答弁(知事) 
 平成14年度以降、地下水汚染が確認された3市1町における、これまでの対策と現在の水質状況について。まず、秦野市、三浦市、中井町では、硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素による汚染が確認されたことから、原因の究明と範囲を確認するため、汚染井戸周辺地区調査を行った結果、原因は畑に撒く肥料でありましたが、原因者は特定できませんでした。
 このうち、秦野市及び中井町においては、汚染井戸周辺には、飲み水に使う井戸がないことから、その後の推移を確認することとし、継続調査を行っていますが、現在も環境基準を超過しています。
 一方、三浦市では、汚染井戸が市の水道水源のある宮田台地にあることから、県では、継続調査を行うとともに、関係機関による会議で対策を検討し、その結果を踏まえ、21年度に三浦市が地下水保全計画を策定しました。
 現在、県市が連携し、肥料の適正使用に関する指導や、植物による窒素の吸収・除去などの取組みを行っていますが、現在も環境基準を超過しています。
 次に、座間市では、有機塩素系化合物による汚染が確認されたことから、周辺地区調査を行った結果、近くに飲み水に使用する井戸がなく、原因者も特定できなかったことから、継続調査を行っていますが、現在も環境基準をわずかに超過しています。
 次に、今後の地下水汚染対策ですが、県では、これまで汚染が確認されている地域については、継続的に水質を監視し、可能な限り汚染原因者の特定に努めてまいります。また、引き続き、県内全域調査を行い、環境基準を超過した汚染が確認された場合は、原因及び原因者の特定に努め、環境科学センター等の知見を活用した浄化対策を市町村とともに進めてまいります。
 特に、硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素による汚染に対しては、原因等が特定できない場合でも、肥料の使用量の適正化や土壌に残りにくい肥料への転換、収穫後に土壌に残った窒素を吸収する植物の導入など、想定しうる対策を検討し、地域での取組みを働きかけてまいります。