答弁(黒岩知事)
 次に、風評被害に対する県の支援についてです。
 茶の暫定規制値を上回る検査結果が出たことから、一部の店舗で、昨年生産された安全な足柄茶まで店頭から撤去したり、茶の出荷制限地域内の一部の農家で、野菜が売れなくなったりする等、県内でも風評被害が確認されています。
 風評被害に対する、国の対応ですが、荒茶・製茶の検査を確実に実施し、安全が確認されたものだけを出荷するよう、各都県に徹底しております。
 なお、茶が暫定規制値を上回ったことに起因する風評被害を、損害賠償の対象とするため、農林水産省ではその事例等を収集し、原子力損害賠償紛争審査会に対して働きかけると聞いております。
 一方、県の支援ですが、風評被害は、正確な情報の不足が原因と考えておりますので、一番茶で暫定規制値を上回った地域については解除に向けた検査を、下回った地域については二番茶、秋冬番茶等の検査を行い、その結果を消費者に速やかに公表してまいります。
 また、農産物についても、茶の出荷制限で風評被害を受けることがないよう、品目ごとに収穫時期を合わせ、検査を実施し、結果を公表してまいります。
 さらに、こうした県の取組みが、消費者の皆様に確実に伝わるよう、大型直売センターや県産農産物を扱っているスーパー、小売店等と連携して、店頭での情報提供に努め、安全をPRしてまいります。
再質問(杉本とおる議員)
 風評被害でございますけれども、たしかに規制値以下であれば当然販売はできるわけではございますが、県民、国民の考え方からしますと、やはり多少でもそういうものが含まれているというもの、また、以前規制値以上のものが検出されたという地域にあっては、今回は大丈夫ですよ、というものの販売に結び付けることは大変問題があるのだろうと思っております。
 数値を公表することは、基本的に重要なことでございますけれど、販売がOKになったものにつきましては、より積極的に消費者に対し、県として具体的な支援方法を考えていただきたいと思うわけでございます。
 県は足柄茶に対しては大変振興に努めてきた。昨年のAPECのレセプションでは足柄茶をつかって乾杯されました。そのくらい、足柄茶というものの価値を高めていったわけです。風評被害によって一気に水泡に帰してしまうおそれもあるわけです。
 もう少し販売に向けて、多くの県民、国民に対しての不安を取り除くための、具体的な支援策があったらお聞かせ願いたい。
再答弁(黒岩知事)
 風評被害についてのお尋ねがありました。
 県内の茶については、生産量の約85%出荷制限されておりまして、生産そのものに対する被害でありまして、「足柄茶」の販売を行う上での風評被害はそういう意味では少ないのではないかと考えております。ですから、今出回っている「足柄茶」は問題ないということです。そのために、どうすればよいのか。今われわれの会議等の場でも積極的に「足柄茶」とブランド名がみえるようなお茶を飲んでいるわけですが、色々なところで、自ら先頭にたって足柄茶の安全性をアピールしてまいりたいと考えております。