「ボク、君の事が好きみたいだ。」 突然の、風間先輩からの告白。 その言葉の意味が一瞬わからずに、思わず聞き返してしまった、僕。 「はぁ?」 先輩に対して、横柄な口の聞き方だったかもしれないと少し考えて。 そして、それと同時に先輩が今言った言葉の意味を考えて。 何だか無性に心臓が早く鳴り出す。 「このボクが、好きだって言ってるんだよ。」 そう言いながら、どこか偉そうな先輩を見上げる。 「……………し、新種の呪いか…何かですか…?」 僕の口から出たのは、そんな言葉だった。 ≪自覚(未)≫ 風間先輩は、得体が知れない。 不思議な人で、つかみ所が無い。 本音がどこにあるのか、わからない。 時々おかしな言葉を喋っている。(多分あれは、地球外言語だと僕は思っている) それでも彼は、自分で豪語するようにアレでいてもてていたりもする。 それは多分、そう言う”人とは外れた所”が良いと言う 自分には理解できない感情を女子が持っているからだ。 明らかに、存在しないものをさも存在しているかのように喋る彼を。 「自分がいないと駄目だ、」とか錯覚させてしまうところが、先輩の凄いところだと思う。 (多分、アレは自分でも無意識にやっているんだろうなぁ…。) ------そう。女の子達のそれは、ヒモを養う女の人のようだ。 ちょっと違うけれども、母性本能と言うのかも知れない。 そんなわけで、男である僕にはそんな感情はこれっぽっちもないわけで。 「好きだ」とか言われても、どうしていいのかわからない。 と言うかそもそも、どういう意味での告白か、図りかねているワケで。 結局アレから、そればかりを考えて過ごした。 というか、それ以外考えられない。 風間先輩が地球上に存在している時点で僕にとってはショッキングなのに、 彼がやる事なすこといつも僕を惑わせる。 いや、アレをフツーに受け止める方が間違っている。(断言) それとも、僕が間違っているのだろうか。 いやいやいや、そんなはずは無い。断じて。 「坂上、」 「は、ははははいぃ!?」 はっと、我に帰ると目の前には訝しげに僕を見る日野先輩の顔が。 「さっきから、バカっぽい顔してどうしたんだ?」 「先輩……」 --------口は悪いけど、何だかんだで心配してくれてるんだよな。 「あ、ぽいんじゃなくて、馬鹿なんだったか。」 「…………、」 (----------------心配----してくれてんのか?) 気持ち、睨むように先輩を見上げれば、眼鏡の奥で楽しそうに目が細められた。 「………それで?なんか心配事か…?」 「……一応、聞いてはくれるんですね…」 「まぁ、一応はな。」 「…………、」 一筋縄じゃいかない事で定評のある日野先輩は、新聞部での僕の先輩で。 ふざけながらも、ボクの話を聞いてアドバイスをくれたりする……が。 今回の事は、人に相談してもいいことなんだろうか。 それも、『人の不幸は蜜の味』を地で唱えている、日野先輩なんかに。 あぁ、それでも他にこんな事相談できる人なんていないし。 何よりも、僕と風間先輩とは日野先輩がきっかけで会ったのだ。 あの不思議な会合、で。 少なからず僕よりも、風間先輩の本質を知っているのは日野先輩だ。 「……………風間先輩の事なんですけど…。」 悩みぬいた末、結局相談する事に決める。 決めてしまえば、展開は早い物で。 一通り話し終えた僕に、日野先輩の放った一言で話題が終結してしまった。 「嫌いじゃ無いなら、付き合っちゃえばいいじゃん。」 「………、」 (この場合は、誰を恨んだらいいんだろう。) ふと、そんなことを思った。 思うだけだ。 最近知り合った人(あの6人)を恨んだりしたら、多分反対に呪われる。 呪うべきは、自分の縁の悪さか。 「ていうか、やっぱり日野先輩はそう言う意味での告白だったと…思ってるわけですよね?」 「そう言う意味で…と言うと。恋愛感情として好きか、 その人間性が好きか…食料として好きかって事か?」 「食料!?」 (おぉっと、こりゃ新展開だ!) 思わず、先輩に合いの手を入れて、あほらしいと考えようとしたが。 (………まてよ?相手はあの風間先輩だぞ?有り得る…有り得るよ!!) ----------日野先輩に相談した事で、問題が複雑化した感が否めない。 強制終了。 ……なんですか、コレは。(汗)自分でも何がなにやら…。 風間v坂上でお送りしました。……お送りしました…?(疑問系) ---------お送りしませんでした。(否定形) なにやら馬鹿話を書いててすごく面白いので話が脱線しすぎまして。 カプ要素が全く…無い…です・ネ★(開きなおんな)…と言うか、風間先輩が…。 そして日野先輩が好きですよ。危うく日野v坂上になりそうで、ドキドキです。 すみません。次に書く風坂は、180度違う感じの真面目話にしたいです。(希望) そうしないと、話が進まない事を今回学びました。合掌。 (2003/1/8 UP) <モドル |