はしか(麻疹)
《原 因》
はしか(麻疹)ウイルスが原因です。はしかの子供と接触してから10日〜14日後にせ
き、鼻水などから始まります。
《症 状》
せき、鼻水、めやにが出始めそれから熱が3日〜4日続きます。この時期からもう他
の子供に移します。
3日〜4日日に口の中に白い斑点ができます(コップリック斑といいます)。この頃、
一時的に熱が低めになります。
ロの中に白い斑点が出た次の日あたりから発疹(ピンク色のぶつぶつ)が出始めます。
出る順番は耳の後ろから始まって顔、胸、おなか、背中、足へと進みます。発疹が出
始めてから4日〜5日は高い熱が続きます。ここが一番大変な時期です。お母さんが
んばって!
発疹は出てきた順に薄茶色になっていきます。熱やせさも落ち着きはじめ子供さんは
食欲が出て元気になってきます。
《合併症》 .
次の様な合併症を起こすことがありますので注意しましょう。
1.脱 水
はしかの最盛期は食欲がなくなり、せきも強くせき込んで吐きやすいので脱水に
なることがあります。脱水を防ぐために水分(湯ざまし、番茶、電解質液、ジュー
スなど)を少しずつこんきよく飲ませてあげましょう。症状としては、おしっこ
の回数が減って口の中が乾燥してきます。
2.肺 炎
はしかの最盛期からなかなか熱が下がらないでかえって高くなったり、せきがま
すます強くなってきます。
3.中耳炎
はしかはせきが強いので中耳炎も起こす事があります。耳を痛がったり、こすっ
たり、熱が続いたりします。
4.脳 炎
非常にまれですが、子供さんが眠りがちになり呼んでもなかなか起きず、起
きてもすぐ寝てしまうようになったりします。このような症状がありましたらす
ぐに来院してください。
《家庭での注意》
1.部屋は明る過ぎないようにしてください。また、やたらと厚着をさせたり、部屋を
閉め切って暖め過ぎないように注意します。
2.熱の高い時には頭を氷枕などで冷やしてあげてください。坐薬を入れてあげてもよ
ろしいです。座薬は4〜5時間たったらまた入れてもかまいませんが、熱は、はし
かが治るまではさがりにくいですし、さがってもすぐまた出て来ます。
3.食事は水分を多めにし消化の良さそうなもの、口あたりのよいものをあげてください。
4.薬は症状が楽になりますし、合併症の治療や予防のための場合もありますのでてい
ねいに飲ませてあげましょう。機嫌が悪く飲みたがらないときも多いのですがスポ
イトやスプーンを使って少しずつ飲ませましょう。あせらず!
5.移りやすい病気なので発疹が茶色になってしまうまでは他の子供と接触させないで
ください。
6.熱がなくなって発疹が茶色になり食欲が出て元気になりましたら、おふろに入った
り外に出ても良いでしょう。
7.元気が出て来てもまだ体力は落ちていますので、他のカゼをひかないようにするため
にもしばらくは寝不足や激しい運動、人混みに連れて歩くことはやめておきましょう。
昔から伝わっている間違った考え方
*熱を下げると発疹が出なくなるから坐薬を使ってはいけない。
*風にあたると悪いから家のなかでふとんむしのようにふとんにくるんでおく。
*たまご、おもち、サイダーなど食べてはいけないものがある。