答弁(環境農政局長) |
次に、鳥獣被害対策についてお尋ねがございました。 野生鳥獣の被害対策は、地域の実情や鳥獣の行動特性に応じて、捕獲や防護柵の設置、隠れ場となる耕作放棄地の適正な管理などを組み合わせ、県と市町村や各地域が役割を分担し、かつ連携して取り組むことが効果的でございます。 具体的には、行動範囲が狭いイノシシについては、各市町村が中心となり、県は財政支援や、鳥獣被害防除対策専門員を配置して技術支援などを行っております。 一方、行動範囲が広く、また固体群の維持が必要なシカ、サルについては、県が保護管理計画を策定し、市町村や地域とともに保護管理を実施しており、農業被害軽減のための対策も行ってまいりました。 この結果、イノシシ、シカ、サルによる平成23年度の農作物被害額は、22年度の約8千7百万円から約5千2百万円に減少いたしました。しかしながら、依然被害額は多額でありますし、収穫直前の農作物が、食い荒らされてしまうことで、農家の皆さんが、営農意欲を失うことにもつながる、深刻な問題と認識しております。 そこで、今年度からスタートしたシカおよびサルの第3次保護管理計画では、山麓部での農作物被害の軽減対策も強化することといたしました。 まず、シカについては、農作物被害を軽減するための捕獲数を23年度の1.5倍にあたる1,200頭に増やすとともに、狩猟者に対する1日当たりの捕獲数制限を撤廃いたしました。また、農家のわな免許取得を促進することとしております。 次に、サルについては、人の生活圏とサルの行動域とのすみわけを基本としつつ、第2次保護管理計画策定後に発生し、市街地や農地を中心に行動している群れの捕獲を強化してまいります。 さらにサルの被害発生場所や捕獲、追い払いなどの対策を地図に記載し、隣接市町村間で情報を共有し、連携して効果的な対策を実施してまいります。 こうした取組に加えまして、今年度、地域県政総合センターの環境と農政部門が一体となって、営農面からの助言も含めた総合的な支援を行う「鳥獣被害対策支援チーム」を立ち上げました。 さらにこの9月から環境農政局内に農作物被害対策のプロジェクトチームを設置し、センターの支援チームと連携して対策を講じてまいります。 農家の皆さんの状況を十分把握しながら、こうした対策を着実に進め、農業被害が軽減できるよう取り組んでまいります。 |
再質問(杉本とおる議員) |
「鳥獣被害対策支援チーム」を地域県政総合センターに立ち上げ本年度からスタートしたとのことですが、現在の取組状況と今後の進め方についてうかがいたい。 |
答弁(環境農政局長) |
この支援チームは、地域自らが継続的・計画的な鳥獣対策を推進していく仕組みづくりをめざしております。被害が深刻で地域での協力体制が整っている厚木市、伊勢原市、南足柄市の中に重点取組地域を選定し、取組を始めております。 具体的には、地域と連携しまして、センサーカメラによって被害に遭いやすい農地を把握し、また、地域情報システムを活用して農地の管理状況の把握などを行っております。そして、加害鳥獣の捕獲方法や営農面も考慮した対策に関する研修の実施をしております。 今後は、これからの事業実施の計画を作成し、この計画に基づいて捕獲や追い払い、被害を受けにくい作物の栽培、放置された果樹とか捨て野菜の防止、このような営農指導をセットで行ってまいります。 さらに、環境農政局のプロジェクトチームがしっかりとサポートいたしまして、重点取組地域における成功事例を積み上げ、他の地域へと拡げ普及していくことを目指してまいりたいと考えております。 |