答弁(黒岩知事)
 はじめに、物品調達におけるリバースクションについてお尋ねがありました。
 県財政が厳しい中、私たちはさまざまな知恵を絞っているところであります。リバースオークションもそのひとつです。リバースオークションとは、オークションの逆、すなわち、競り下げ、一番安い値段を提示した人が、権利を獲得する入札方法であります。これは、調達コストの削減効果が見込まれるため、今後も、積極的に活用していきたいと考えております。ただし、過度な価格競争による品質の低下や、県内中小企業の疲弊を招くようなことはあってはならない、と考えております。
 このため、今回の試行の実施にあたって、経費削減の効果が得られやすいと同時に、品質の確保が担保され、県内中小企業への影響の少ないもの、という観点により対象を選定いたしました。
 具体的には、毎年発注する品目のうち、一定以上の金額であり、仕様により品質が明確となるとともに、これまで大手の事業者との契約が比較的多いものを対象とすることとし、パソコンのリースや、コピー用紙、事務用消耗品を選定いたしました。
 また、参加事業者の拡大を図るため、県外事業者を含めるとともに、通常の一般競争入札には参加できない、事業規模の小さな事業者も参加できるよう、参加要件を緩和いたしました。
 実施の結果ですが、昨年度に実施した県立相模三川公園の工事に係わる太陽光パネルの調達においては、49.9%、約600万円と非常に高い削減効果が得られました。
 今年度においては、物品調達について、7月から8月にかけて、3件の試行を行いました。
 その結果、それぞれ三者から五者の事業者が参加し、経費削減率は、パソコンのリースが11.5%、コピー用紙が22.6%、事務用消耗品が19.3%で、合計では18.8%、約100万円の削減効果が得られました。 
 また、参加事業者は、結果的には3件全てにおいて県内事業者となり、これまで一般競争入札には参加できなかった、県内中小企業の参加もありました。
 工事資材から物品の調達まで、これだけ幅広くリバースオークションを試行したのは、全国の自治体でも本県が初めてであり、今後、下半期においても、新たな品目について試行を行いたい、と考えております。
 そして、来年度の実施に向けて、県内中小企業への影響や、品質確保などに十分配慮を図りながら、これまでの試行結果を活かし、より効果的な実施方法や実施対象を検討してまいります。
要望(杉本とおる議員)
 リバースオークションでありますけども、物品の購入については、リバースオークションによって、より経済効果が現れるから結構なんですけれども、要は、人件費が多額を占めるような公共工事には、やはり、なじまないだろう、というふうに考えております。
 基本的に、人件費がからむ問題というのは、相当、中小企業を泣かしてしまうような状況に陥る可能性かあります。
 県としては、中小企業育成というのを主眼に置いた取組をしているわけでございますから、ぜひ、そのへんはしっかりと、どのような実施対象にするのかを、再度、お考えいただいて、リバースオークションの実施に努めていただきたいと思います。