平成16年
 三 社 祭
 
  宮出し見物記

 
 

  平 野  正

  平成16年5月16日
     安全の為、斜めのフェンスともう一重柵がある
4時に起き4時35分の電車で北千住に着いたら東武電車への連絡口はシャッタ
ーで閉ざされていた。5時に開いた連絡口から5時11分の東武電車で浅草へ行っ
た。
北千住では雨音が大きかった。浅草神社でも結構な雨だった。
雨と傘の滴でびしょびしょの見物である。
浅草神社鳥居前は人が一杯で其処から20m位浅草寺寄り、前から2列目に滑り込
んだ。
去年は手をかざし写真を撮ったが写っていたのは前の人の禿げ頭ばかりだった列順
に比べれば良い場所に入れた。
上の写真は午前6時一ノ宮の宮出しである。
浅草神社境内で一ノ宮、二ノ宮、三ノ宮が揉まれ一ノ宮が浅草神社外に出てきた。
鳥居の前にラクビーのゴール状の物があり、横棒が上下する。
常時は腰の高さに下ろされている横棒が神輿が通過する時テッペンまで挙げられ
通り過ぎると又腰の高さに下ろされる。
順調に人の乗らない一ノ宮が神社外に出てきた。
今日はスムーズに仲見世迄いけそうだと思えた。
神社の前で一ノ宮が引き継がれると人が神輿に10人程乗り神輿が落ち動かな
くなった。
出口を塞がれ二ノ宮も三ノ宮も神社から出られない状態になった。
一ノ宮の上に乗った人たちは神輿が落ちても下りようとしない。
同じ宮神輿も人の乗らない町内渡御では神輿は落とさないのだから人が乗る為に
宮出しで神輿が落ちるのは解りきっている。
一部の人間の自己陶酔をドサクサで取り締まれないのだろう。
新門辰五郎の血筋の人が浅草寺脇の舞台からマイクでヨイヤサのヨイヤサと掛け声
を懸けて持ち上げようとするが持ち上がらない。
肩の高さになりリズムに乗りかけても左右どちらかに傾き落下する。何回も繰り返す。
一ノ宮が進行方向と違うが鳥居の右にヤット運ばれ障害が除かれ二ノ宮が神社外
に出てきた。
これには人が既に11人乗っており二ノ宮も落ちた。
しかし二ノ宮は上に頭(かしら=神輿の運行をとりしきる裏方さんの鳶職)と思える
法被の6人が代わって乗り扇子で上手く誘導し仲見世方面に消えた。
     人の乗らないスムースに担がれた一ノ宮             一ノ宮の落下
            二ノ宮落下      神輿が見えないほど三ノ宮に乗る人
一ノ宮だけが神輿のテッペンに鳳凰が付いていて、二ノ宮 三ノ宮は擬宝珠である。
斜めにはられたフェンスで神輿と担ぐ人や囲む人が屋台の方まで来ないように防御している。
斜めのフェンスは力を分散し押し返す力は少なくて済みそうだが担ぐ人の圧力が加わる
と機動隊の人達が必死で押し返していた。
一ノ宮はヨイヤサのヨイヤサと掛け声を懸けても中々上がらず6時に宮出しした神輿が浅草寺
前に出たのは9時を過ぎていた。神社と浅草寺の距離は100m位のもの。
三ノ宮は更に遅れた。
見る方も度々落ちる神輿に威勢のよさも感じず興奮するわけでもなく意地で浅草寺前を曲がり
仲見世に向かうのを見届けなくてはと同情で濡れて居たのであって天下の三社祭が泣いてい
ると思った。
祭りは儀式であり宮だしは最大のイベントでありスムースな運行が感動させるパフォーマンス
であると思う。大きな神輿が大勢で勢い良く担がれるのが良く神輿が見えない程人が乗るのは
美しくもない。醜い。
神事に混沌は好ましく無いと思えた。
昨年は一ノ宮、二ノ宮、三ノ宮を追いかけて3時ごろまで浅草の色んな町会を回ったが今日は
10時に仲見世で三ノ宮を拝み帰った。