184/68880
0217644/68880
0127644/68880
0032184/68880

従って、3人の子全員が親の第1捨て牌と同じ牌を捨てることが出来る確率は
68880/1771440 × 16464/68880 = 16464/1771440 = 約0.00929 = 約0.929% (約1/108)
となります。

親が不用意に風牌を捨てたとしても、子が四風子連打で流せる確率はとても低いので、あまり気にすることはないでしょう。

9. 十三不搭の確率
[前提条件]
牌は通常の34種類×4枚=136枚とします。
計算に影響する特殊な牌(花牌・白ポッチなど)は含まないものとします。
子の十三不搭の場合は、それ以前に鳴きや和了がないものとします。
[計算方法]
簡単な計算式では表せません。
場合分けをすれば手計算でも算出出来ますが、天和の確率を求めるプログラムを少し手直しするだけで計算出来ますので、プログラムで数えて計算することにします。
基本的な手順は天和の場合と同じです。具体的な手順は、次の通りです。

(1)最初に、雀頭の1枚を除いた13枚がバラバラである組合せ数を計算します。
(2)まず、字牌と数牌のそれぞれについて、十三不搭を構成出来る各枚数毎の組合せの数を求めます。
(3)プログラム上は、天和の場合と同様に字牌、数牌のそれぞれについて、0枚〜14枚の場合全てについて数えていますが、実際は字牌は4枚〜7枚、数牌は0枚〜3枚の場合しかあり得ません。
(4)また、数える時に、国士無双の聴牌形を除外するために、全部が幺九牌の組合せも数えておきます。
(5)字牌と数牌のそれぞれの組合せ数を数えた後、3種類の牌の合計が13枚になる全ての組合せについて、組合せ数を調べます。
(6)上記の結果から、国士無双の聴牌形となっていたものを除きます。国士無双の聴牌形は、13枚の牌が全て異なる場合の1通りだけですので、重複を考えた組合せ数は413となります。
(7)そして、雀頭を追加した場合の組合せ数を計算します。
 パターン数は13倍
 重複を考えた組合せ数は13×42÷41倍=19.5倍
すれば計算できます。
(8)(7)の結果を総組合せ数で割ることにより、確率が計算できます。
 総組合せ数は、天和の時と同様、13614通りです。
[計算結果]
まず、(3)〜(4)の結果は次のようになります。

【字牌】
枚数有効パターン数組合せ数幺九パターン数組合せ数
01111
1728728
22133621336
3352240352240
4358960358960
521215042121504
6728672728672
7116384116384

【数牌】
枚数有効パターン数組合せ数幺九パターン数組合せ数
01111
193628
221336116
31064000

上記の表の値を使用して計算した結果が、次の通りです。

 パターン数組合せ数
有効組合せ数合計29971120113264738304
内国士無双聴牌形167108864
残り29971020113197629440
十三不搭組合せ3896230392207353774080
全組合せ3265205045004250305029168216000
注 全組合せのパターン数及び組合せ数は、「天和の確率」で算出した値です。

以上により、十三不搭の確率は
392207353774080÷4250305029168216000
=約0.00009228 (約1/10837)
となります。

10. 1色の数牌13枚が聴牌形である確率
[解説]
1色の数牌すなわち1〜9の牌4枚ずつ計36枚から適当に13枚取った時に、それが聴牌形となっている確率です。
局の最初から清一色に走って、1色の数牌が13枚たまった時に聴牌している確率とも言えます。
[計算方法]
1色の数牌13枚のパターン数と重複分を含めた総組合せ数は、「天和の確率」の【数牌】の表にある93600と2310789600です。
聴牌形のパターン数は、「1色の数牌14枚が和了形である確率」で調べた13277通りの和了形パターンを使って以下のように計算します。

(1)13277通りの和了形パターンそれぞれについて、牌を1枚ずつ取り除いて聴牌形を作り、重複するパターンを削除します。
(2)(1)で得られた全てのパターンについて、重複分を乗じて合計し、総組合せ数を計算します。
(3)(2)の結果を全パターンの総組合せ数で割ることにより、確率が計算出来ます。
[計算結果]
 パターン数総組合せ数確率備考
全体936002310789600100.0% 
聴牌形40196112250586448.6%約1/2

