『スケート・ボード』
 学生時代、ほとんどバイトをしなかった。4年間で2〜3週間くらいかな。お金があったからやらなかった訳じゃなくて、卒業したら、「何10年も働くのだから。」と思っていたから。だから、時間はいくらでもあった。ほとんどしなかったバイトのうち、1週間(実際は6日間)の新築マンションの清掃というバイトをしたのが最長不倒記録の連続バイト日数。(といっても、あとは日当のバイトを知ってたので、金がなくなると1日とか2日とか行ってお世話になってた。)そういえば、金がなくなると教科書とレコードを売ったなぁ。デヴィッド・ボウイの海賊盤が300円だったのが一番つらかったな。持ってッちゃったもんだから売っちゃったけど。「売った後も失敗したかなぁ?」と思った。最近出たCDと内容は同じ感じなんだよな、「ホワイトライト/ホワイトヒート」なんか演ってて。ちゅうことで、お金もなくバイトもせずの生活だったんだけど、友達と行ったこの最長不倒のバイトで3万円をゲット(たぶん6日間だな。)し、金を貰うと、会社の隣がパチンコやで、当然明かりに惹かれる蛾のように入ってしまい、2人とも負けたのは覚えてる。それでも2万何千円(20年以上も前なので、今のようなギャンブル性の高いパチンコではないわけで・・・。)かの金は手元に残った。
 それを握り締めて、お店へ。何のお店って、スケボー売ってるところ。で、えらくかっこいい板があったので、
「これいくら?」って聞いたら、
「これは凄く高い。持ってるだけで振り向かれる。」と言われたのだが、振り向くほど知ってる人が何人いるんだろうと思ってしまう。しょうがないので、そのモデルと同じタイプで安いのを買うことに決定。本物は1枚板で作られてるんだけど、買ったのはテール部分が後付けのもの。それでも、一応ローガン・モデルということで・・・。
 次が、ホイール。やっぱりかっこいいのがあって、
「これがいいな!」というと、
「これはフリースタイルをバリバリやらんとあかん。」とまた店員が云うので、
「フリースタイルなんかバリバリできん!そこら滑ってるだけ。」というと、
「ここらでええんちゃう。」という。それじゃ、「さよか。」ということで決定。
 表の滑り止めは、「かっこよう張ったげるで。」というので、おまかせ。
裏側に店のシールを貼ってもらい、全部で2万円位した。技術から云うと、今ばった屋で売ってる3千円くらいで十分なんだけど、当時はそんなとこで売ってなかったしなぁ。どうも家に帰ってから、レコード屋のシールとJAFのシールを貼ったようだ。レコード屋はともかくJAFのシールは何で持ってたのか不思議。
 とにもかくにも、バイトで得た金で買った唯一のものがこれ。記念すべき品ですよ。それに結構遊べたので、まぁなによりでした。
 今はゴムがいかれてしまって使える状態じゃないけど、パーツを取り替えて息を吹き返させてあげようかなと考えてる今日この頃です。