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 コモンモードLINE フィルタ
< Common Mode LINE Filter >


コモンモードLINEフィルタは無線機と商用電源(AC100V)の間に挿入するフィルタ(写真)です。FT240(#43)トロイダルコアを使用し、ビニール線をバイファイラ巻きで13ターン(両側で26ターン)巻きます。ビニール線は1mの市販AC延長コード(125V 15A)を利用します。製作に半田付け作業は一切必要ありません。カッターナイフ一丁で製作できます。まずAC延長コードの外皮部分をプラグ側30cm、ジャック側1cm程度を残しカッターナイフで切り入れを行い取り除きます。中から平行ビニール線が露出します。ここでの注意点は、外皮部分は非常に薄いためカッターナイフによる過剰切り入れをしないことです。少しでも深く切り入れをしてしまうと、中の平行ビニール線まで傷つけてしまい、最悪、導体の縒り線まで露出してしまいます。次に平行ビニール線をカッターナイフで左右に分離します。ここでもカッターナイフの使用は細心の注意が必要です。平行ビニール線の中心から少しでも偏って切り開くと、偏った方のビニール被覆が多く削られてしまい、やはり中の縒り線が露出してしまいす。これを防ぐための最良の方法は、カッタナイフによる分離は最初の1〜2cmに止め、あとは手で左右に引き裂くことです。ここまでうまくできれば9割完成です。コードのジャック側根元をロックタイでコアに固定し、プラグをコア穴を通しながら左右均等にバイファイラ巻きします。13回巻きでコアの内側部は巻いたビニール線で隙間なく埋められた状態になります。巻いている途中で外皮部分が取り除き不足の状態なら巻き終わり位置まで調整カットし取り除きます。最後に巻き終わり位置をロックタイでコアに固定し完成です。全長は40cmほどで、プラグからコアまでは約30cmです。プラグ側のコードを意識的に長くしたのはコンセントに挿入したときコアのぶら下がりを防ぐためです。筆者は同一のフィルタを4セット製作しました。シャック内の無線機器やパソコン・AV機器などへのAC電源供給は、この先にテーブルタップをつないで、全てこのフィルタを介して行っています。

2007.06.14

製 作 工 程

 4セット分の部品  市販AC延長コードの外皮部分を除去する  平行ビニール線を分離する
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 ジャック側をコアに固定  ビニール線をバイファイラ巻きして完成  コンセントに取付け・テーブルタップ接続



◎ このコーナーで公開した自作品は、筆者の単なる個人的な趣味で製作したものです。
本機製作により発生したいかなる不具合もしくは損害について、筆者が責任を負うものではありません。


◎参考文献:トロイダル・コア活用百科 ( CQ出版社 )
:電波障害・その対策と実態( CQ出版社 )
   :CQ ham radio 2005年6月号特集記事 電波障害の基礎知識( CQ出版社)