14枚の時に和了形の確率が約1/9であったことも予想外でしたが、13枚の場合は約半分が聴牌形というのも驚きですね。
[参考]
「1色の数牌14枚が和了形である確率」と「1色の数牌13枚が聴牌形である確率」に関連して、1色の数牌が13枚または14枚の場合の向聴数別のパターン数を調べましたので、以下にまとめます。

【13枚の場合】
 パターン数総組合せ数確率備考
聴牌形40196112250586448.6%約1/2
一向聴形52791118539874451.3%約1/2
二向聴形61328849920.1%約1/800
合計936002310789600100.0% 
注 三向聴以上となることはありません。また、二向聴もめったにありません。

【14枚の場合】
 パターン数総組合せ数確率備考
和了形1327744563253211.7%約1/9
1枚切って聴牌91437305234493280.4% 
1枚切って一向聴140862983197367.9%約1/13
合計1188003796297200100.0% 
注 13枚で二向聴の時、同種の牌を1枚自摸って不要牌を切れば、必ず一向聴になります。

11. 1巡目で清一色聴牌の確率
[解説]
親の場合は14枚の配牌、子の場合は第1自摸を加えた14枚から1枚切って清一色聴牌となる確率です。
子の場合は、第1自摸より前に鳴き・和了がないことが前提条件です。
最初の14枚で和っている場合は含めないことにします。
[計算式]
今までに計算済みの値を利用して、場合分けをすることにより計算出来ます。

(1)切る牌が同一種類の牌の場合と異なる種類の牌の場合に分けて考えます。
(2)同一種類の場合は、「1色の数牌13枚が聴牌形である確率」の[参考]の、【14枚の場合】の「1枚切って聴牌」の総組合せ数(3052344932)となります。
(3)異なる種類の場合は、同【13枚の場合】の「聴牌形」の総組合せ数(1122505864)に他種の牌(25種×4枚)を1枚追加した組合せ数を計算します。
(4)(2)と(3)の合計を14枚の牌の総組合せ数(13614)で割り、それを3倍(数牌の種類)すれば求める確率となります。

つまり、計算式は (3052344932+1122505864×25×4)÷4250305029168216000×3 となります。
[計算結果]
345908793996÷4250305029168216000
=約0.00000008138 (約1/1229万)

この確率は聴牌だけの確率で、和れない確率も含んでいるわけですが、それでも天和の約37倍珍しいということになりますね。

12. 配牌における聴牌確率及び平均向聴数
[解説]
配牌で聴牌している確率、一向聴の確率、二向聴の確率、…と、その確率から算出出来る平均向聴数の計算です。
親の場合は、上記に加えて「和了形の確率」がありますが、これは天和の確率と同じです。
[計算方法]
簡単な計算式で計算するというわけにはいきません。天和の確率の計算と同様の方法で計算します。

(1)字牌及び数牌のそれぞれについて、0枚〜14枚の各枚数毎の全てのパターンについて、向聴数の計算の元となるパラメータを調べ、パラメータ毎に分類します。
(2)向聴数の計算の元となるパラメータは、一般形のための「牌をあと何枚追加すれば(雀頭+)N個の面子になるか」と、七対子のための「対子(以上)の数及び単独牌の数」、そして国士無双のための「幺九牌の種類の数及び雀頭となる幺九牌があるかどうかのフラグ」です。
(3)上記の分類毎に、パターン数及び総組合せ数を求めておきます。
(4)4種類の牌の合計が13枚または14枚となる全ての組合せについて、組合せ数及び向聴数を求め、向聴数毎に集計します。
(5)(4)で求めた結果を総組合せ数の合計(13613または13614)で割ることにより、それぞれの確率が計算出来ます。また、向聴数を乗じて合計したものを総組合せ数の合計で割れば、平均向聴数となります。平均向聴数を求めるにあたって、「聴牌形」は「0向聴」とみなすのが合理的ですが、14枚の場合の「和了形」は扱いに困りますので、(分母からも)除外して考えることにします。実際は和了形の割合が極めて小さいので、もし「和了形」を「0向聴」や「-1向聴」とみなして計算したとしても、値は小数第4位まで変わりません。
(6)向聴数で、一般形(雀頭+4面子)以外を除外して考えることもありますので、一般形のみの場合についても計算しました。
[計算結果]
【七対子・国士無双も含めた最小向聴数】

