答弁(環境農政局長)
 環境農政局関係のご質問にお答えいたします。
 まず、丹沢大山の登山道と山岳トイレの整備についてお尋ねがございました。
 丹沢大山は、首都圏有数の自然の宝庫であり、都市部に隣接していることから、多くの登山者や観光客に親しまれております。県では、こうした登山者等の利便性向上と環境保全のため、登山道やトイレの整備を進めております。
 登山道については、これまでに、47路線、約310キロメートルに、木道や丸太階段、指導標などを整備してまいりましたが、近年、利用の多い大山や塔ノ岳などでは、荒廃が進んでおります。
 そこで、従来から県が行っている整備に加えまして、県民の皆様と協働し、平成20年度から、大倉尾根線の補修活動を「NPO法人みろく山の会」と、更に23年度からは、鍋割山に至る2つの登山道の補修活動を「丹沢山小屋組合」と取り組んでおります。
 次に、山岳トイレについては、これまで県として、丹沢大山の主要な登山口や山頂などに36ヵ所の整備を行ってまいりました。
 その結果、市町村や民間が設置したものも含めて現在136ヵ所のトイレがございますが、その内、水源に悪影響を及ぼす懸念がある浸透式トイレが、山小屋を中心に9ヵ所残っている状況でございます。
 そこで、県では、今年度から、県が整備費の全額を負担し、維持管理経費は利用客からの協力金でまかなう県民協働の仕組みをスタートさせ、山小屋などが環境配慮型トイレに転換する場合や、市町村が新設する際に支援することといたしました。
 今後の取組でございますが、丹沢大山の豊かな自然環境は、県民共有の財産でございますので、利用に当たっては、環境の保全を常に意識することが重要です。
 そこで、登山道につきましては、現在行っている県民協働の取組を積極的にPRし、その輪をさらに拡げてまいります。
 また、山岳トイレにつきましては、設置者のご理解をいただきながら、9ヵ所ある浸透式の全てを環境配慮型へ転換することを目指すとともに、市町村に新たな山岳トイレの設置を働きかけたいと考えております。
 その際、環境配慮型トイレは丹沢大山の環境を保全するため欠かせぬものであり、適切な維持管理のためには、利用者の協力が是非とも必要であることを、しっかりと周知し、ご理解をいただくよう努めてまいります。
要望(杉本とおる議員) 
 それから山岳トイレでありますけれども、山岳トイレにつきましては、浸透式の9ヵ所を環境配慮型に変えていただく、これは結構な話でありますけど、要は今、その中で一番、問題なのはやっぱり維持管理費なんですね。年間40万くらいかかると聞いているんですね。それを今まで利用者の協力金でまかなっておったわけですけれども、なかなか厳しい状況があるやに聞いているところもあります。ぜひ、状況に応じては、その維持管理費に関しましても、県として状況判断していただきまして何らかの形で手を差し伸べる手段を講じていただければありがたいというふうに思っております。