答弁(黒岩知事)
 ユーシンロッジは、昭和45年の開設以来、西丹沢登山の拠点として、多くの県民に利用されてきました。
 私も昨年11月に現地を訪れ、きれいな水に恵まれた渓谷であることを実感したところです。
 しかし、西丹沢からユーシンロッジに至る林業用道路である玄倉林道は、落石や崩落防止の安全対策工事を実施する必要があることから、現在も林業関係車両以外は通行出来ない状況であり、ロッジを訪れるには、徒歩による通行に限られています。
 また、施設の老朽化が進み、飲料水の確保などの課題もあることから、現在は、登山者の緊急避難施設としてのみ利用されており、県から山岳関係団体に定期的な点検をお願いしている状況であります。
 こうした中、本年2月には、地元山北町から、ユーシンロッジの早期運営再開に関する要望をいただき、県としても、地域の活性化など幅広い視点から、山北町と意見交換を行ってきたところであります。
 しかしながら、ユーシンロッジを再開するためには、水回りを中心とした建物の修繕が必要であることや、再開後の管理運営方法をどうするのか、といった課題があります。
 また、観光施設としての再開となりますと、多くの方に訪れていただくためのアクセスをどうするのかといった問題や安全性の確保も検討していく必要があります。
 そこで、県としては、こうした課題も含め、ユーシンロッジの今後のあり方について、地元の意向もお伺いしながら検討してまいります。
 現在、緊急財政対策の取組みを進めているところであり、当然、見直しの対象となります。
しかし、魅力あふれる場所でもありますので、民間活力の導入なども含め、どういった工夫ができるか、併せて考えていきます。
要望(杉本とおる議員)
 ユーシンロッジにつきましては、私の地元でもあり、知事と一緒に昨年11月に見てきた訳でありますけれども、これは町の振興には欠かすことのできない施設として考えている訳であります。
 山北町は丹沢湖を造りました。その時に大変多くの犠牲を払った中で、山北町は、県への水の供給という非常に重要な役を担っている訳であります。
 昔と比べて、山北町は人口も大変流失をし、そのために大変な状況下にある中で、県としても、その振興にできるだけ手を差し伸べようという視点から、あらゆる施設も作っていただきました。
 ユーシンロッジもその以前に出来ておりますけれども考え方は一緒でありますので、ぜひ地域の振興のためにも、山北町から要請も来ていた訳ですけれども、早期に前向きに検討していただきますように、これは切にお願いを申し上げるところでございます。