2004/4
       

★〜BOOK〜★
落雷(上・下) / ダニエル・スティール
玉蘭 / 桐野夏生
ペインテッド・ハウス / ジョン・グリシャム
ウサニ / 野沢尚
小さき者へ / 重松清

★〜MOVIE〜★
ブラック・ジャック〜劇場版〜

4/7 落雷(上・下) ダニエル・スティール
落雷にあったような運命の逆転。舞い降りた不幸の中でさがす慰め。絶好調のはずの勝ち組にもやがて命運つきる時が来て…。好事魔多いベンチャーキャピタルを食い物にするエリート男女。翻弄される善良な夫婦の行く末は…。七転び八起きでつかむ50点人生に幸あれ。(楽天ブックス紹介欄より)

どうもこの前著者自身の息子のことを書いた本(「輝ける日々」)を読んで以来、主人公の女性アレクサンドラと著者がダブって感じてしまう。
どちらも「強い女性」のイメージがある。
強いといっても、肉体的に、ではなく精神的な強さの方をね。
その強さを持っているくせに、何故アレクサンドラは思いやりの欠片すら持てず裏切り行為に走った元夫サム(結局離婚手続きは済んだのか?)への情に流されてしまったのだろう?
私としてはブロックと新しい人生を手に入れて欲しかったんだけどなぁ〜。若さ故の嫉妬心を丸出しにしてしまったことがブロックの敗因なんだろう(゚ー゚;
ただ、サムが詐欺事件に巻き込まれ全てを無くしてようやく、アレクサンドラが抱えていた喪失感を感じることが出来た事で、さらにこの2人は強い結び付きによって離れることはないでしょうね。

4/11 玉蘭 桐野夏生
張り詰めた東京での生活に疲れ、すべてを捨てて上海に留学した有子。しかし、どうにも断ち切れぬ思いは、70年前、この地で生き、同じ思いを抱えた大伯父の幽霊を呼ぶ。枯れた玉蘭の花とともに…。交錯する二つの思いは時を越え、“過去”と“現在”を行き交う。人は恋愛の果てに何を得るのか。 (楽天ブックス・紹介欄より)

有子が眠れずにいる場面が幻想的に描かれていて、そんな中で玉蘭の匂いに誘われたかのように大伯父・質が現れる。
有子も質も恋人の事を理解することが出来ず別れを迎え、相手を無くしても尚悩みつづけている。
「愛する事」は「相手を受け容れあうこと」。
自分自身を「壊れてしまった」と表現した有子が出した結論は「相手を自分の中には引き入れない」…すなわち誰も「愛さない事」になるんじゃないかな。壊れた有子のまま物語は終りを告げていますが、私の希望として、この先壊れた有子を優しく包んで修復してくれる人が現れ、もう一度「愛すること」「愛されること」が出来るようになってほしいと思います。
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4/19 ペインテッド・ハウス ジョン・グリシャム
1952年アメリカ南部アーカンソーの綿農家に住む7歳の少年ルークの視点から見た、一家が洪水によって絶望の淵に沈むまでの数ヶ月。
その数ヶ月の間に出会いと別れ、事件が折り重なりルークは大人への階段を上っていく。
祖父母との別れのシーンがとても切なかったです。
でも絶望に沈んだままではなく、ルークが新天地への期待を胸に抱いていることで明るい未来を予感させられるような終り方でよかった。
リーガルサスペンスだけでなく、ジョン・グリシャムは人間の心の襞を表現する上手い作家だなと感じさせられました。

4/23 ウサニ 野島伸司
アマゾンの奥地で悪戦苦闘の末に捕まえてきた「伝説のヘビイチゴの精霊」。ウサギに似せたぬいぐるみ“ウサニ”に宿り、主人公コーゾーに話し掛け始める。
「サラウハアイ」…さらわれて来た"ウサニ"は、コーゾーを愛し、愛されることを求める。けなげな"ウサニ"がとても可愛い。一生懸命コーゾーに愛される努力をするも、所詮は縫いぐるみと人間…肉体的には報われない。
精神的なアイについて考えさせられる1冊です。
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4/25 小さき者へ
親に対して、子供に対しての想いが詰まった1冊。
親に対しての”ワダカマリ”を今でも感じている自分はまだ子供なんだろうな。未だに素直になれない自分がいる。
子供に対しても全て分かっているつもりでも、分からなくなる時期がきっと来るハズ。そういう時にどういう態度で接したらいいのか分からない。
”親”として未熟なまんまだけれど、そうやって悩むことで成長できるんだろうか…。そう遠くない未来にきっと対峙することになるんだろう、そうなったら肩肘張らずにありのままの姿でいれるよう努力するつもりだ。出来るかな?!

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4/18 ブラック・ジャック〜劇場版〜 出崎統
(原作:手塚治)
DVD
生体実験の末に作られた「超人類」達。
新薬に含まれるウィルスによって変体した結果、異常なほどの脳内麻薬の分泌により死に急ぐことになってしまう。
それまでごく普通の人々だったのが『超人類』になれた事で幸せを感じたのだろうか。自らが選択して超人類になった人はもとより、感染して、または作為的に感染させられた人達にとっても、栄光を手にした幸福感は束の間で終り、あとは不幸への道をひたすら進むだけのように思う。
何より生体実験を行ってまで、超人類を作り出すこと自体が非人道的な行為だ。
医師免許を持たず、法外な治療費を請求するブラック・ジャックは一般的なモラルからは外れてはいるが、決して人間としての絶対的モラルからは外れる事は無い。冷酷的な素振りの中に垣間見えるのは「優しさ」だ。
問題となったウィルスについての解決策は見つかったが、最終的には環境破壊への苦言がテーマとなっている。
人間の尊厳、環境問題。
手塚作品はこのテーマが根底にあり、普段はあまり気にしていない事を改めて思い出させ、考えさせられる事が多いですね。

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