答弁(黒岩知事)
 最後に足柄上地域と箱根を連絡する道路について、お尋ねがありました。
 足柄上地域と箱根を連絡する道路は、道路ネットワークの充実により、箱根地域の渋滞緩和を図り、また、災害時の代替ルートとなるだけでなく、両地域の広域連携が促進され、観光振興をはじめとする地域活性化にも役立つ、重要な道路になると認識しております。
 この道路は、平成18年度から、県西地域の市町と設置した研究会で、5つのルート案を設定し、地下水や動植物への影響などの検討を行い、県民の皆様からご意見を賜って、平成23年2月、南足柄市矢倉沢と箱根町仙石原を結ぶ林道を活用するルートに絞り込みました。
 今後は、具体的な検討を勧めることになりますが、このルートは、国立公園など、自然環境豊かな地域を通過するため、見通しの悪い箇所の安全対策や、落石などの防災対策を実施するには、自然環境への影響を極力少なくする必要があります。
 また、林業に従事される方々の、ご理解ご協力をいただくための話し合いや、誰もが通行できる道路にするため、警察との協議も必要です。そこで、今年度は、現地の測量調査を実施するとともに、関係者との協議調整を進めます。
 事業実施に向けたロードマップについては、解決すべき課題を整理し、具体的対応策を明らかにした上で、示してまいります。
 道路の構造については、自然環境への影響を考慮して、観光バスなど大型車が通行できる、幅の広い道路ではなく、現在の林道を活用し、乗用車が安全に通行できる道路を想定しています。
 ただし、連絡道路が出来るだけで、地域が活性化するとは思っていません。むしろ、この道路の整備を契機に、県西地域が、なお一層、魅力ある地域づくりを進め、マグネット力を高めることを期待しております。
 答弁は以上です。
 
再質問(杉本とおる議員)
 ロードマップを、いつ頃までに決めていただくか、時期を明確にして欲しいということを、地元の意見としてありますので、是非、ご答弁いただきたいと思います。
 それから、構造上は、乗用車が通れる程度というお話でございますけども、この地域は、熱海を含めた観光圏として国交省から認定を受け、回遊性のある観光、そして2泊3日以上の滞在型の観光の地域として、今後、観光に力を入れていくので、回遊性を求めるとなると、大型バスが入るくらいの道路にしていただかないと、なかなか周遊できないだろうと思います。観光力と言いますか、人数的にいきますと観光バスがその地域をしっかり回れるという状況にしませんと、多くの観光客を集客させるのは非常に困難だろうと思っております。是非その辺をもう一度、乗用車だけですよと言うことではなく、ご再考いただけるかどうか、その2点を再質問させていただきます。
再質問回答(黒岩知事)
 いつ頃までに作るのかというお話がありました。先ほど申し上げましたとおり、この辺りは国立公園で自然環境が大変豊かなところであります。そういったことを配慮しながら慎重に進めていくということも、同時に必要であると思いますので、できるだけ早くという気持ちとともに、自然の中の調和がとれた道路を目指していくということで検討してまいりたい。
 また、大型バスが通れるくらいの道にすべきだろうという話がありました。まさに同じことでありますが、なんといっても国立公園で自然環境豊かなところでありまして、それだけの道路をどんどん作るということが与える、自然への影響、これは当然配慮しなければならないということであります。ですから、今の状況からするならば、大型バスが通れる道というのは、なかなか厳しいのではないかと思っております。
 ただ、先ほど申し上げましたように、道路さえできればお客さんが来るんだと言うのは、勘違いです。それが一番大事なことだと、私は思っております。
要望(杉本とおる議員)
 ロードマップにつきましては、調査はいつ頃まで終了しますよと目安は見えるはずです。調査をしっかりした後に、今後の建設に向けてのロードマップをしっかり示すとおっしゃった訳ですから、これはいつ頃までにということはお答えしていただけるはずです。ですから、それはもう一度お考えいただきたいと思うのですが、時間がありませんので最後に要望だけしておきます。
 足柄上地域にとりましては、観光を中心にした地域の活性化というのは全ての市町が考えているものです。ですから、今回、観光圏に認定されたのは大変喜ばしいことですし、地域にとって、そのためインフラの整備が早急に求められているのです。行政をはじめとして、議員さんも議員連盟を作って、何しろ全体で地域の観光に向けた取り組みを進めようという機運が地元では高まっているわけです。是非、その辺をしっかりとご認識いただきまして、箱根との連絡道路を、できれば観光バスが通れるくらいの広さに、いや一度にとは申しません。段階的にでも結構ですので、是非、お考えいただき、県西地域も、東部と同じように開けた地域として発展していけるように、知事の力で頑張っていただきたいとお願いを申し上げ、質問を終わりにさせていただきます。