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おおぐま座は、北斗七星として知られる、柄杓の形で非常に有名な星座です。ほぼ一年中見ることができますが、大都会ではかなり見にくくなってしまっています。この星座が一番見やすくなるのは春で、秋には地平線に柄杓の柄が突き刺さった状態になってしまいます。
この星座で一番有名な見どころと言ったら、やはり、ミザールとアルコアの二重星でしょう。2等星と4等星の重星で、肉眼でも、目の良い方ならば、2分できるでしょう。これらを望遠鏡で見てみると、この2つの星の間に8等星が見えますが、ミザールの方をよく見てみると、ミザールのすぐ近くに暗い星があるのが分かります。実は、この星は、ミザールの周りを回っている連星なのです。さらに、ミザールは2つの3.2等星が非常に接近して回っている連星であることが分かっています。まあ、ここまで確かめるのは困難でしょうが。
他にもまだまだたくさんの見どころがあります。β星のすぐ東にある惑星状星雲は、M97ふくろう星雲と呼ばれている、有名な惑星状星雲です。この星雲は、ふくろうの顔によく似た形をしているので、このような名前が付けられました。9.1等の明るさで、口径10cmの望遠鏡で、ふくろうの顔を見ることができます。
また、この星座にはたくさんの銀河があります。7.8等のM81、9.3等のM82、9.6等のM101などが見どころです。特に、M81は初心者でも簡単に観測することのできる天体です。また、大きい双眼鏡を使うと、M81とM82を同一視野に捕らえることができます。このように、この星座はいろいろと楽しめる星座なのです。
こぐま座は、北極星のある星座、ということで有名な星座です。見どころといって、特に見当たりませんが、おおぐま座の北斗七星のコンパクト版である、「小北斗」を目で追ってみるのも楽しいかも知れません。2等星が2つ、3等星が1つ、4等星が3つ、5等星が1つ、といった具合です。
りゅう座は、こぐま座、こと座、はくちょう座などに囲まれた、北天の目立たない星座です。夏に一番見やすくなりますが、特に名所はありません。1月上旬の「りゅう座流星群」と、10月上旬の「ジャコビニ流星群」の、2つの流星群が、この星座を輻射点としています。りゅう座流星群は、毎年決まって活発な活動を見せてくれますし、ジャコビニ流星群は、どんな活動を起こすか分からない、毎年必ず注目される流星群です。天文ファンにはたまらない、2つの天文ショーを演出する星座ということで、一度くらい、北天に、暗い竜の姿を見てみたいものです。
ケフェウス座は、カシオペヤ座の隣にある、五角形の星座としてそれなりに有名な星座です。3つの3等星、2つの4等星からなる五角形は、秋の夜空の中では、けっこう見つけやすいものです。あまり派手な見どころはありませんが、いくつか、地味な観測ポイントがあります。
五角形の少し南にあるμ星は、「ガーネット・スター」と呼ばれていて、非常に赤い星です。ウィリアム・ハーシェルがこの星を見て、余りにも赤かったのでこのような名前をつけたようです。この星のすぐ南には、IC1396という大きい散光星雲がありますが、この散光星雲は、双眼鏡や望遠鏡では見えず、見るためには、カラー写真でとる必要があります。
この星座は、天文ファン、天文学者にとっては、別の意味で有名な星座でもあります。それは、この星座のδ星のことです。δ星は、5日8時間47分39秒の周期で3.5等から4.4等の間で規則正しく変光する、脈動変光星なのですが、このように短い周期で規則正しく変光する脈動変光星のことを、このケフェウス座δ星を代表として、「ケフェウス座δ型変光星」または「ケフェイド」「セファイド」などと呼んでいます。このケフェイドの特徴として、「変光の周期が同じなら絶対等級が等しい」という特徴があります。これは凄いことで、この特徴があるおかげで、例えば他の銀河までの距離が測れたり、銀河系の大きさが分かったりするのです。つまり、もしその銀河にケフェイドが発見されたら、ケフェイドはその変光周期を測ることで自動的にその絶対等級を知ることができるので、見かけの明るさと絶対等級の関係からそのケフェイドまでの距離が分かるため、その銀河までの距離が分かるということなのです。短い周期なので、初心者でも変光を確認しやすいので、秋になったら、何かに取り付かれたように、毎晩毎晩この星を見続けてみるのも、それはそれで面白いかも知れません(?)。
カシオペヤ座は、北極星の目印となるW字形で有名な星座です。3つの2等星と2つの3等星によって形作られるWは、北天でかなり見つけやすいものです。見どころの説明の前に、ちょっと異色な「見どころ」を紹介しようと思います。この星座には、「見どころ」というと変ですが、言うなれば「知っておくべき場所」とでも言える天体があります。それは、「カシオペヤ座A」「カシオペヤ座B」という2つの強力な電波源です。どちらも、超新星の名残なのですが、特に、Bの方は、「ティコの新星」と呼ばれる、有名な超新星の名残です。
次に、実際に目で見える見どころを紹介していきます。実は、この星座には、目を楽しませてくれる散開星団がたくさんあります。7.3等のM52、7.4等のM103、7.1等のNGC663などなど、この星座の方に望遠鏡を向けていれば、必ず視野に散開星団が1つ2つ入ってきそうな感じです。
きりん座は、ぎょしゃ座とこぐま座の間にある、大きくて目立たない星座です。この、「北天の星座」のコーナーの中で、一番無名な星座でしょう。周りがカシオペヤ座、ペルセウス座、こぐま座、ぎょしゃ座、おおぐま座などのゴージャスな星座だけに、きりん座の部分は妙に暗くて、かえって「目立つ」かも知れません。