アデノウィルス感染症

人のアデノウィルスには1〜41型の血清型があり、特定の血清型と疾患の組み合わせは以下のようである。

 

咽頭結膜熱(3,7)夏期に多くプール熱ともいわれる。結膜炎、咽頭炎、高熱が4−5日続く。

急性熱性咽頭炎(1-7,とくに1,2,4,5が多い)冬期に散発し、かぜ症状。咽頭発赤、頚部リンパ節腫脹。

流行性角結膜炎(8)

乳児急性胃腸炎40,41)1年中みられ、かぜ症状、腹痛、嘔吐、下痢。

急性出血性膀胱炎11,21)頻尿、血尿、排尿困難。

 

最近アデノウィルスを検出する迅速診断検査がどこでもできるようになり、5日間続く高熱、喉の痛み(咽頭炎から扁桃腺炎)、頚部リンパ節腫脹が主症状で、時に結膜炎、肺炎、中耳炎を来すアデノウィルス感染症が流行することが広く確認されている。成人も感染し、一家中かかることもある。血液検査ではウィルス感染であるにもかかわらずCRPが著明に上昇し、細菌感染の合併も否定できず入院する場合もある。(通常は5-7mg/dl時に18mg/dlにもなる)

細菌感染がない場合は5日間ほど高熱が続くがそれを過ぎると自然にすみやかに解熱する。これは主に3型が関係しているようである。

7型では肺炎を主症状とする重症例と乳幼児の死亡例が報告されている。呼吸不全、ウイルス関連血球貪食症候群(VAHS)の合併の他、脳炎、心筋炎、腎障害、出血傾向の報告がある。7型の重症例は入院の上、早期にステロイド療法を行う必要がある。

アデノウィルス自体に効く抗ウィルス剤はない。あくまで対症療法だが、細菌感染合併も否定できない場合、抗生剤も使用することが多い。