Published Friday, March 14, 1997
解禁: 将軍たちの秘密
この文章はハバナのEFE通信の報道です。マイアミ・ヘラルド紙に載ったのを紹介します。
「こんなこと言っちゃって良いのか?」というくらいの中身です。
キューバの将軍たちの回顧録、「解禁:将軍たちの秘密」がハバナで発行された。公式通信社である「プレンサ・ラティーナ」のルイス・バエスが著者となっている。全部で546ページのアンソロジー。41人の将軍たちがインタビューに答えて思い出を語っている。この本は軍の許可を得て発行され、ラウル・カストロ国防相が自ら序文を書いている。
その一部を紹介する。
アルゼンチンにおけるゲリラ闘争
アベラルド・コロム・イバラは現在の内務大臣である。彼は1962年にアルゼンチンに旅したときの思い出を語っている。旅の目的はホルヘ・リカード・マセッティが率いることになっているゲリラ闘争の根拠地作りにあった。
マセッティはアルゼンチン人のジャーナリストで、当時ハバナに滞在してキューバ革命を支持するキャンペーンの先頭に立っていた(訳者)
しかし、現地の農民は反乱を支持しなかった。彼らが当局にマセッティの正体を密告したことは明らかである。マセッティは密告にもとづいて殺害された、コロムはそう確信している。
バエスはEFE記者に語った。
「すべての兆候は、彼が逃亡を図ったことを指し示しているように思えます。彼はジャングルに逃げ込みました。そしてそこで死にました。しかし私たちはそこで何が起こったのか、まったくつかんでいません」
ベネズエラにおけるゲリラ闘争
ウリセス・ロサレス・デル・トロ将軍は、ベネズエラにおいてゲリラ闘争に参加した。彼は三人のキューバ人顧問とともにベネズエラのゲリラ部隊に加わったことを思い出す。
彼らは「きわめて緊張した」14ヶ月をそこで過ごした。そしてベネズエラ人にゲリラの戦術を教え込もうと努力した。しかし明らかに、彼らはキューバ人に指導を受けることに反感を持っていた。「ここはベネズエラの国だ。そこでどう闘うかは自分たちが決めることだ」と思っていた。
ロサレスは回想している。
「あるとき、私たちは敵の攻撃を撃退することが出来るということを示そうとしました。そしてそれを実行しました。見回してみると、私たちキューバ人4人だけがまったく孤立していることに気づきました。そんなことが何度もありました」
シリアにおける戦闘
ネストル・ロペス・クバス将軍は、シリアのタンク大隊を率いていたときのことを回想している。その戦争は1973年10月、シリアとエジプトがイスラエルを相手に挑んだものだった。
彼の部隊は全面的な戦闘には参加しなかった。しかしいくつかの砲撃戦には加わっていると語る。
ニカラグアの戦い
しかし、ロペスの「最も困難で、複雑で、危険で、恐ろしい」任務は、1980年代のニカラグアの戦争だった。キューバ人はサンディニスタ政権を支持して、アメリカに支援されたコントラの部隊と闘った。
ロペスは語る。
「私たちは毎日、毎日、いのちを危険にさらしました。待ち伏せ、地雷、その他不正規戦争のすべてがそこにはありました。どこから敵兵が来るのか誰も知りません。次の瞬間には敵がどこかからひょっと現れてくるかも知れません」
ゲバラの思い出
アルゼンチンの生まれのゲリラ指導者エルネスト「Che」ゲバラは、何人かの将軍によって語られている。
ビクトル・シュエグ・コラスは回想する。彼とゲバラが危うく殺されかけたときのことを。
それはコンゴでのことだった。彼らとゲリラ部隊が駐屯していたキャンプは政府軍部隊によって包囲されてしまった。彼らは5日間のあいだ身動きできなかった。それからゲリラ部隊は少しづつしのびだした。最後にはキューバ人顧問も含め主力は脱出に成功した。