目の前にいる相手を、イメージしてみよう。









i m a g e







「あ〜?」
胡散臭そうに、声をあげてフォースは目の前を見た。
「つーか、」
「何だ、」
どう見てもやる気のない感じのフォースに不満げなツースト。
「ってか、アレだろ。ツースト、アレ!」
「アレじゃわかんねぇ。」
『アレ』と言いつつ、視線は上向き。
(………言葉が、思い出せないのか?)
ツーストは、思う。
喋るのが好きなフォースは、馬鹿ではあるが直ぐに言葉を覚えてしまった。
一方ツーストは、あまり人と喋る事を得意としていない。
と言うかぶっちゃけ、めんどくさい。
それでも、知能指数は(少なくともフォースよりは)高いので日本語も短期間で覚えた。
主に、本とかで。
だから時々発音を間違えたりもするがそれは愛嬌ってことで。
反対に、フォースは使っていない言葉を覚えていない事が多い。
近い言葉をいっぱい並べて周りを納得させる。

「ん〜わかんねー。ホラ!おれ思い出してるから、ツースト先言えよ。」
「イメージ?」
「そう、オレのイメージ。」
フォースは、思い出せそうで思い出せない言葉を探すのに必死なようだ。
一応、ツーストを見ているがどこかしら焦点があっていない気がする。



「フォース…は…」


一番最初に思い浮かんだのは、向日葵だ。







夏の王様、向日葵。
夏の花、向日葵。
人の目をひく、鮮やかな黄色。
大きく、陽に向かって花を広げる様は何だかカッコイイ。

「向日葵?」
「ヒマワリ?あの黄色いヤツ?」
「そう。」
ツーストが頷くと、フォースはさして興味も示さずにふーん、とだけ言った。
「なんか、馬鹿っぽくね?元気がだけがとりえみたいな、」
「その通りだろ。」
「ムーカーツークー」
そう言いながら、フォースは笑った。

ツーストは、フォースをもう一度見つめなおす。









(あ。)









(あれにも似てる。)



























夏の、空。







日本の夏はひどくじめじめしていて。
まとわりつく、空気が鬱陶しかったのに。
空だけは何だか、広く感じた。
自分の国で見上げる空の方が、絶対的に視界いっぱいに広いのに。
ふとした瞬間に通り抜けた風が、すごく気持ちよくて。
見上げた空は、深い青。
手を伸ばせば届きそうな------
(届く事なんてないのに。)
近くて、遠い。
掴めない。


空。


(って言うのは、言い過ぎか。)
自嘲気味にツーストは、笑う。
どうやら自分は、フォースに過度の期待をしている感がある。
馬鹿っぽいけど。
何も考えて無さそうだけど。(実際何も考えてないっぽいけど)
何か、自分には持っていない何か。
それを持っている気がして。





ひかれずにいられない。















「あ。」

フォースがポンと手を叩いた。
「あ?」
「思い出した、アレ。」
「なに、」
フォースは、ツーストを指差して言った。
「お前、サボテン。」






























ほ〜ぅ?何か。そんなにオレはトゲトゲしてんのか。」
半ば切れ気味のツースト。
今にも、腰にさしているサーベルを抜刀しそうな勢いでフォースに問い返す。
「や、そうだけど。いやいやいや、そうじゃないけど!」
慌てて、訂正するフォース。


「サボテンってさ、トゲトゲしてるけど。すんげー小さくてかわいい黄色い花咲くの。
健気でかわいくてさ。オレの部屋にも置いてあるぜ?」










悪気もなく、いつものように馬鹿っぽく笑った。










何だかこそばゆい言葉に、ツーストは赤面してしまい
それを見てしまった、フォースに
(こういうところが、サボテンの花っぽいよなぁ。)
とか思われていたとか、いなかったとか。


















4v2?(汗)
未だ、自分の中でミラクル設定が決定していないので微妙な話になってしまいました…。
一応この話では、ちゃんと二人とも外人にしてあります。
でも、実は3人も日本人…という設定も好きです。
…結局、何でもあり…なのか…?(汗)
本命は、2v4です。4v2も好きですが。
というか、受け攻め…関係なく。二人がじゃれあってれば幸せらしいです。(本音)



(2002/12/30 UP)

<モドル