鏝 絵(こてえ):
 鏝絵とは日本で発展した漆喰を用いて作られるレリーフ(浮き彫り絵)を特徴とする漆喰装飾技法の一つです。
左官職人が鏝で仕上げていくことからこの名がついたと言われています。古くは高松塚古墳や法隆寺の金堂の壁画
などに見られその歴史は古いものがあります。また、天平年間には立体塑像も見られます。
 これらに見られるように木材で芯柱を作りその外側に荒土や白土にすさ糊(海草糊)を混ぜた材料で作るのが鏝絵の
源流とされているようです。


漆 喰(しっくい):
材 料
 漆喰は貝殻と木炭を重ねて焼いた灰もしくは消石灰に糊やスサを混ぜ合わせた後に水を加え練り上げて作られます。
このため外見は白色に見えます。糊は漆喰の保水性をよくし接着効果・施工性を高めるために用います。
また、スサは亀裂防止のためつなぎとして混入します。
 糊    乾燥させた角又などの海草を煮詰めたもの
 スサ  麻・藁・紙など)の繊維質のもの
顔 料
 色付けをする顔料には古くから伝わる岩絵の具が多く使われています。当時の顔料の色数は次の6色のみで、
緑色は存在しないと言われています。
* 赤     酸化鉄系顔料 〜ベンガラ(オランダ語:Bengala)
* 朱色   硫化水銀の赤色顔料 〜朱砂や辰砂等から得られる
* 青色   酸化コバルト 〜キングオブブルー
* 浅黄色  キンベルに漆喰を増量して混ぜる緑がかった薄い藍色
* 黄色   黄土
* 黒     木墨、煤


制作手法

 鏝絵の制作に当たっては時間に制約され、かつ、相応の集中力が要求されると言われています。時間の経過に伴い
漆喰が凝固するからです。これに加えて柔らかい状態のうちに上層の漆喰を塗り重ねないと癒着しないからです。
当然、予め顔料を混ぜ合わせた色漆喰を上層部に塗り重ねることになります。
 近年では、水を加えて出来上がる漆喰材等の普及などにより、色漆喰を使うことなく後工程で水彩絵の具やアクリル
絵の具などを塗って仕上げる方法なども見受けられます。


関連リンク

静岡県 賀茂郡 松崎町観光協会

大分県 宇佐市 安心院観光協会


信濃漆喰鏝絵館へ