答弁(企業庁長)
 企業庁関係のご質問についてお答えいたします。
「箱根地区水道事業包括委託」における事業者選定の考え方について、お尋ねがございました。
 本事業は、民間事業者に水道事業の運営全般にわたり実績を積んでもらい、国内外に事業展開していただくことを目的としています。このことは、一方で業務のほぼ全てを民間事業者に委託するという、これまでに経験の無い取組みですので、包括委託後も、引き続き安全で安心な水道水を安定して供給できるようにしていくことが、重要であると考えております。
 このため、事業者の選定に当たっては、公募型プロポーザル方式を採用し、価格だけでなく業務内容の提案も求めることとしています。また、その比率を、業務提案を8割、価格提案を2割とし、業務内容に重さを置いた評価といたします。
 業務提案では、浄水場等の運転監視や水質管理などの業務について、予め示した業務の要求水準を満たした上で、どのような工夫や改善が図られているか、緊急時やトラブルへの対処は適切であるか、お客様に対する安心への配慮がなされているか、などの観点から評価し、確実に業務を実施できる事業者を選定していきます。
 また、箱根地区は幹線道路も限られ、国際観光地として多くの観光客が滞在していることから、緊急時には、迅速な復旧が求められますので、地域の事情に精通した地元企業の協力が大切であると考えてございます。
 そこで、受託事業者に対しては、災害時の応援協定などを結んでいる地域の社会貢献企業や地元企業への発注に努めることを求めています。この点についても、今後の審査の中でしっかりと確認し、引き続き地元企業の協力が得られるよう配慮していきます。
 このような考え方に基づき事業者の選定を行うとともに、包括委託後においても、業務の実施状況を確認し、必要に応じて業務指導を行い、箱根地区の水道事業の確実な継続を図ってまいります。
 私からの答弁は以上です。
要望(杉本とおる議員)
 この包括委託により箱根地区で実績を積んだ事業者が、国内外へ事業展開することを支援するという狙いは良く分かるが、大手企業だけでなく、地元の中小企業がこの事業に参加し、今後の事業展開において活躍し成長していくことを期待しているわけである。また、初めての事業であるので、地元水道業者の方々で取り組んでいくことも業界のレベルアップにつながっていくのに有効な事業であると受け止めている。
 これまで、箱根の水道事業を支えてこられた地元企業が、企業庁長から8割は提案型だとおっしゃっていただいたが、価格競争にさらされ、結果として、利用者の安全性が脅かされることのないよう、包括委託後も企業庁としてしっかりと指導していただきたいと思う。
 また、今後、県水の運営について、例えば指定管理制度など、民間に委ねようという状況が発生した時に、一体的な管理ということを考えると、県内の他の県水地域は、箱根のような状況ではないと思う。浄水場から一般の家庭への供給までという一体的な取組をできるところはないと思う。
 浄水場の運営管理ができるような大手企業ではなく、自分のところを一番よく知っている地元企業を優先して使っていただけるような状況を作っていただくことが重要である。