異心伝心



あの日の真実 〜悪夢からの目覚め〜


朝。

俺は目を覚ました。

ぼんやりする視界。なかなか焦点が定まらない。

また目を閉じて、ゆっくり開いた。


「え?」


自分の部屋ではなかった。

そこは、

真っ白い部屋。



(ここはどこだ?)

俺は佐倉に尋ねた。

だが、佐倉は答えない。

(おい。佐倉ぁ。)

名前を呼ぶが、答えない。


「どーしちまったんだよ・・・。」

そう呟いて起き上がろうとするが、何故か身体が痛み、起き上がれない。

「何でだ?」


知らない部屋、痛む体・・・。

その時、コンコンという音がした。


「野山さーん。朝ですよー。」


聞いた覚えのある声がした。

そっちをゆっくりと首を動かして見る。

そこにいたのは、佐倉だった――。


「なん・・・で?」


俺は、目の前にいる佐倉に聞いた。


「野山さん?! ちょっと待っててくださいね! 先生呼んできますから!」


佐倉はそういうと、猛ダッシュで白い部屋を出て行った。

いったいここは、どこなんだ?

さっきまで目の前には佐倉がいた。

佐倉先輩ではなく、確かに佐倉がいた。だが・・・――何かが違う。



数分後、先生と呼ばれた男が来た。

その横に佐倉は立っている。

ん?

よく見ると、男は白衣をまとい、佐倉はナース服のようなものを着ている。


「ここは・・・?」

俺は白衣の男に聞いた。

「ここは病院だよ。三日間、ずっと気を失っていたんだ。」

三日間? 何のことだろうか?

「でも良かったよ。新学期が始まる前で。」

新学期が始まる前?

何を言っているのだろうか・・・。

「災難でしたね・・・。」

今度はナース姿の佐倉が話始めた。

「飛び降り自殺した女の子が、ちょうど上に落ちてくるなんて・・・。」



白衣の男とナース姿の佐倉が病室を出て行った。

じゃぁ、俺は・・・、

三日間、気を失っていただけなのか?


「なんだ・・・夢だったのかよ・・・。」


部屋の中は静かだった。

窓の外を見れば、桜の花びらがひらひらと舞っていた。

なんだか、ほっとした。


「・・・夢だったのかー。え・・・でも何で看護士の佐倉さんが夢に?」


『なんでだろうね?』


佐倉じゃない。知らない男の声がした。

病室を見渡すが、誰もいない。


「――お前、誰?」

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