答弁(黒岩知事)
 杉本議員のご質問に順次お答えします。
 初めに、平成22年9月の台風第9号による災害の復旧状況について、何点かお尋ねがありました。
 まず、災害対応についてです。
 台風第9号により、本県では山北町を中心に大きな被害を受けたところであり、県、市町の公共土木施設等についても被災いたしました。この災害については、発生当初の応急対応から、その後の復旧工事などについて積極的に取り組んできました。
 具体的には、県所管の公共土木施設等の復旧は、まず河川・砂防施設については、6月末までに復旧工事が完了する予定です。また、被害箇所の多かった林道についても、同じく6月末までに、20路線のうち、18路線の復旧工事が完了する予定です。
 残る2つの箇所のうち、川西林道は平成22年度から24年度までの3ヶ年をかけて実施してまいります。不老山林道は、進入路となる国有林道の復旧の後、平成24年度以降、計画的に復旧してまいります。
 一方、酒匂川の濁りについては、昨年末の濁度測定や、浮遊物質量の測定を継続して行い、その推移を確認しておりますが、最近では、降雨後も速やかに数値は改善しており、下流域の測定値は、概ね安定しています。
 また、アユの生育環境については、2月から引き続き餌となるコケ類の調査を行ってまいりましたが、水温の上昇とともに、コケ類は徐々に増えていることから、回復傾向にあると考えており、3月に県で5万匹のアユを試験放流して調査しましたが、その結果、肥満度の低下は見られませんでした。
 今後とも、酒匂川の濁度や水質、アユの生育環境を調査し、その結果を漁業関係者に提供してまいります。また、河床整理については、掘削土砂の置き場を調整後アユ漁期及び出水期を避けて工事を実施する予定であり、順次、河川環境の回復を図ってまいります。
 さらに、海においても、河口付近の良好な漁場に泥や流木等のゴミが堆積するなど、水産資源への影響が生じたため、これまで漁場環境調査や海底ゴミ回収・清掃などを行ってまいりました。今後とも引き続き、県と漁業関係者の皆様との協力・恊働により、漁場回復に向けた取組みを進めてまいります。