答弁(黒岩知事)
 杉本議員のご質問に、お答えします。
 県民の安全・安心についてお尋ねがありました。
 まず、帰宅困難者対策を含む大規模地震対策についてです。
 東日本大震災を教訓に制定し、今年4月に施行した地震災害対策推進時用例では、県民や事業者が果たすべき役割、帰宅困難者対策や災害時における事業者の責務などを規定しています。
 今後は、条例で定めた方向性に沿って、具体的な対策を、いかに推進できるかが、大きな課題です。
 特に、帰宅困難者対策は、交通機関が発達し、多くの通勤・通学者を抱える本県にとって、大変重要であります。
 このため、県、市町村は、帰宅困難者を受け入れる「一時滞在施設」の確保や、水・食糧の備蓄等に努めています。
 しかし、地震発生直後の帰宅困難者への対応は、企業や駅周辺の事業者、住民団体等における「自助」「共助」の取組みが鍵を握ります。
 そこで、事業者等における「食糧の備蓄」や「一斉帰宅の抑制」などの具代的な取組みについて、県の広報や「かながわ減災サポート店」などを活用して、周知・徹底を図ります。
 また、県は、各地域で交通事業者や駅周辺の事業者、住民団体等と連携した実践的な訓練を実施してきました。今後も、こうした訓練を通して駅前協議会など、地域で帰宅困難者を支える仕組みづくりを進めます。
 このほか、条例では、地震災害に対する予防や、事前対策、応急対策、復旧・復興対策など、本県にとって基本となる地震災害対策の方向性を定めています。
 今後とも、県は、地震災害対策推進条例や地域防災計画、さらに、本年度から実施する新たな地震被害想定などをもとに、大規模地震対策の一層の充実に努めていきます。
 私からの答弁は以上です。
再質問(杉本とおる議員)
 大規模地震対策についてでありますが、県が災害対策を進める中で、私は市町村の連携が必要不可欠であろうと考えております。
 大規模地震が発生した時に、災害対策とともに被災地内の事業所が業務を継続していることは、地域の復旧・復興のためにも重要であります。そのためには、事前にBCPを策定することは有効であり、また、この計画策定作業を通じて従業員の防災意識も向上できると考えております。
 しかし、民間事業者のBCPの策定は中小事業者においてはまだまだ進んでいません。地元市町村が積極的に指導していく必要があると思います。しかし、市町村自らのBCP策定が進んでいないのが現状であり、昨年の私の一般質問で、県内市町村自体のBCPの策定を早急にやるべき、と訴えてきましたけど、まだまだ県内33市町村の中では10か所ぐらいだと承知しています。
 そこで、今後、市町村の策定計画に向けて県の指導が必要だと思います。その結果、市町村が作り、それが地元の中小事業者へと波及していくと考えておりますが、知事の見解を伺います。
答弁(黒岩知事)
 市町村の業務継続計画の策定の促進に向けた取組みについてお尋ねがありました。
 大規模地震の発生などの非常時には、まさにおっしゃるとおり、県と市町村が連携して対応するということが不可欠であります。
 そのためには、あらかじめ双方で業務継続体制を計画として定めておくことは、とても大事なことだと思っています。
 県は、これまでも様々な機会を通じて計画の策定を市町村に要請してまいりました。
 昨年9月の段階では、制定済は4市町村でしたけれども、現時点では、10市町村という状況であります。まだまだ10市町村にとどまっているというのが現実です。
 そこで今年度は、策定のための体制やノウハウが十分でない、こういった市町村を中心に説明会を開催して、専門家による助言など、計画の策定に向けた具体的な支援に努めてまいります。
要望(杉本とおる議員)
 それでは、要望をさせていただきたいと存知ます。
 まずは、大規模地震対策についてでございますけれど、発生した場合、多岐にわたる備えを、今からしておかなければならないというふうに思います。
 今回は、帰宅困難者を中心にお話をさせていただきましたけれど、東日本大震災などの教訓を踏まえて、やはり、一つ一つ実践的な、確実な対応を県民に訴え続けていかなければならないというふうに思っております。
 それと併せて、それより重要なのは、今回申し上げましたように、市町村とのより綿密な連携であると思っております。是非ですね、県と同じレベルの情報を市町村と常に情報共有しながら、しっかりと県民の安全・安心のために、一つ努力をしていただきたいと思います。
 それから併せて、もう一つ、申し上げておきますけれども、先日、県の倉庫協会といろんな話を聞く機会ございましたので、その時ですね、救援物資が必ず届くわけであります。
 今回の東日本大震災を見たときに、救援物資で、要は、被災地の方々には、必要なくて大量に破棄した物が、そういう救援物資も届いているわけであります。
 要は、救援物資を限定的にしっかりと決めておく、これも大事ではないかというご意見をお聞きをしました。何がどれだけ必要なのかということをですね、ただ、善意の中で方々から救援物資に来た物を受ければいいではなくて、そういうこともキッチリと、最初から決めておく、そして、やはり、公共施設を含めてですね、じゃあ、どこに保管しておいたらいいのか、というところも決めておく必要がある、ということをお聞かせいただきました。
 是非ですね、今日は、内容とは異なりますけれど、このことを申し添えておきたいというふうに思います。