[13枚(子)の場合]
向聴パターン数総組合せ数確率備考
聴牌形92371838392703953831321/12319子の配牌聴牌確率
一向聴385387986930061751156387761/161 
二向聴26789930989452492059451482169.4% 
三向聴4441558627017514129150995890036.2% 
四向聴2065411937719290904630557388839.9% 
五向聴26554270136338420135375667213.1% 
六向聴6028064440453655400284161/120 
合計98521596000483774556165488000100%総組合せ数=13613
※平均向聴数=1731757846767061316÷483774556165488000=約3.580
※確率欄の値は概数です。

[14枚(親)の場合]
向聴パターン数総組合せ数確率備考
和了形16873619128590782076741/330530天和の確率
聴牌形213306496829662417957389481/1433ダブル立直確率
一向聴35934777211991544526307483562.3% 
二向聴13093850766082871435837529267019.5% 
三向聴121685916468186740497624392652843.9% 
四向聴33290266817121194898027148083228.5% 
五向聴24965056352335017632897433605.5% 
六向聴2459212266013974830776321/644 
合計3265205045004250305029168216000100%総組合せ数=13614
※平均向聴数=13413711220546219200÷4250292170090008326=約3.156
※確率欄の値は概数です。


【一般形のみを考えた場合の向聴数】

[13枚(子)の場合]
向聴パターン数総組合せ数確率
聴牌形54747045322447423368601/15003
一向聴231821074824625555502489521/196
二向聴18521094520369922127612311607.6%
三向聴4031114420615052068667136024431.1%
四向聴2834859645018525933737295360038.3%
五向聴80481610868984337502856806418.6%
六向聴885943636174556075015536643.6%
七向聴3339859811884232724971521/407
八向聴299711201132647383041/24053
合計98521596000483774556165488000100%
※平均向聴数=1831476779756155204÷483774556165488000=約3.786
※確率欄の値は概数です。

[14枚(親)の場合]
向聴パターン数総組合せ数確率
和了形11498658113531281414981/374373
聴牌形140750707525600736185285801/1660
一向聴24534145015848368645919653802.0%
二向聴10474454426670886629687421772616.7%
三向聴131618303547173269093321352755240.8%
四向聴53783938428127034284438482124829.9%
五向聴97185135273980210228947845129.4%
六向聴685882185507482728719974401.2%
七向聴1609076922056162652323841/1927
八向聴81030217513249996801/195404
合計3265205045004250305029168216000100%
※平均向聴数=14092221711682799808÷4250293676040074502=約3.316
※確率欄の値は概数です。

13. 三人麻雀における天和の確率及び平均向聴数
[解説]
「12. 配牌における聴牌確率及び平均向聴数」の三人麻雀版です。
親の場合の「和了形の確率」がそのまま天和の確率となっています。
[前提条件]
牌は、四人麻雀で使用する通常の34種類から2萬〜8萬を除いた27種類×4枚=108枚とします。
三人麻雀の場合は特有のルールが付加されることが多いようですが、いろいろなルールの場合について計算しているときりがありませんので、ここでは確率計算に影響するローカルルールは一切ないものとして計算します。
[計算方法]
四人麻雀の場合と同様、簡単な計算式で計算するというわけにはいきません。
計算の方法は「12. 配牌における聴牌確率及び平均向聴数」と同様ですので、ここでは省略します。
[計算結果]
[13枚(子)の場合]
向聴パターン数総組合せ数確率備考
聴牌形1786422042485103478401/4847子の配牌聴牌確率
一向聴5521214212432149559349441.2% 
二向聴2703243800273246210403424013.3% 
三向聴3178038880816999469665984039.7% 
四向聴1091914759758133589769625636.8% 
五向聴8969818218208169766420488.8% 
六向聴609228408845989969921/504 
合計763349049020592957740312160100%総組合せ数=10813
※平均向聴数=69892859321960160÷20592957740312160=約3.394
※確率欄の値は概数です。

