学校から帰ってからのいつもの習慣みたいなもので、ポストの中身を確認する。
大量のチラシやダイレクトメールの中から、白地に独特の枠がある封筒を発見した。
ダイレクトメールとは、少し違う感じの封筒にはしっかりと




「 YUTO WAKANA 」





と宛名に書かれたいた。








しろやぎさんからおてがみついた。







自分が直接もらった事は今までなかったけど、明らかにエア・メイルだ。
こう言うのが普通どんな形状をしているのかわかんないけど、普通の手紙に比べて薄っぺらくて頼りない。
名前からはじまり、最後に「JAPAN」で締めくくられている…明らかに日本のとは違う書き方。
「なんだ、コレ?」
俺は、その怪しげな封筒を太陽に透かしてみた。
封筒の角が少しひしゃげていたり、インクの汚れがうっすらとついている。
海外からわざわざ海を渡って、日本へ。
その外面には、その旅の悲惨さがわかる。

「ん〜〜〜〜〜〜〜?」

裏を返してみたりまた表にしてみたり、それでも送り主の名前を見つけられない。
多分、内容を見ればわかるんだろうけど、差出人の名前すら書いてないなんてちょっと気味悪く思える。
でも、外の形状から見ても何か怪しいものが入っている訳じゃ無いし、何よりも好奇心が勝った。
慌てて家の中に入る。
焦っているせいで、乱暴にドアを閉めてしまい台所の方から親のお叱りが飛んできた。
「ちょっと、結人!ドアくらい静かに閉められないの…!!」
此処で反応すると、お小言が始まってしまうのであえて聞こえなかったフリをして自分の部屋に引き篭もる。

制服のネクタイを緩めつつ、ハサミを探す。
基本的に、整理整頓と言うものが苦手。
(というか、趣味&特技が整理整頓なんて有り得ないだろ!…と一馬に言ったらへこまれた…。)
だけど、普段よく使う物は取りやすい位置に置いておくのは、鉄則。
幼稚園の頃から愛用しているハサミを、難なく発見。
早速、封を切る。
急いでいるせいか自分の動作がもたついてイライラした。
ひらりと、封筒の切れ端が床に落ちる。
拾うより早く、その中身を確認。
ペラリと、薄い紙が一枚。

















「………………………………………なんだ、コレ?」













ポストの中の封筒を見た時に言ったと思われる言葉を、繰り返す。
っていうか、其れしか言葉がでないっつの。
封筒の中には、薄い紙が一枚。
その紙には…紙には……何も書かれてなかった。
白紙?
あんなに期待したのに、白紙?
「ってか、有り得ねぇー!!」
わしゃわしゃと頭をかいて、またその手紙を凝視した。
(いや、どう考えてもおかしいだろ!)
例えば、これが「うっかり」とかによるものだとしたら普通は便箋が入ってないだろ…。
だから多分これは、わざとそうされているんだ。多分。

(でも……何の為だ?)
カッコイイ俺に対する恨み、妬みを持っているやつからの嫌がらせか。
(そんなら、カミソリとかが定番じゃねえの?)
見る限り罫線しか入っていない紙にはもしかしたら、何かしらの意味が込められているのか。

「…………………………………………………あぶりだし?」

やった事ないけれど、果物の汁とかでも字を書くと火であぶるとその文字が出てくると言う……。
(でも、紙を火であぶるのって結構危ないよな…。)
(似た系統でいくなら、水の中に入れて日に透かすと…とか。)
まるで気分は探偵、だ。
あれこれ考えるのは楽しいけれど、いつまでもこうやってても答えがでない気がする。
さっさと、行動に移すのが一番。
俺は、電話の子機を自分の部屋に持ち込んだ。





多分、コレの犯人はアイツだから。










まず、英士に電話。
必要事項をメモって、国際電話。
『――――――Pronto?』
よくわかんない言葉喋ってるけど、いつもと同じ声に妙な安心感を覚える。




「……潤?オレ。」
『……………結人?』
「あー、うん。オレオレ!」
『……アハハハ!本当に結人だ!!』
「何で、笑うんだよ!」
『いや…だって、電話くれるとは思わないし?番号はヨンサに聞いたの?』
「うーそーつーけー!」
『……何が?』
「電話来ると思ってたろ?手紙の件で。」
『あ。手紙届いたんだ。』
「やっぱり、お前か……。」
『なんで、わかった?』
「エア・メイルって言ったら外国だなーって思って。
思いついたのが、ドイツに行ってる風祭とイタリアにいるお前しか出てこなかったんだよ。」
『あれ?将って…ドイツ?』
「あーうん、なんかいろいろあって。」
『ふぅん?言いたく無さそうだから聞かないでおくよ。』
「別に言いたくない訳じゃないけどさ…」

『………あのさ、何で僕があんな手紙送ったか…わかる?』
「わかんねーから、電話してるんだけど。」
『誕生日、おめでとう。』
「は?」
『って、言いたかったんだよ。』
「え?手紙に、そう書けばいいじゃん…」
『もー!わかってないなぁ、結人は!直接言いたいんだよ、こういうのは!』
「ていうか、最初から潤が電話かけてきてくれてたら万事解決だったんじゃん!」
『国際電話高い〜』
「こっちからかけても、同じだっつの!」



『………なんかさ、電話って押し付けがましいじゃん?』
「そうか?」
『電話を取る側に、基本的に選択権がないから。
忘れかけてる人から電話かかってきても会話続かないし、なによりもおもしろくない。』
「……………。」
『結人…僕のこと、覚えてるかな〜って思ってさ。』
一種の賭けだよね、と言って静かに笑う声が電話越しに聞こえた。






っきのおてがみ、ごようじなぁに?






「……忘れないって。」
『うん、有り難う。』
「…………潤?」













『結人、誕生日おめでとう。』


















……話が、まとまらない…(泣)…不完全燃焼…。
いろいろ書きたいネタをちょこちょことかいてみたら本当にまとまりがなく…読みづらい仕上がりに…。(遠い眼)
というか、前回郭の時も潤慶絡みだったのですが…今回も潤慶が…。
あ〜もう、すみません…本当にまとまりがない…。
補足するならば…多分、今回の潤慶は何かで微妙にへこんでいたのだと思います。
そして、1箇所ずつ名前のみ出ている郭と真田は次の日曜日にでも若菜の誕生日を祝う約束をしているんだと思います。

書くのは楽しかったです。
いろいろ反省点は多いです、潤若…もう一度リベンジしたい…。
今回がきっかけでネタも出来たので次の機会に是非…!(いつだ!)

今回背景に使っているエアメイルの便箋と封筒を買いに100円均一に。(苦笑)
その時、若菜誕生日記念に購入してみました↓




み、みづらいかな…3人のハンコ…。(痛)
特に使い道はないので、自己満足です。



(2003/6/5UP)

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