答弁(黒岩知事)
 次に、科学的根拠に基づいた正確な規制値の設定についてです。
 食品中の放射性物質検査については、5月16日に、厚生労働省から荒茶についても生葉と同じ1s当たり500ベクレルを暫定規制値とし、暫定規制値を超えるものが流通しないよう、通知されました。
 生葉から荒茶に加工される過程で、乾燥し濃縮されることから、1s当たりの放射性セシウム濃度は約5倍になります。
 荒茶に生葉と同じ暫定規制値を適用することは、生葉で暫定規制値を下回っても、荒茶には規制値を上回ることもある、という矛盾を生じ、現場に混乱が生まれることになります。また、実質的な規制強化でもあります。
 このため、県としては、国に対して、5月17日に、科学的根拠に基づいた規制値の設定についての要望を行ったところです。
 この要望に対して、6月10日に厚生労働大臣から、科学的根拠を示すことなく、再び検査の実施について通知がありました。
 県では、6月13日に、市町村、生産者団体及び消費者団体に、暫定規制値の設定について意見照会を行いましたが、科学的根拠に基づく規制値の設定について、国に強く要望するべき、とのご意見が約8割を占めました。
 こうしたご意見も踏まえ、県としては改めて、茶の科学的根拠に基づく規制値の設定を、国に強く求めてまいります。
再質問(杉本とおる議員)
 もともと茶葉は野菜等と同じ基準を設けているわけでこざいますけれど、茶葉をそのまま食べると言うことも確かにあるかもしれませんが、基本的には飲用に供するということがほとんどでございます。ですから、これからも科学的根拠が示されない限り、国に対し強く要望していっていただきたいと思うのですが、やはりその際に食用と飲用、同じお茶でありましても、別の基準で規制値を設定するべきである、ということもあわせて申し入れをしていただきたい。それに対する知事の見解を伺いたいと思います。
再答弁(黒岩知事)
 お答えしてまいります。
 荒茶の飲用と食用についての区別ということでございます。飲用にする場合というものは荒茶に対して放射性物質セシウム、濃度が1/50程度ということでございます。それを食べない荒茶と野菜等とを同じ規制値ということは、全く合理的でないと考えております。このため消費者の立場に立って、飲用する茶と食用を明確に区分して出していくということは当然のことであると思っています。
 科学的根拠に基づいた設定をするよう繰り返し求めてはいるのですが、なかなか出てこない。しかしこれは、消費者の不安を取り除くためにも絶対必要と考えていますので、今後とも繰り返し粘り強く求めていきたいと思います。