[14枚(親)の場合]
向聴パターン数総組合せ数確率備考
和了形354438313218873976481/105711天和の確率
聴牌形3245120392292043020230241/610ダブル立直確率
一向聴386180114556668363240351204.1% 
二向聴95139540503508929112710144025.1% 
三向聴62807193126128909270787379243.9% 
四向聴12744818203357052804767744024.0% 
五向聴5108637038786458189824002.8% 
六向聴48456130073084559361/10743 
合計21310147575139737927523546800100%総組合せ数=10814
※平均向聴数=413466081838216752÷139736605636149152=約2.959
※確率欄の値は概数です。

14. 絶対に和れない確率
[解説]
流局した時、自分の手牌と捨て牌からどの14枚を選んでも和了形にならない確率です。
14枚で和了形にならない場合でも、13枚を選んで聴牌形になれば栄和出来る可能性があったことになりますが、栄和は計算出来ませんので除外します。すなわち、「どう摸打しても門前清自摸和では和れない確率」ということになります。
[前提条件]
牌は通常の34種類×4枚=136枚とします。
計算に影響する特殊な牌(花牌・白ポッチなど)は含まないものとします。
誰も鳴かないものとします。
[計算方法]
計算の方法は、基本的に「12. 配牌における聴牌確率及び平均向聴数」と同じです。
東家と南家は流局時の捨て牌が18枚ですので手牌と合わせて31枚、西家と北家は流局時の捨て牌が17枚ですので手牌と合わせて30枚となります。「12. 配牌における聴牌確率及び平均向聴数」では「13枚」または「14枚」の場合を計算しましたが、これを「30枚」または「31枚」に変えるだけで計算出来ます。ただし、枚数の増加に対して組合せ数は指数関数的に増加するため、素直に枚数を増やすだけでは計算に膨大な時間がかかりますので、ある程度の工夫が必要となります。
[計算結果]
「和れない確率」は30枚及び31枚の場合だけ計算すれば良いのですが、途中及びそれ以上の枚数に対する和了形比率の変化も見るため、13枚〜38枚について計算しました。

枚数和了形比率聴牌形比率平均向聴数
13枚0.0%1/123193.580
14枚1/3305301/14333.156
15枚1/276671/2962.744
16枚1/44111.1%2.360
17枚1/10112.9%2.015
18枚1/2986.2%1.710
19枚1/10611.3%1.439
20枚2.3%18.1%1.196
21枚4.8%26.0%0.977
22枚9.2%33.9%0.780
23枚15.9%40.5%0.605
24枚25.3%44.1%0.454
25枚37.2%43.4%0.327
26枚50.9%38.4%0.225
27枚64.9%30.0%0.146
28枚77.6%20.5%0.087
29枚87.5%11.9%0.046
30枚94.1%5.8%0.020
31枚97.7%2.2%0.006
32枚1-1/1501/1511/850
33枚1-1/7311/7311/8040
34枚1-1/59031/59031/168710
35枚1-1/948381/948380
36枚1-1/37522411/37522410
37枚1-1/5178933551/5178933550
38枚100%0
※平均向聴数の計算において、和了形の組合せ数は除外しています。
※38枚以上で和了形確率100%となります。すなわち、136枚から任意の38枚を取ると、その中に必ず和了形が含まれているということです。
※表内の値は概数です。全て正確な値がわかっていますが、分数の桁数が多く表が巨大になってしまいますので、四捨五入した値だけを掲載することにしました(例えば、31枚の和了形比率は 4021883596737187393078380370304÷4114913090826809319806610610560 です)。

上表からわかるように、31枚の和了形比率は97.7%ですから、東家及び南家が「絶対に和れない確率」は2.3%、同様に西家及び北家は5.9%となります。

上表の「和了形比率」の数値を「うまい人ならこの確率で和れる」と勘違いしないようにして下さい。これはあくまでも全部の牌が明らかになった結果の確率、言い換えれば「透視能力があって自摸予定牌が全部わかっている場合に和れる確率」です(従って、現実に役立つ数値ではありません)。

参考までに、「(鳴きがない場合に)絶対に聴牌出来ない確率」は、東家及び南家では1/7239、西家及び北家では1/855となります。

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